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溺れるものはナニを掴む  3
溺れるものは・・・続きです。
夕鈴ちょっと痛いかな・・・? えへ。妄想の下町なので本誌とは違う様子があると思います。 そこは「ああ、違うな」と思うだけにしてご勘弁を(笑)

目次を作ったら、目次に拍手が沢山来て驚きと、遅い目次作りに反省をしています。
嬉しいとのコメントを多く頂きましたこと感謝しております。ありがとう御座いました!!





では、どうぞ















学問所での授業が終わり青慎が家に戻ると、丁度李翔(陛下)が自宅前にやって来た。

「やあ、こんにちは青慎君。 昨日はお邪魔したね。 夕鈴は居る?」
「こ、こんにちは、李翔さん。 僕も今帰ったところですが姉は居ると思いますよ。 午前中に買い物に行くと言っていましたから、もう帰っている筈です」

しかし、陛下と共に家に入るも夕鈴の姿はない。
青慎が洗濯の片付けかなと裏庭へ回るも姿は見当たらなかった。
「おかしいな。 買い物にそんなに時間が掛かる訳がないんだけど」 と首を傾げる青慎だがふと何かを思い出した様子で 「あ、もしかしたら明玉さんの所かも知れません」 と陛下に告げた。 陛下は聞いた事がある名前に 「女友達のところ?」 と聞き返す。

「はい、今回のお休みでゆっくり話をしたいと言っていたので、もしかしたら。 買い物はその後かも知れません。 あ、僕 お茶淹れましょう」
「・・・すぐに戻るのかな? 僕探して来ようかな」

お茶よりも姉が気になる様子の李翔さんに戸惑いながら、それでもお茶を淹れながら話す。

「あの、昨日のことですが・・・・。 几鍔さんは本当、いい人なんですよ。 何かにつけ家に顔を出してくれて 僕にいろいろ差し入れもしてくれるんです。 父が留守にすることが多いので正直 食事など助かってますし・・・・」
「昔から仲いいの? 夕鈴と」
「お茶、どうぞ。 ・・・・仲がいいって訳ではありません。 姉は几鍔さんと子供の頃は遊んだりしていましたが、成長と共に近所の悪餓鬼を懲らしめる役というか・・・・。 あの姉の性格ですから。 几鍔さんの実家が金貸しと解かってからは関わらないようにしていましたが、父がお金を借りることもあり、姉の頭痛の種でして。 几鍔さんは昔から変わない態度で、姉のバイト先にも良く顔を出していたようです」
「・・・・ふぅん」

卓に肘をつく李翔さんは紅い目を細めて、何処か遠くを見つめているようで、それは薄く笑ってはいるけど何か寂しそうな表情を浮かべているように見えた青慎は慌てて話し出した。

「あ、あの! 姉は王宮ではお仕事頑張っていますか?」
「うん! 頑張っているよ。 いつも癒されているし、助かっているよ」

「癒されている? 掃除でですか?」 と問い掛けると、にっこり笑い青慎をまっすぐに見て 「うん、あんなに綺麗に出来るなんて才能だね!」 と青慎にとっては不思議な褒め方をした。

その時、戸口から声がした。

「すいまっせ~~~んっ! 此方に・・・・ 居ませんか~? 李翔さんって方が~」

その声に李翔が立ち上がる。 青慎の肩をやんわりと押し止め 「僕に用事の者だから」 とそのまま外へと出て行った。 その動きと眼に青慎はいつか感じた寒気を再び味わった。




「よっ、へーか。 李順さんが 『また夕鈴殿のところでしょう!』 って怒っていたぜ」
「あ~・・・・戻ったら山のような書簡が待っているだろうな」

壁に身体を凭れ掛けて肩を竦め溜息を吐く陛下だが、直ぐに浩大を見下ろして問い質す。

「其れだけではないな。 ・・・・夕鈴に何かあったのか?」
「うんっ。 お妃ちゃん、攫われちゃった!」

実家に戻った夕鈴の警護に当たらせていた浩大からの報告に、冷たい視線を送る。
浩大は困った顔で陛下を見上げた。

「だってさ、お妃として攫われた訳じゃないしさ。 あ、一応場所は把握しているよ。 でも民間レベルだと何処まで関わっていいのか、ちょっと手が出し難いというか」
「・・・・何処だ?」
「川沿いの倉庫街だよ。 たぶんもう、お妃ちゃんの幼馴染君が向かっている。 お妃ちゃん、今回は幼馴染君の仕事で巻き込まれちゃったみたいっす。 武器は片付けてきたから無茶しない限りは大丈夫でしょ? ・・・で、行くっすか?」

浩大の報告に無言で足が動いていた。 「案内しろ」 と呟くと、浩大がにやりと哂った。
 











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

















夕鈴は一体何故こんな事になっているのか、事態把握したいが困惑しか出来ずに居た。

腕は後ろに回され縛られている。 腰に紐が巻き付き柱に括られている。 おまけに猿轡だ。
腹立たしい事態だが、もっと腹が立つのが、さっきから飛び交う言葉にだ。
怒鳴りたいのに怒鳴れない状況が続き、青筋が何本も浮かんでいる。

誰が・・・誰が、 【 几鍔の女 】 だって!? 怒りの余り震える夕鈴の身体を見て、近寄ってきた男が勘違いしたのか顎を持ち上げて話し掛けてきた。

「恐いのか? 可哀想にな~、これも几鍔のせいだ。 アイツの女だからこんな目に遭うんだ。 だから怨むならお前の男を怨むんだな」

その言葉に足をバタつかせて暴れるも、相手は高笑いだけ。

「んぐぅっ! ぐぐぐぅ~!」
「几鍔の女だけあって元気がいいな。 しかし・・・ 何処がいいんだ? この女の」

余計なお世話よ! それに何度も 【 几鍔の女 】 って繰り返すな!

憤った夕鈴が、この手と腰を開放しろと呻くも相手には通じない。

ただ倉庫にたむろしている集団から 「武器が何処にも見当たらないんです」 とか 「火薬が無くなっているんすよ」 などの言葉が聞こえてきたので、ただの間抜けな集団だろうと思った。
几鍔に傾倒して勝手に集まっている子分達同様、ただのチンピラの集団だろうと。
几鍔に恨みを持つ奴らがいるのは知っている。 もちろん几鍔も知っているだろう。
ただ 【 几鍔の女 】 として私が捕らえられているのを几鍔は知っているのか?
溜息しか出ないが、猿轡のせいで上手く息を吐くことすら出来ない状況に余計腹が立つ!!


「来たぞ!! 几鍔と手下だ!」

倉庫入り口に見知った顔が見えてきた。 十数人といったところか。 相手側も併せると、二十数人が倉庫に集合したことになる。 この人数で争ったら大変な騒ぎになるだろう。
几鍔が地元で顔が利く存在なのは良く知っているし、対峙するグループがあることも何となく知ってはいる。 しかし、私がその騒動に巻き込まれる事態になるとは思いもしなかった。 縛られた状態で姿を見せた几鍔を真赤な顔で睨み付けると、気付いた几鍔が苦笑した。


「夕鈴、大人しいと思ったら括り付けられていたのか・・・・」
「ぐぐぅ! んぐぅうううっ!」

私は地団太を踏みながら強く睨んだ。 頭に痛みを感じると強く髪の毛を掴まれていた。

「その横柄な態度を改めろ! これが見えているんだろ!?」
「・・・・片目だが見えている。 それが如何した?」
「ぐぅ~~~! んんぐ!」

「それ」 って何よ! それに今 「はっ」 と呆れた顔で息を吐いたわね! 几鍔の癖に!!
おまけにコイツ、乙女の髪を鷲掴みにして引っ張るとは! 首を回して相手を睨む。

「・・・この状況で肝の据わった女だな。 さすが貴様の女だ・・・・」

その一言で几鍔が固まった。
が、子分は一斉に 「姉御を放せ!」 「夕鈴は大事な姉御だ!」 と囃し立てるように騒ぎ出した。 夕鈴が足をバタつかせると更に引っ張られる髪の毛。 その動きに几鍔はやっと相手を睨み付けた。

「おい・・・。 確かお前は景升と言ったか? 最近五月蝿い集団が現われたと聞くがお前達か・・・・。 それで、ソレは誰の女だって・・・・?」
「五月蝿い集団とは言ってくれるな~。 頭角を現したと言ってくれよ」
「何が頭角だ・・・・。 女を盾に俺らを呼び出す輩をそんな風には言わねえよ!」

夕鈴の髪を掴んだ手に力を入れ、更に首筋に小刀を宛がった。 几鍔の子分がどよめき 「卑怯者!」 と叫ぶ。 その叫びに対して唾を吐き、几鍔に睨み付けながら景升が叫んだ。

「几鍔っ! 女が大事ならお前の縄張りを俺に寄越せ!! 嫌なら・・・ 解かるだろう?」

夕鈴の首筋当たる小刀がゆっくりと引かれた。 ちりっとした熱さを感じて夕鈴が顔を顰める。 声が出ない分 小刀を持つ男を睨み付けるが、相手は几鍔を見ているので気付かないようだ。 逆に夕鈴の視界に映る相手が額から流れた汗が顎に流れるほど緊張していると気付き、すぐに煽ることをやめた。 こんな時に下手に動くと危ないのは自分だ。 大人しくしているに限る。

『私、刺客慣れしてるのかしら? 恐いとは思えないのよね。 ただ逆に危ないとは思うけど』

夕鈴は、そんな風に冷静に現状を把握している自分が可笑しくなるほどだった。


几鍔は夕鈴の様子を見て落ち着いているなと思ったが、首に当てられた小刀が気になり容易に動けなくなっていた。 子分たちが 「兄貴っ! 夕鈴が・・・」 と慌てるが、慌てても仕方が無い。

「で、景升。 お前は何がしたいんだよ。 女を盾にして・・・・ 情け無い」
「くぅ・・・ お前の縄張りを俺に譲ると宣言しろ!」
「宣言って誰に? それに此処らで商売しているのは俺の親父だ。 俺じゃない」
「ぐぅぅ・・・ だがお前が幅を利かせているのは事実だ! その利権を俺に渡してお前は消えろ! おまえ自身の縄張りを俺が引き継ぐ!」
「はっ、無理な話だ。 俺の縄張りをお前が? ・・・・ふんっ」

腕を組んで明らかに馬鹿にした態度で景升を見下ろす。 実際几鍔の方が背が高い。 それすらも気に喰わないと夕鈴に当てた小刀に力が入る。 先程とは違う場所にチリッと熱い痛みが走る。 その痛みに思わず顔を逸らして眉間に皺を寄せると几鍔の顔色がさっと蒼褪める。
景升が思わず小刀を離して、夕鈴を見ると震えるどころか睨み付けられた。 顔を上げて几鍔を見ると、恐ろしい形相で睨まれた。 背に嫌な汗を流しながら景升は掠れた声で叫んだ。

「ど、如何するんだ? な、な、縄張りを渡すのか、渡さないのか!」

景升の背後の手下が角材や小刀を持ち、几鍔の子分と睨み合うも几鍔は溜息を吐き、腰に手を当てて一言呟くように景升に答えた。

「・・・・・無理なんだよ、お前じゃ」
「なっ! 本当にこの状況で言う台詞か? ああんっ! 女は如何なってもいいのか?」

几鍔が一歩近付くと、景升が夕鈴の髪を掴み引っ張り上げる。

「んぐぅ!!」

夕鈴のその声で几鍔の足は止まる。 夕鈴が目を開け、几鍔を睨み付けるように顎を景升に向ける。 『いいから、コイツをヤレ!』 と言っているのが直ぐに几鍔に伝わる。
頭を掻き毟り、几鍔が深い溜息を付く。








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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 00:02:57 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
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2012-04-24 火 01:30:30 | | [編集]
嬉しいです♪
お名前がありませんが、とても嬉しく思います。コメントありがとう御座います。「待て」ですか(笑)早く続きをお届け出来るように頑張りたくなります。わははは。照れちゃいますが、本当に嬉しいです。もう少しお待ち下さいませ。
2012-04-24 火 05:47:09 | URL | あお [編集]
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