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まどろみの瞳  3
まどろみの瞳 続きです。
記憶喪失もの・・・いいですぅ
萌えますね~。ああして、こうして、でも覚えていないって考えるのが楽しくて。

今日は本社会議。疲れた・・・・。 気分だけは痩せる思いでした。(笑) 移動するだけで疲れるんです。 普段、車や自転車移動ばかりだから、たまに乗る電車って辛いんですよ。 特に満員電車での帰宅は正直ぎゅうぎゅう押されて吐きそうっす。



では、どうぞ



















急ぎ部屋へと連れて来られた老師は 「記憶が無いじゃと??」 と驚いた声を出し、陛下に睨まれる。 誰かに聞かれる訳にはいかないと叱責され老師は肩を竦めて夕鈴を見た。

「おお、お妃。 目が覚めたのか! 熱は下がったのかな、首の痛みは如何じゃ?」
「おおおおおお、お妃?? 誰が? まさか、私が??」

寝台に腰掛けている私は突然入ってきた小さい老人の言葉に蒼白になる。
その言葉を聞き、老人はつぶらな瞳を大きくして隣の背の高い男性を見上げ 「本当なのか・・・」 と、明らかに戸惑いの表情で呟いた。 老人の驚いた表情を見て、私こそが驚いてしまう。

まさか、この老人の言っていることって本当なの?!
必死に、本当に必死に痛みの残る頭を押さえながら考えてみた。

「・・・・・・」

駄目だ、全く解からない。
ここが何処なのか、目の前の人物が誰なのか、自分が誰なのかすら思い出せない。 白い霧の中にいるように感じるだけだ。 そっと顔を上げると、いつの間にか人が増えていた。 眼鏡の人物がちらりと私を見て、その眼鏡を持ち上げた。

「夕鈴殿がおかしいとは如何いうことでしょうか? 目が覚めたんですよね。 熱は下がらないとでも? 侍医を呼びましょうか、陛下 」
「李順、目が覚めたのはいいが・・・・・。 ああ、急ぎ侍医を呼ぶように」
「侍医を呼ばなければならない状態ですか? 陛下、説明を・・・」
「あ、お妃ちゃん! 目ぇ覚ましたんだ~。 元気っすか?」
「浩大、彼女が驚くから突然入ってくるなと何度言わせたら・・・・・」
「まずいのじゃ、浩大。 実はお妃はな~・・・」
「まずは侍医をここへ・・・っ!!」

更に人数が増えて互いに話を始めてしまい、私は混乱し出した。 彼らが何を騒いでいるのか全く理解が出来ないが、理解出来ない状況が我慢出来ない!! そして大声で叫んだ。

「あのっ!! ちゃんと説明をして欲しいんですがっ!!」

余りの混乱に我慢が出来なくなり、私は顔を寄せ合い話し始まった人たちへ詰め寄った。






「私が国王の妃? それも唯一の??」

説明を聞き終えた私は、鳩が豆鉄砲喰らったかのような表情だっただろう。

深い溜息が聞こえ、私がその溜息に顔を向けると眼鏡の人が蒼褪めた顔で隣の背の高い人を睨み付けている。 睨み付けられた黒髪の人は動じること無く、にこにこしながら卓上の私の手にそっと手を重ねて来た。 驚いてその手から逃げると黒髪の人は急にがっかりと項垂れる。 さっきまでの恐い感じが薄れ、まるで別人みたいだと思った。
その様子をニヤニヤしながら、少し背が小さく他の人と衣装の違う男の人が見ている。 何か言いたげに私を見るから 思わず俯いてしまった。

「そうなのじゃ。 お前さんはのぅ、白陽国国王である珀黎翔陛下の唯一の妃じゃ。 名を汀夕鈴という。 ・・・・さあ、何か思い出すことは無いか?」

小さいお爺さんのざっくばらんな説明を聞き、夕鈴は頭の中の引き出しをこじ開けようとするが全く開かない状態。 仕方なく肩を竦めて首を振ると周囲から深い溜息が幾つも漏れ出した。 
溜息を吐かれても一番困っているのは私なのに、責めるような視線が痛い・・・・。

取り囲む人物達に それでも真赤な顔で挑むように見上げている様は以前と変わらないようにも見える。 それなのに 『記憶』 が無いとは・・・・。
「刺客が放った刀に付着していた神経毒に寄る、一時的な記憶の錯乱でしょう」 と侍医より説明があった。 未だ毒の成分は調べている最中で明確には出来ないが蛇毒が使われたのではないかと。 解毒剤によりある程度の中和は出来たが、熱はまだ下がらずにいる。 急ぎ 医師、医官、薬師達が毒成分を調べ、解毒剤を作っている最中だ。
今出来ることは、安静が第一であるとのこと。

だが、当の本人が 「説明をして下さい!!」 と興奮状態なのだから仕方が無い。

「夕鈴・・・ って、君の名前なのだが、先ずこの名前で呼ぶことを承諾して欲しい。 そして此処は後宮で、君は私の唯一の妃。 まだ錯乱して居るだろうが、君は昨日、刺客に狙われたばかりで、その為に記憶が失われたようなんだ。  夕鈴、・・・・ここまではいい?」
「・・・・はい」
「そしてまだ黒幕が判っていない現状だ。 君が記憶を失っていると相手方に知られたくない今、妃として動くことを君に求めたい」

狙われたのは陛下なのだが、今の夕鈴には夕鈴自身が狙われたと説明をした方が良いと判断した。 いつまで記憶が無い状態が続くか解からない今、下手に動かれては危険だから。
そして 困惑したままの夕鈴に妃として振舞うように説得をする。 自分が狙われたと信じた夕鈴は蒼白な顔色で俯いたが、暫らく黙った後に顔を上げて力強く頷いた。

「・・・・記憶が無いことで皆様に御迷惑を掛けているのですから頑張ります。 記憶が戻るまでは宜しくお願いします! で、私は・・・・一体何をすればいいのでしょうか、国王陛下様」

強く瞳を輝かせ、出来ることに前向きな姿勢は いつもの夕鈴だった。
でも 夕鈴から紡ぎ出された台詞に陛下は少しの苛立ちを感じる・・・。

「先ずは 『国王陛下様』 はまずいのぅ。 いつものように 『陛下』 と呼ぶことじゃ。 あとは普段やっていたように、二人のいちゃいちゃ振りを熱く周囲へアピールすることじゃろうな~」
「いや、いつもの 『いちゃいちゃ振り』 が解からないのですが?」

老人の言葉に赤面しながら、聞いてみた。
・・・・・私って一国の国王陛下といちゃいちゃしていたの? そんな人間なの? 私って!
想像だけで居た堪れないほど恥ずかしくなる。 そこへ異なる衣装の人が続けて話し出す。
 
「そうそう、王宮のあちこちで熱々の仲良し夫婦を演じてくれたら、刺客を送り出した黒幕ちゃんがまた狙いに来るだろうし~~~~」
「狙っ・・・・。 だ、大丈夫なんですか・・・?」

老師と浩大の台詞に赤から青へと顔色を変えて戸惑うと、陛下は直ぐに二人を睨み付けて、夕鈴に違うと説明を始めてくれた。

「君は今、記憶が無い状態だから李順から妃として何をすればいいのかを聞き、そのように振舞ってくれたらいい。 あとはいつも通りに・・・・ 私の側に寄り添い過ごして居ればいいから。 
朝から晩まで ずっ~~~と一緒に過ごして周囲に見せ付けて・・・・」
「・・・・ごほんっ! 陛下は昼間、政務がありますから、夕鈴殿は浩大に警護させ、老師の居る後宮立入り禁止区域でお過ごし下さい!!そこで無くした記憶分、妃として過ごすように振る舞いを習うんです!」

眼鏡の男の人が 『陛下』 を睨み付けながら私へと説明をした。 
途端に肩を落とす 『陛下』 はとても国王陛下に見えない。 眼鏡の人の睨みは何故か心底怖く感じる。 以前、何かあったのだろうか。 
とりあえず、頭の中の白い霧が早く晴れてくれるよう願いながら、私は頷くしか出来ない。





 ****    *****     ****    *****     ****






通された部屋の中には心配顔の侍女が拱手して待っていた。 陛下と共に部屋に入り、夕鈴は指示された通りに袖を口に宛がい俯きながら 「心配掛けました・・・」 と小声で告げた。 
昨夜は体調不良にて陛下の部屋で一晩を過ごしたことになっているという。 その為か侍女らは俯く夕鈴に心底心配している様子が痛いほど伝わって来た。

「お妃様、御加減は如何なのでしょうか?」
「何か召し上がりたい物は御座いますか?」

お茶の用意をしながら侍女が聞いてくるので、なんと答えようと助けを求めて陛下を見上げると目を細めながら黙って私を見つめていた。 何故かその瞳に胸の動悸が跳ねるが、今は侍女に対応しなきゃならない。

「随分良くなりましたので、大丈夫です。 このまま今日は休みますので貴女達はお下がり下さいませ。 本当に心配ありがとう御座います」

夕鈴の言葉と陛下の存在に、お茶を淹れ終えた侍女は心配な表情のまま退室して行った。 深く息を吐き 『これでいいのかしら?』 と陛下を見ると、今度は真ん丸の瞳で私を見つめていた。 私・・・・ 変なこと言っていないわよね!?

「ゆーりん、演技上手だね。 以前の君と変わらないよ! 可愛いままだね」
「・・・・?  ありがとう御座います、陛下」

可愛いままって意味が解からないけど、さっきの話し方で大丈夫と聞き安堵した。 どういう態度をとればいいのか解からないから正直、肩が凝って仕方が無い。

「あのね、二人きりの時はいつも 『黎翔』 って呼んで欲しいな。 夕鈴はいつもそう呼んでいたし、僕は君にもそう呼んで欲しいんだ!」

にこにこ顔の陛下がお茶を飲みながらそう言うので、試しに声に出してみた。

「黎翔様・・・ ですか? ・・・・二人きりの時は御名前を呼ぶと。 でも今の私には記憶が無いんですけど、その状態で国王陛下の御名前を呼ぶのは正直憚られるというか、恐縮するというか・・・。 おかしくないですか?」
「ううん! ゆーりんにはいっつも名前で呼ばれていたから、記憶が無くても君にはそう呼んで欲しいんだ!! ・・・・あ、駄目かな?」

途端に目の前の国王陛下から垂れた耳と尻尾が見え始め、私は慌ててしまう。 
国王陛下の頼みにまさか嫌とは言えない。 私がこくんと唾を飲み込み 「・・・黎翔様」 と呼ぶとそれはそれは嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

記憶が無くて演技している私の言葉に こんなに蕩けそうな笑顔を見せるなんて・・・。

____何故か胸が痛んだ。

そっと胸を押さえた時、ふと何かを忘れているような気がした。 確か胸元に何か・・・ と私が胸元を弄り始めると、卓の向こうで息を飲む音がした。 その音に顔を上げると口元を押さえた陛下の姿が見える。 首を傾げて 「如何されました?」と聞いてみると、陛下は頬を染め出した。

「あ、あの 黎翔様?」
「ゆーりんの記憶が戻るまでは 僕 我慢するから・・・っていや、駄目だろう。 あ、いや・・・そういう事実を作ってしまった方が李順に・・・・」

何やら急にブツブツ言い出した陛下に首を傾げたまま、胸元に手を差し込むが何も無い。 ・・・・・気のせいなのかしらと諦めることにした。 
もどかしいが、今の自分は記憶が無いのだから仕方が無い。 元の自分の性格も名前もそもそも 『自分』 というものを全く覚えていない状態。 
ふぅっと息を吐き、卓上の茶器を片付ける。
身体が覚えているのか自然と手が動き 棚へと片付けていく事に気付き、此処にきて本当に 『この部屋の住人=自分が妃』 なのかも知れないと思い始める。 記憶が無いままでいることは不安だが、不安なままで居ることは出来ないと振り返り、陛下に声を掛けることにした。

「陛下、記憶が無いので、いろいろ聞きたいことが山積みなんですが教えて頂けますか?」

ブツブツ言い続けて何か悩んでいる様子の陛下だが、私の声に顔を上げて 「・・・・何?」 と 正気に戻ったような顔で、何故か肩を落として答えてきた。

「ここは後宮ですよね? で、陛下の妃は本当に私だけなんですか? 他にお妃様はいらっしゃらないのでしょうか? 私は・・・・ 自分ではそんな気がしないのですが貴族、なのですか? あと、私の記憶ってどんな風に無くなったのでしょうか?」

あと、あと・・・・。 聞きたいことは沢山ある。
私の家族は? 兄弟は? 妃になってどの位経過したの? ずっとこの部屋で過ごすの?
なんで刺客に狙われるの?  無くした記憶は戻るの? 

妃って・・・・・・私たち互いに好きで結婚したの?
いつ・・・・結婚したの?

そんな大事なことまでを覚えていないのは何故なの?

もういっぱいいっぱいになり、涙が溢れてきたのか目の前の陛下が滲んで見える。 
同時に手先に痺れが現われ、頭痛がしてきた。 頭の奥の方で鈍い鐘の音が響くようで意識が遠くに誘われそうだ。 痛みに頭を押さえた時、急に嘔気が込み上げて来て思わず口を押さえながら床に座り込んだ。

「夕鈴っ!? ・・・・誰か、侍医を呼べ!」

我慢出来ないくらいの頭痛と嘔気。

ここでは吐けないと必死に堪えていると 背後から手が廻り浮遊感と共に外へと担ぎ出される感じがする。 外へ出ると、近場の茂みへと連れて行かれ、強く胃部を下から持ち上げるように押された。

「ぐぅっ!」 

脂汗が滲み出し、再度強く押し上げられて私は堪えていたものを吐き出した。
「全部吐き出して」 と声が聞こえようだが、耳鳴りでよく聞こえない。 それでも一度嘔吐すると楽になった気がした。 荒い息で呼吸を繰り返していると、口元に器が当たり、そのまま口に水が流し込まれる。 それも吐き出し数度繰り返すと随分落ち着いてきた。

脱力した身体を陛下に抱き上げられて、部屋に戻ると駆け込んできた白衣の男性が蒼褪めた顔色で私の目や口や手首の脈を診始めて陛下へ 「直ぐにお休みさせて下さい」 と告げる声が聞こえた。


見える景色が大きく湾曲し始め、そこで私の意識は途絶えてしまった。











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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 01:22:03 | トラックバック(1) | コメント(0)
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まとめtyaiました【まどろみの瞳  3】
まどろみの瞳 続きです。記憶喪失もの・・・いいですぅ萌えますね~。ああして、こうして、でも覚えていないって考えるのが楽しくて、萌えのレベルがupします。今日は本社会議。疲
2012-05-24 Thu 05:50:49 | まとめwoネタ速neo

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