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まどろみの瞳 ・・・ おまけ
思ったより長くなりました「まどろみの瞳」。
すいません、頭の中が泥のようです。「まどろみ」どころか、「どろどろ」です(泣)
桐さん、ちょろっと出してみました。またの機会に出てくるのかしら???

で、自分で読み返して穴だらけだ~と今更ながら恥ずかしくなり、只今穴を掘って自分を
埋めようとしております。 自分、反省します!! どーん! (別名;只今壊れています)



では、どうぞ














夕鈴が四阿で侍女らとお茶を楽しんでいると、侍官姿の浩大が近寄って来た。
何か言いたげな表情が伝わり、夕鈴は直ぐに侍女達に 「申し訳ありませんが下がっていて下さい」 とお願いして、四阿に一人きりとなった。 周囲に誰も居ない事を確認して、夕鈴は浩大に声を掛ける。


 「やあ、お妃ちゃん、ごめんね~。 挨拶させたい奴がいてね」
 「わざわざ ここで挨拶? 侍女さんを下がらせてまでする事なの?」

夕鈴が首を傾げると、浩大が 「まあねっ!」 と笑って見せる。
浩大が振り向くと 離れた場所で拱手している侍官が見えた。 
夕鈴が 「どうぞ、お近くへ」 と妃らしく落ち着いた声を掛けると、拱手したまま侍官は少しだけ近づいて来た。 その見たことのない侍官姿の人は整った顔立ちを夕鈴に見せる。 夕鈴は腰掛けたまま、妃として 「宜しくお願いしますね」 と悠然たる笑顔を向けると、侍官は拱手したまま震え出し、横を向くと勢いよく吹き出した。


 「・・・・・・え?」
 「こら、吹き出したら駄目じゃんか!! 陛下に怒られちゃうぞ」
 「おっと、やばいですね。 お妃様、申し訳御座いません。 『桐』 と申します。 以後、お見知り置きをお願い申し上げます」

吹き出した彼は、真面目な顔に切り替えて口上を述べると深々と夕鈴にお辞儀をする。
ゆっくりと顔を上げると、彼は夕鈴ににっこりと微笑んだ。 夕鈴はあんぐりと口を開けたまま浩大をみると、浩大は哂いながら 「そういう事で!」 と彼と共に哂いながら四阿から離れて行った。 残された夕鈴は、何故吹き出されたのかを一人、いつまでも四阿で考え続けていた。







夜になり夕鈴の部屋に陛下が訪れた時、 「お疲れ様です、陛下」 と笑顔で出迎えながら夕鈴は必死に目で 「侍女を下がらせて!!」 と訴えた。 その訴えに陛下は直ぐに気が付いてくれたようで 「下がれ」 と一言告げ、侍女は静かに退室して行った。

侍女を下がらせた陛下が椅子に腰掛けながら 「如何したの、ゆーりん?」 と尋ねると・・・。


 「陛下っ! 浩大が今日侍官さんを連れて四阿に来たのですが、何故か思い切り笑われてしまいました! 一体あの人、何ですか? はっ、もしかして記憶がない間、あの人に何かしてしまったのかしら? ・・・嗤われるようなことを?」

夕鈴は卓に手を付き、真赤な顔で陛下に強く問い詰めながら首を傾げる。 
その夕鈴の言葉に目を丸くして陛下が驚いた顔を見せた。

 「ごめん、夕鈴。 ・・・何を言っているのか解からないんだけど・・・」
 「ですから! 今日紹介された侍官さんに挨拶をしたら、突然笑われたんです! 浩大が連れていたんですから、陛下もご存知の方の筈ですよね!?」

真赤な顔できぃ~~~っと怒る夕鈴はいつ見ても面白い。
思わずニコニコして夕鈴を見ていると、怒りの矛先が陛下に飛んで来た。 ぎっと睨まれてしまい、陛下は慌てて浩大を呼ぶことにした。 声を掛けると直ぐに窓から姿を見せる浩大に、夕鈴が走り寄り胸倉を掴んで叫び出した。

 「あの人は何なのよ! 人の顔見て笑うなんて失礼じゃない! あの人が私を見て笑った理由を説明しなさいよ、浩大!!」
 「お、お妃ちゃん・・・苦しいんっすけど・・・喋れないっすよ、これじゃ」

浩大を解き放つと卓上の高級な菓子を見せて 「話さないとあげないから!」 と夕鈴は餌をちらつかせた。 浩大はごくりと咽喉を鳴らすと、陛下に 「イイですか?」 と断りをいれる。

 
 「いや~、記憶が戻んないままか~。 お妃ちゃんが小刀で傷を負ったのは覚えている?」
 「・・・・うん。何となく思い出した」
 「今日逢ったのは、その刺客の元仲間っすよ。」
 「・・・・・」

ゆっくり振り向くと陛下が微笑んでいる。 もう一度浩大を見ると頷いている。
顎に手を当て聞こえた台詞を噛締めるように頭の中で整理した。 ・・・が。

 「ええええええっ!?」
 「ああ、やっぱり驚いた。 面白れぇな~、お妃ちゃんの驚いた顔!」
 「し、失礼なっ! 人の顔で楽しまないでっ! そ、それより今のこと本当なの? あ、あの人、元刺客って?? 大丈夫なのですか、陛下!」

陛下はにっこりと夕鈴に笑うと 「僕がスカウトしたんだ」 とお茶を飲みながら答える。
驚いた顔を向けると、陛下が 「その顔も可愛いな~」 と意味不明なことまで言い出した。

 「夕鈴、大丈夫だよ。 彼は諜報員として僕が正式に雇うことにしたんだ。 今まで浩大が君の警護をしながら諜報活動をしていたんだが、こうも刺客が来ると仕事が侭ならないことがあってね。 ・・・桐はよく働いてくれるだろう」

それでも大丈夫なのかと心配顔を向けると、陛下が立ち上がり夕鈴に近付き手を持ち上げた。
手を重ねて、ぽんぽんと軽く叩きながら、 「桐が裏切ったら、見込んだ僕がそれだけの男と謂うことだ」 と話してくれる。 覗き込むように陛下の顔を見ると、その表情には自信が溢れていた。 その顔は 『大丈夫だ』 と言っていると気付き、夕鈴はそれ以上言うことを止めた。

陛下が信じている者を、妃が信じなくってどうする。
偽者とはいえ 『妃』 なのだから陛下の事を信じよう。 でも・・・・。

 「それにしても、私の顔を見て吹き出すのは何故?」

夕鈴が呟いた台詞を聞き、浩大が盛大に吹き出した。 夕鈴が睨み付けて卓上の菓子を指差すと、浩大は慌てて自分の口を押さえ 「ごめん」 と謝って来た。

 「記憶が無い時のお妃ちゃんが男っ前な啖呵を <桐> に言ったんすよ。 えっと 『男なら正々堂々正面から来い』とか、『雇い主を言え』とか、『何様だ!』とか」
 「・・・・・・言いそうだわ」
 「ゆーりん、カッコ良かったよ! 記憶無くてもゆーりんはゆーりんらしいよね。 僕、改めて奥さんに惚れ直しちゃったよ!」
 「・・・・・・臨時花嫁ですから」
 「それを思い出したんじゃないっすか、桐は。 なのに、記憶が無いお妃ちゃんはおしとやかな演技で 『宜しくお願いしまね』 なんて言うからさ、アイツも思わず吹き出したんじゃ無いかと思うんだ~! あ、注意はしたよん」
 「・・・・・・そうですか」

夕鈴は段々居た堪れなくなってきて、浩大に菓子をまとめて渡すと嬉しそうに大判の布に包んで 「ご馳走様っす!」 と窓から出て行った。 真赤な顔のまま卓に手を付き脱力してしまう。


 「夕鈴、記憶が無い間のことは仕方がないよ。 でも君は君のままだったんだ。 少しも変わらず、僕の癒しになっていた。 ・・・首の傷を見せて」

少し狼の雰囲気が垣間見えて、おずおずと髪を纏め上げると陛下の冷たい指先が首筋に触れる。 もう痛みはないが、未だ赤い筋となって傷が残っている。 時間の経過と共に傷は消えるだろうと老師が言っていたし、普段は下ろした髪に隠れているので気にはならない。

 「・・・今回は思いも掛けずに君に傷をつけてしまった。 如何償えば・・・」
 「やっ、止めて下さいよ、陛下。陛下は全く悪くないんですから! もう痛くないですし、傷も残らないと言っていたし・・・・っ!」


陛下の上体が覆い被さるように私に近寄ったと思ったら、首にちりっとした痛みを感じた。
思わず身体を捻るが、腰を掴まれてしまい身動きが取れなくなった。 息が上がり、心臓が爆発しそうだ。 思考が真っ白になり考える事が出来なくなりそう・・・・。

ゆっくり離れた陛下に脱力した身体を凭れ掛けると、肩を掴まれて長椅子に座らされた。
火照った顔を如何にか陛下へ向けると、柔らかい表情で囁いた。

 「夕鈴へ、僕からのお詫びの印。 ・・・あとで鏡で見てね」
 「・・・お詫びって・・・」

何をされたのか、鏡を見なくても解かる気がする。 赤い筋よりも鮮やかな 『紅い印』 が付けられているだろう。 涙目で陛下を睨み付けると、 「足りない?」 と耳と尻尾を下げた小犬が目の前に現われた。


頭痛がする。
一体、いつまでこの陛下と付き合う事になるのだろう。
借金返済が終わる頃、私は素直にこの後宮を離れる気持ちになるのだろうか。




痛む頭と心を抱えて、夕鈴は冷め始めたお茶を飲み込んだ。 
 





FIN











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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

長編 | 00:55:55 | トラックバック(1) | コメント(2)
コメント
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2016-05-01 日 17:27:09 | | [編集]
Re: はじめまして~
みかんママ様、コメントをありがとう御座います。「桐」がはじめて出た作品を、懐かしいなと読み返しました。結構好きなキャラなだけに、今もドキドキしながら「大丈夫かな・・・」の心境です(爆)。殿下の願いは・・・・ご想像にお任せしたいと思っております。お母さん大好き陛下ですから、きっと願いも・・・・と。これからも宜しくお願いします。  
2016-05-11 水 23:59:57 | URL | あお [編集]
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まとめtyaiました【まどろみの瞳 ・・・ おまけ】
思ったより長くなりました「まどろみの瞳」。すいません、頭の中が泥のようです。「まどろみ」どころか、「どろどろ」です(泣)桐さん、ちょろっと出してみました。またの機会に出...
2012-05-30 Wed 01:44:25 | まとめwoネタ速neo

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