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新緑の闇  8
新緑の闇 最終です。やっと終わりました。当初3~4くらいの予定でした。
思ったとおりに進まず、頭が痛くなりましたが、どうにかまとまりました。わーい(^^)/

今日でゴールデンウィークも終了ですね。いや~、うちの電子レンジが壊れて今日新たに買って来ました。ああ、予定外。ついでに息子の服と靴を買っていたら〇万円がぱあ~っと・・・。
靴のサイズ、28.5cmですよ。 馬鹿の大足!!
逆に娘がずっと22cmで サイズが無いとこっちは悩んでいるのに(笑)



では、どうぞ















明らかな悪事に処罰は早急で、残酷且つ残忍だった。
歴代正妃管轄の、国の未来を担う子供達のための施設に関わる昏い企みに激昂しているだけではないと李順は解かっている。 あまつさえ、妃の命を狙おうとした為と重々承知だ。 狼陛下の唯一の妃を葬り去ろう等、未だ考える輩がいること事態に溜息が出る。 李順は昏い笑みで眼鏡を上げ、罪状を述べると刑の執行を告げる。
廠大臣は焦点の合わない瞳で蒼白な表情を呈し、腰を抜かしたまま震えていた。 半開きの口からは声なき悲鳴を吐きながら。 陛下の視線を感じながら、頭をあげる事も出来ずに刑吏に引き摺られていく廠大臣。 いや、視線を合わせた途端、気を失っていただろう。 大臣は全てを失い、あと少しで命すら失うことになるのだから。

関わった高官らも全て狼陛下からの恐ろしい処罰を受ける事となる。 一つ一つ罪を暴かれ死をもって罪を贖う事となるが、その死への階段は長く冷たいものと知ることとなる・・・。 
見つめる紅い瞳が閉じるまで・・・。






廠大臣が捕まり 関わっていた高官や職員も処分され、養護院での騒動も収束に向かった。
今後は厳選された新たな高官が養護院を管轄する事となり、子供達も安心して過ごす事が出来る施設へと変わることとなる。

同時に国内全ての養護院運営に査察が入り、子供の育成に関しての条例が見直しされる事態となった。 今回の事件が発端であり、痛い思いはしたが夕鈴はそれを聞き安堵した。 
今度会う機会があるならば、あの時の子供に勇気を称えたいと心から思った。

『君の勇気が 沢山の子供を救ったんだよ』 と。
少しでも関わることで、手助けが出来たと夕鈴は心から喜んだ。




しかし陛下の機嫌は最悪を辿り政務室は連日ブリザード吹き荒れる極寒の様相を呈していた。

過日の報告を行なう為に柳方淵と氾水月が陛下の元へ赴いた時は、いつもの陛下だったと思ったのだが、日を追う毎に暗いオーラを纏い出し、少しでも政務が滞ると怒号が鳴り響き出す。 補佐官が肩を竦めて怯えながら政務に取り組む姿が続き、水月が早速姿を消した。



李順はそれが夕鈴の容態に大きく関わっていると容易に想像出来た。
熱が下がらず、覚醒しても朦朧とした状態で粥を啜り、薬を飲むのが精一杯の夕鈴から 「うつったら大変ですから」 と面会謝絶を受けているのだ。 陛下が来る度に訪室断りを告げる侍女も、機嫌の悪い陛下の恐ろしさに怯え出し、とうとう李順に訴えて来た。

「お妃様のお言葉をお伝えするのが困難な程です・・・・。 私共ではもう如何しようも出来ません。 しかし風邪がうつっては困るとのお妃様のお言葉も解かりますし」

涙目でおろおろする侍女らに李順は頭痛がしてきた。
深い溜息を吐き、如何にかしますと告げて執務室に入ると陛下を諭すように話し始めた。

「侍女を脅すのはお止め下さい。 夕鈴殿の言葉を伝えているだけではないですか。  夕鈴殿の熱が下がるまでは諦めて仕事を進めて下さい。 実際、うつったりしたら困りますからね!」

それを聞き、陛下はむーっとした顔で卓に手を伸ばした。

「風邪なんかうつらないよ。 大丈夫だって言っているのに夕鈴厳しいんだもの。 もう3日も顔見ていないよ。 あ~、夜這いでもしちゃおうかな・・・・」
「・・・妃の元へと夜這いする国王が居ますか? それよりも夕鈴殿はバイトです。 余計なことはなさらないで下さいね!! 先ずはしっかり治療させてあげましょう」

そう李順に言われると口を尖らせて黙るしかない。
・・・・我慢するしかないか、と陛下が諦めかけた時に浩大が窓からひょっこりと顔を出した。 相変わらず菓子を頬張り飄々としている。

「よ、へーか。 お妃ちゃん食欲も出てきて良かったな! 足の腫れもひいて歩く分には支障無いみた・・・・・あれ、へーか!? 何処へ?」
「・・・・浩大・・・」
「あの・・・ 李順さん、オレ余計な事を報告しちゃった・・・・ みたい?」


浩大の台詞途中で勢い良く執務室を飛び出した陛下の姿に、浩大は驚いて李順を振り返る。
浩大を睨み付ける側近に汗がだらだらと流れて来た。

「浩大・・・・。 これで政務が滞るでしょうね。 さあ、どう責任を取りますか?」
「あ~、いや、もしかして陛下、お妃ちゃんのところ出入り禁止だったのぉ??」

あちゃ~と浩大が額を押さえるも、後の祭り。
 
「夕鈴殿が風邪をひいているのは本当です。 うつられたら困りますから見舞い禁止と夕鈴殿が言ってくれたのは助かっていたんです。 その間に仕事を進めて置かないと、完治したら暫らくは彼女にべったりとなるのは判っていますからね。 ・・・・それを・・・!!」

肩を震わせながら薄く哂う李順に慌てて 「本当に知らなかったんです!」 と浩大が叫ぶも怒りは収まらない。 李順は 「責任を持って陛下を連れ戻して下さい!」 と厳命した。 その言葉に浩大は大きな眩暈に襲われる・・・・。

それは・・・・ 酷く無理な注文だと思うんだけど・・・・

肩を落とした浩大は、李順に睨まれながら後宮へと重い足を運ばせる事となる。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「な、なんで陛下が!! 風邪がうつるから駄目って・・・っ!」
「食欲が出て来たんだって? 他に何か食べたい物はない?」
「近寄らないでって言ってるじゃないですか! うつるぅ~~~!」

寝台では夕鈴と陛下の攻防戦が開始され、最初はおろおろしていた侍女もそのいちゃいちゃ振りに微笑み出した。 お茶の用意をした後は、邪魔してはいけないと黙って退室する。

「夕鈴、怪我の具合は? 他に痛むところはないの?」

夕鈴を抱き上げて寝台に腰掛けた陛下に脱力した夕鈴が根負けして、答え出した。

「もう大丈夫です、本当に御心配掛けました。 でも風邪をひいてしまったので、うつると大変ですぅ~。 ほんとに離れてぇ~!」

膝の上でじたばたするも腰を掴まれて動けない。 勿論、陛下は離す気など全くなく逆に夕鈴の頭を寄せて傷を負った部分に優しく口付けをする。 「ぎぃ・・・」 と声が聞こえてくると耳元に口を寄せて 「侍女がいるよ」 と囁く陛下。 その声に固まった夕鈴に微笑み、更に身体を抱き締めた。

「方淵と水月より旧道から岩穴での話しは大体聞いたけど、夕鈴からも聞きたいな。 すごく恐かっただろう? 怪我までしたし、水も冷たかっただろうし」
「確かに恐かったですけど、それよりも養護院のことが気になって気が急いてました。 刺客が来たと聞き、子供達の言っていたことが本当と判り もう頭にきちゃって!!」

元気良く怒り出した夕鈴に、うんうんと頷く陛下。

「方淵殿が岩穴を見つけて中に入ったのですが、穴に落ちちゃって。 そこで私、怪我しちゃったんですよね。 痛みもありましたが其れより水が冷たくって!! 地下水って言うんですか? 名水らしいけど冷た過ぎて皮膚に刺すようでした」

「でも、飲んでおけば良かったかも」 と勿体無い顔をする夕鈴に 陛下は苦笑してしまう。

「暫らく進んでいたのですが真っ暗闇の中で、水月さんが持っていた明かりがなかったら、もっと怪我をしていたでしょうね。 あ、怪我といえば方淵殿が足の怪我に布を巻きつけてくれたんですよ。 その布を洗ってお返ししなきゃ・・・・」
「・・・足に布を巻きつけた・・・?」

夕鈴が今は包帯を巻きつけた足首を擦り乍ら、布を行方を聞いて来た。
陛下はその足を見て 「・・・布は侍医が外したかも知れないな、新たに用意しておこう」 と無表情で答えた。 その足を見つめながら、確かに素足に白い布が巻き付いていたなと朧気に思い出す。 そこへ ほっとした顔の夕鈴が知らず陛下へ爆弾を投下した。


「足手纏いにならないようにと怪我した私を背負ってくれて、本当に御迷惑を掛けちゃいました。 あとで何かお礼をしなきゃと思っているんです! 何がいいかしら・・・」

う~んと考え出した夕鈴は陛下の表情の機微には気付かなかった。 腰に廻った陛下の手に力が入ったのを感じて、何? と顔をあげると其処には・・・・・・・ 狼陛下。
  
「なっ! 陛下? どうしたんで・・・」
「夕鈴・・・君の身体に触れたというのは誰だ。 方淵か? 水月か? それとも二人して我が妃の身体を抱き締め・・・・」

途端に真赤な顔になって夕鈴が慌て出した。

「抱き締めって! おんぶしてくれたって話ですよ? 私が足に怪我をしたから気を遣ってくれたと・・・。 なんでそんな顔をされるんですか!?」
「で、どちらだ? 体力的に方淵か? 水月も手を出しそうだな、親に似て抜かりはなさそうだしな。 我が妃に断りもなく触れるとは・・・」
「だからっ! 怪我をした私をですね~・・・・」
「奴ら、首と胴体が分かれても良いと言うのか・・・・」

岩穴で聞いた台詞だと思い出した夕鈴は、まさかっ! と陛下の顔を見るが狼陛下は昏く哂っており寒々しい雰囲気を醸し出している。 冗談じゃないの? と驚いた顔を見せると、哂ったままの陛下が夕鈴を見つめて 「どちらが触れた?」 と繰り返した。 
そのままの勢いで、狼陛下で夕鈴を追い詰めていると・・・・・・・・。

夕鈴がにっこりと微笑み、陛下の胸を押し出す。 眉を上げて夕鈴の顔を見ると微笑みの中に青筋が確認出来た。 夕鈴は腰に回した陛下の腕をそっと、しかし力を込めて外してくる。 

「・・・・陛下、優秀な臣下に対してあらぬ疑いは失礼で御座いましょう。 下っ端妃に対してお二人は真摯な態度でしたわ。 その臣下に対する御言葉では御座いません。 陛下、暫らくは此方には御顔を御見せにならないで下さいませ。 何度も申しておりますが、・・・・風邪がうつると困りますから! いいですね!!」

立ち上がった夕鈴は冷やかな表情で、憤怒を織り込ませた台詞を低い声で陛下に告げた。
瞬時に蒼白になった陛下が夕鈴に手を差し出すも、呆気なく払われる。

「ゆ、ゆーりん! ごめんっ、ごめんね。 君に触れたと知って思わず・・・!」
「思わず・・・・ 何でしょうか。 まさか彼らが、下っ端妃に手を出すような方々だとお思いですか? 御自身の大切な臣下ですよね? それも花恵宴を任せるほどの信頼ある方々のはず。 その御方々に陛下は有らぬ疑いを・・・・・~~~~~っ!」

ワナワナと震える夕鈴の顔は誰が見ても激怒そのもの。
怒髪、天を衝くとはこういう形相かと蒼白の陛下は思った。 怒りのスイッチが入った夕鈴に逆らえる筈もなく 陛下は何度も謝ったが怒りモードの夕鈴は睨むばかり。 
こうなったら小犬も狼も夕鈴には通用しない。 
そこへ浩大が 「あのぉ、李順さんが仕事だと呼んでますよぉ~」 と顔を出した。

「あら陛下、李順さんがお呼びだそうです。 お仕事頑張って下さいね」

眉を上げた夕鈴が昏い笑みで扉を指差した。 夕鈴が咳き込みながら、それでも強く指差す方向へ重く足を向けた陛下は最後の望みのように振り向き、尋ねてみた。

「・・・・ゆーりん、最後に1つだけ教えて欲しいんだ。 おんぶって何処を支えられたの?  足?  お尻?  どっちかだけ教えて・・・・・」


思い切り投げられた茶器は、二人の為にと侍女が用意したものだった。










執務室に戻った陛下は意気消沈した表情でのろのろと筆を持ち仕事を開始した。 容赦ない李順に急かされて書簡を開いていると、養護院からの書面が目に入る。

「そちらはあの養護院の子供から妃への御礼状だそうですよ。 今度遊びに来て、またお話をしたいと書かれておりました。 あとで夕鈴殿にお持ちしましょう」

喜ぶでしょうねと、李順も通常業務が始まった養護院の様子に満足の様子だ。 陛下はその書面を持ち、ふわふわと揺らした。 養護院の周年行事。 次はまた5年後だ。
でも子供が逢いたいと言っている。 それを伝えたら夕鈴は絶対に 「行きたいです!」 と言うだろう。 きっと・・・満面の笑みで。

「李順、それは後で私が夕鈴に届ける。 それより次の書簡を寄越せ」

仲直りの切っ掛けが届いたと笑みを浮かべた陛下は、急に李順を急かせて仕事に勤しんだ。
李順は滞りなく政務が進むならと書面を陛下に渡す事にした。






逃げ出した水月は数日後、いつものようにのんびりと出仕した。
やつれた表情の方淵の姿に驚いた顔を見せると、方淵は自慢げに小声で呟いてくる。

「流石は陛下だ。 ・・・信頼するに値すると大量の仕事を任された・・・」

両手いっぱいの書簡を持って嬉しそうな笑みを見せる方淵に苦笑いしか出て来ない水月。

・・・・妃を背負った事がばれたんだよ、方淵殿。

水月は嬉しそうな方淵にそれを伝える事が出来ないまま 「体調が悪いので早退するよ」 と踵を返し邸へと足を向けることにした。



FIN


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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 00:10:10 | トラックバック(0) | コメント(5)
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2012-05-07 月 03:06:25 | | [編集]
ありがとうです!
香雪様、コメント有り難う御座います。嬉しいです。お仕事&主婦は大変ですよね。うちは子供が大きいので、手が掛からない分、こちらに手を掛けることが出来ます。(笑)仕事のストレスを解消するのに大変役立っていますので、楽しく書かせて頂いてますよ。のんびりとね~~~~。こんな風にコメントを頂くのが照れくさいほどです。未だに笑ってしまい、仕事場で隠れて見るのが大変です(いや、仕事しろって)
本当に有り難う御座います。また遊びに来て下さいね。
2012-05-07 月 17:12:36 | URL | あお [編集]
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2012-05-09 水 21:25:05 | | [編集]
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2012-05-09 水 21:28:45 | | [編集]
うれしいです♪

sea様、こんな嬉しいコメントに返事しないなんて出来ません!有り難う御座います。
養護院への訪問。楽しそうな陛下と演技にいっぱいいっぱいの夕鈴。子供に夕鈴を取られて、嬉しそうに見つめるものの、その内子供に焼きもち妬いて・・・あとで夕鈴に擦り寄って怒られる・・・このパターンが素直に浮かんできました。
機会があったら、書いてみるのも楽しいかもです!有り難う御座いました。
2012-05-09 水 22:30:03 | URL | あお [編集]
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