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そんなはずじゃ!  1
遅くなりましたが、そして続きは遅くなりますが、幻想民族様。
随分前にリクエスト頂きました内容のモノで御座います。
5月中旬に頂いたリクエストですのに、本当に遅くなりました。
浩大×夕鈴が入れ替わった≪こんなはずじゃ!≫の違うバージョン。

『今度は方淵×水月が入れ替わった話を作ってくれませんか』
リクエストの難しさを知り、四苦八苦!! こんな話になりましたがご勘弁下さいませ。





では、どうぞ
















確かに勢いよくぶつかった。



珍しく水月が仕事以外の用事で書庫へ赴いたのが第一の原因だろう。
そして、多量の書簡を無理やり持ち上げた官吏が前を見ずに歩き出し、書簡を落としたのが第二の原因。 
更に、落ちた書簡を拾おうとした他の官吏がしゃがみ込み扉に背を向けたのが第三の原因。
その上、珍しく其れを手伝おうと近くに居た方淵が手を伸ばしたのが最終的な原因。













夕鈴が比較的よく話すことのある官吏二人に書庫へと呼ばれた。
その二人の蒼褪めた顔色に 夕鈴は一体何があったのかと足を急がせ書庫をそっと覗くと、柳方淵と氾水月が共に長椅子に座り込んでいた。 両膝に肘を乗せて頭を包み込み、深く悩んでいるように見えた。 二人の頭には濡れた手布が置かれいるのが解かる。

「あの~、如何されたんでしょうか・・・?」

夕鈴が書庫を指差すと、恐縮した様子で官吏の一人が夕鈴へと説明を始めた。

単純に言うと、つまりは扉近くの官吏がしゃがみ込んだ瞬間に知らず足を踏み入れた水月がその官吏の背に足を取られたと。 大きくふら付き、ダイブした先に書簡を拾おうとしていた方淵が居て、互いの頭から火花が散った! と思われるほど硬い音がしたそうだ。

書簡を落とした官吏が言うには 「これは割れたな・・・」 と思ったそうだ。

無言でのた打ち回る二人に、官吏たちは氾大臣と柳大臣の恐ろしい程の冷たい視線が脳裏に浮かび一気に血の気が引いたと語った。
自分達が原因(?)で王宮を二分する権力を誇る氾大臣と柳大臣の御子息を死なせたかと!
しかし、のた打ち回った後、二人は頭を押さえながら、どうにか立ち上がったのだ。
官吏は自分たちの首が繋がったと心底神に感謝したと涙目で 夕鈴に熱く語った。



・・・・・・・・・・・が。


「其処にいらっしゃるのはお妃様ですか? ・・・・もしや心配をお掛けしてしまったのでしょうか。 そうだとしましたら申し訳御座いません 」
「・・・え、その声は・・・」
「また後宮から出張り、此方に顔を出しているのか。 何度言えば貴女は・・・  痛っ! 舌を噛んでいたようだ。 水月、痛むぞ!」
「それは仕方が無いよ。 あれだけ勢いよくぶつかったのだから」
「ちょっ、ちょっと待って!! 嫌だっ! まさかっ!!」

夕鈴が意を決して書庫に足を踏み入れると、長椅子に座る二人から聞こえる声は二人のものだが、声の発する方向と内容が夕鈴の知っている人柄と異なるのだ。 後ろに控える官吏を振り返ると 「見ての通りです」 と蒼褪めた顔を隠すように拱手した。
長椅子の二人に振り返ると、方淵が静かに立ち上がり夕鈴に拱手して困った顔を向けて来て、反対に水月は座ったままで夕鈴を下から睨み付け 「貴女が呼ばれた意味が解からない!」 と怒り出した。

夕鈴は頭を押さえて瞑目した。




「あのう・・・・ 私に一体如何しろというのでしょうか・・・」
 
蒼褪めた顔の官吏は 必死に夕鈴の言葉に願い出た。

「お願いです! お妃様に助けて欲しいのです。 無理な願いとは重々承知しておりますが、このままでは我々も動くことさえ出来ません!! お妃様っ!」
「で、でも・・・ まずは侍医に診せた方が良いと思うのですが! 此の侭ではお二人とも書庫から出られませんし、其々の邸に戻る事も出来ませんよ!? ね?」

夕鈴は長椅子の二人に侍医に診て貰うよう必死に伝えるも、方淵が困った笑顔で答えた。

「大丈夫ですよ。 邸に戻ればお抱えの薬剤師が居りますから、その者に何とかして貰いますよ。 私は書庫に置き忘れた笙を取りに来ただけですので・・・・」

何処に大事な笙を置いたのかと急ぎ探していたのですと、優雅に微笑んだ。
しかしその微笑みは方淵の顔。
二人の官吏も夕鈴も恐ろしいものを見たと全身に寒気を感じ、そして、それを聞いた水月が長椅子で深い溜息を吐く。
 
「笙などを持ち、政務にあたろうとするその姿勢からしてけしからんことだ。 大体落ち着いた行動を取ればこのようなことに為らずに済んだものを!! 貴様のやることは最終的に 傍迷惑以外の何ものでもない!!」

眉間に皺を寄せ声を荒げる水月が顎をあげて、書庫に居る全員へと睨み付けるような視線を向けた。 こんな水月は初めて見たと二人の官吏も夕鈴も怯えるように背を震わせた。

 
「夕鈴? 書庫に急ぎ呼ばれたって聞いたが何かあったのか?」
「「「 陛下っ!! 」」」



書庫に響く声は5重奏。







つまりは中身だけが入れ替わった方淵と水月・・・らしい。
嘘かと思うだろうが、二人がそんな演技をする必要は無いし、ましてや方淵が水月さんの演技をするなんて想像も出来ない。 理由を聞き、これには陛下も瞑目せざるを得ない状態で、もちろん此の侭には捨て置けないと、揃った皆で考えるが良い案は浮かばず。

「陛下、此方で一体何をされているのでしょうか?」
「李順・・・・ お前も考えろ・・・・」

足を踏み入れた人数が増えていく。 とうとう李順までもが頭の痛い事態に巻き込まれる事となった。 「そんな馬鹿な!」 と叫んだ李順だが、二人と少し言葉を交わすだけで直ぐに把握し、蒼褪めた表情で二人の親を・・・・・ そして柳大臣と氾大臣を思い出し蒼褪める。

「ショック療法はどうでしょうか?」

試しに夕鈴が指を立てて皆に提案してみた。
近所のご夫婦が派手なケンカをしたのだが、或る日二人がケンカの原因が思い出せないと悩んでいた事があった。 如何でもいいじゃないかと周囲は言ったのだが、互いに思いだせないのはすっきりしないと困り果てて、同じようにケンカをしたら思い出すのではないかと お互いに皿を持ちぶつけ合いながらケンカを始めると、互いの持つ皿が互いの額にぶつかり ケンカの原因を思い出したということを思い出したという。

勿論、下町での話しなので其処は上手く隠しながら 『聞いた話』 として誤魔化しつつ説明をした。 つまり、ぶつかったのなら 再度ぶつけてみようと! 同じ条件の下、同じようにぶつかれば・・・・と夕鈴は思ったのだが、敢え無く却下された。

「それは危険です。 万が一床に頭をぶつけたり当たり所が悪ければ、更なる大惨事に為りかねません! 却下です!」

李順が 「恐ろしい事を・・・」 と夕鈴を睨み付けるので肩を落として諦めるしかない。
一人の官吏がそうだっと思い出したように話し出した。

「水を杯いっぱいに入れてですね、その杯の反対の口から飲もうと・・・」
「それは吃逆の止め方!」

敢え無く夕鈴と同じように肩を落とす。 もう一人の官吏がこれはどうだと話し出した。

「イノコズチの根をゆっくりと煎じて飲めばいいと祖母に聞いた覚えが・・・」
「それはっ! ・・・・女性が・・・・ 月のものが不順な時に飲むものです・・・」

夕鈴が真赤な顔で否定した。

「あれ・・・・ ヤブカラシだったかな?」
「・・・それは虫刺されに効く塗り薬です」

夕鈴が首を振って伝える。
李順が溜息を付き 「この際どちらでもいいので先ずは政務を先に・・・」 と言うと水月さんが立ち上がり、  「直ぐに対応させて頂きますっ!」 と政務室へ向かおうとした。

その動きに官吏と夕鈴が慌てて止めた。 
この姿であのモノの言い様では政務室がパニックになる! それは直ぐに両大臣に知れることになると、それは、それだけは避けたいと今皆が頑張っているのにっ!

「方淵、水月はこのまま此処で待機。 お前達は政務へ戻れ。 あとは私達がどうにかしよう。 李順の指示の元、こちらへ急ぎの仕事を運ぶようにしろ」

陛下が指示を出したので、李順と官吏二人はそれに従う事にした。 陛下を見る李順の顔は渋かったが今は仕方がないと肩を竦める。
退宮する時刻までには元に戻せるのか、駄目な場合は何か理由を考えなければならない。
頭の痛いことですと呟きながら李順は一旦政務室へと、官吏を伴い向かうことにした。






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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

長編 | 02:03:04 | トラックバック(1) | コメント(0)
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まとめtyaiました【そんなはずじゃ  1】
遅くなりましたが、そして続きは遅くなりますが、幻想民族様。随分前にリクエスト頂きました内容のモノで御座います。5月中旬に頂いたリクエストですのに、本当に遅くなりました。...
2012-06-09 Sat 04:55:58 | まとめwoネタ速neo

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