スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
さーびす・えりあ
日々陛下を癒し続ける夕鈴。頑張れ夕鈴、頑張れ李順さん!
頑張って、頑張って仕事をさせろ!
ああ、また明日仕事だ~! 寒い時期は朝起きるのが一番辛いですよね。


では、どうぞ。











後宮に顔を出すと、突然にも拘らず夕鈴は明るい顔で迎えてくれた。


「陛下、お疲れ様です。 明るい内に此方に来られるなんて大丈夫ですか? お仕事が今忙しい時期と側近の方に窺っておりますが・・・・」
「大丈夫だ。 我が妃に逢いに来るのに、誰に文句を言わせよう」
「・・・・・(李順さんです、陛下!)」

侍女が下がった後、ふにゃっと力を抜き長椅子に体を預けた陛下に、温かいお茶を淹れる。 
忙しそうだなと思ったので夕鈴は 「プロ妃」 として精一杯微笑んだ。 その笑顔を見て、同じように微笑んでいた陛下だが・・・・・。

「・・・くっ、だ、だめだ! 夕鈴、可笑しいよ! ははははっ!」

爆笑された夕鈴は驚いて周囲を見回した。 
侍女は下がらせたが、余りにも盛大な笑い声に夕鈴は慌てて陛下を制した。

「聞こえちゃいますよ、陛下! 一体どうしたんですか?」 

静かにして欲しいと、指を口に当てながら陛下を制する。 苦しげに涙を拭いながら、陛下は夕鈴が唇に当てた指を絡め取った。

「ご、ごめんね~。 夕鈴の硬い笑顔がすごっく面白くって、我慢出来なかったんだ」
「わ、私の顔で笑ったんですか? ・・・それは・・・あんまりです」

陛下に絡め捕られた指の行方を見ながら夕鈴は怒ってみるが、陛下には届かない。
陛下の唇に届いたのは、夕鈴の指先だった。

唇に押し付けた指に、ちゅっと音を立てて陛下が吸い付く。

・・・・・私の、私の指に へ、陛下の唇!? 

バギンッ!と固まった夕鈴。 夕鈴のこれ以上は無い程に大きく開かれた瞳とあんぐり開いた口を見て、陛下は思わず笑い出しそうになり口を押さえた!

「ぐぅ・・・ぐ! 夕鈴、おか、可笑しい・・・腹が、痛い・・・」

陛下の笑い声に、はっと気を取り戻した夕鈴は全身が沸騰するほどに震えた。
しかし、いつもと同じように怒鳴るだけでは毎回同じことだと瞬時に考え・・・・。
すぅっと息を吸い込み、そして深く息を吐き、呼吸を落ち着けてから言葉を紡ぎ出した。



「陛下・・・・。 楽しい時間を過ごせて良かったですわね」
「は、はは、は・・・え? 夕鈴・・・」

陛下が大笑いで流れた涙を拭きながら愛しい妃を見ると、微笑んでいる。
それも妃らしく優雅に。

『あれ? もしかして・・・やばい!?』 と思った陛下が、慌てて 「ゆ、夕鈴、怒ってる?」 と小犬の表情で首を傾げながら尋ねる。 その問いに、静かに首を振りながら夕鈴は優しい眼差しを陛下に向け、ゆっくりと口を開いた。

「いいえ。 陛下に喜んで頂けて妃として、大変嬉しゅう御座います。 陛下のためにこれからも更に精進致しますわ。 ですからお願いです・・・・・・早く出て行って下さいませんか!?」
「・・・・怒っているんだね、夕鈴。 ご、ごめんね!」
「出て、 行って、 下さい、 陛、 下!!」

微笑んでいるはずの夕鈴の額に青筋が見える。 
膝の上に揃えられた彼女の両手がワナワナと震えているのを見た陛下は、もう一度小犬の顔で、尻尾も耳も垂らしてそっと懇願してみた。

「ゆーりんが淹れてくれたお茶を飲む間は、ここに居ていーい?」
「・・・・・陛下、お仕事を抜けて来たのですね?」

ごくんと、唾を呑み込む。 何故、それを夕鈴が知っている?
夕鈴の膝の上で組まれていた手が、すぅっと上がり僕の後ろを指差した。

ああ、奴が来たんだな。 どす黒いオーラを感じる・・・。  前からも後ろからも。

「陛下、お探ししましたよ。 5つ目の四阿捜索中に、こちら方向へ向かったと兵より聞き、足を運ぶと・・・ 外まで笑い声が聞こえておりましたよ・・・・。 陛下」

ああ、きっと奴も微笑んでいるな。 夕鈴と同じように青筋を立てながら。
諦めて立ち上がり、もう一度夕鈴に 「本当にごめんね。 ゆーりん」 と謝ってみる。

小犬陛下で耳も尻尾も盛大に垂らしたまま謝罪をすると、震えていた夕鈴は戸惑った顔になり、息を吐いた後に小さい声で僕に告げてくれた。

「お仕事が終わりましたら、お茶を飲みにいらして下さいませ・・・」

その言葉に、ぱあっと花が舞うような気分になる。 僕が元気良く

「うん、絶対に来るからね。 ゆーりん!」

と応えると、頬を赤らめながら笑ってくれた。 李順に引き摺られるように執務室に閉じ込められた僕は、夜の自由時間確保の為に政務に集中した。


「全く、よく飽きませんね」 と側近が呟く声なんか聞こえない。 早めに仕事を終わらせて、早く妃の機嫌を向上しに行かせないと明日の朝議に支障が出るぞ。

陛下は小さくふふんっと鼻で哂いながら、次の書簡に手を伸ばす。
唯一の僕の癒しの場を失う訳にはいかないから、と。







FIN

スポンサーサイト

テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

短編 | 23:08:05 | トラックバック(0) | コメント(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。