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双の華  2

小難しい言い回しとか、頭が痛いです。 間違った使い方をしていたら教えて下さい。


さあ、どうぞ!














杜南国からの使節団到着の当日。

夕鈴は後宮から出ないように李順から強く繰り返し言われていたし、元より後宮立入り禁止区域で掃除をするつもりだった。 
「老師の元へ行って来ます」 と侍女に告げると侍女が 「お妃様、負けないで下さいませ!」 と応援された。
杜南国から縁談のために皇女がやって来ると侍女も耳にしているのだ。
負けるも何も、陛下がその気になればあっという間にこの縁談の行方は決まるだろう。 
今の陛下にその気が無いだけで、もし皇女らを見て気に入れば・・・・・・。 
夕鈴は胃の痛くなる面持ちで、それでも侍女に曖昧に微笑むと老師のいる後宮立入り禁止区域に足を向ける。

回廊を渡る夕鈴が溜息を吐き、胃を押さえた。 
杜南国から使節団が来る日が近付くに連れて食欲も気持ちも落ち込んでいたのだ。 
陛下との夫婦演技も日々甘さを増し、演技が下手な夕鈴は赤くなったり蒼くなったり精神的に疲労困憊してもいた。

周囲に人影が無くなると、屋根から浩大が姿を見せる。

「よっ、お妃ちゃん、元気ないな~。 やっぱ杜南国の皇女のこと気にしてるのか?」
「・・・そんなんじゃないわよ。 演技がちゃんと出来るのか心配なのと、演技する機会なんてあるのかと思って・・・・。 普通、後宮の奥に居る下っ端妃って皇女様方と会う機会なんてないわよね? 使節団の方々と御一緒に居られるのですから、後宮にはいらっしゃらないでしょ?」

う~んっと首を捻る浩大を見て、夕鈴は 「普通はそうよね?」 と駄目押しをする。
皇女と一緒に居る陛下を見たくはないし、遠方から縁談でいらした皇女に 『偽妃』 として会うのは正直恐ろしい程に神経を使うだろうと根が真面目な夕鈴は胃痛を抱えていた。 
そんな顔色が悪そうな夕鈴を見て、浩大も困った顔を見せる。

「まあ、四阿とかで陛下といちゃいちゃしているのを見せるつもりなのかもよ。 後宮までは来ないだろうけどね~。 お妃ちゃんはいつも通りに面白ければ大丈夫だよ。 陛下に任せておけば問題ないだろう?」
「そう、ね。 うん、その為に私は雇われているんだものね。 お給料分はしっかり働かなきゃ! ・・・って浩大、いつも通り面白ければってどういうことよ!?」

いつも通りに怒り出した夕鈴に少し安心して、浩大は 「仕事してくるよんっ」 と陛下の元へ走り去って行った。 それを見送ったあと夕鈴は考えても仕方が無いと掃除婦バイトを開始することにした。 








・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・










謁見の間にて杜南国使節団は献上品と共に陛下の前に姿を見せる。
周宰相を始めとして大臣らが並ぶ場に一際華やかな衣装の皇女らの姿が見えた。 が、淡く薄い布を重ねて頭から掛けており、二人の皇女の顔は見えない状態での接見となった。 絵姿では皇女二人とも目元涼しい細身の美しい姿が描かれていたが、場に並ぶ二人は今その容姿が解からない。

陛下は皇女らには興味ない様子で、使節団との交渉を早速開始する旨を告げ側近へと会議の間へ使節団を通すように指示した。 慌てたのは使節団側で外交より目的の第一は 『縁談』 であると言いたげに杜南国皇女らの紹介を始めようとした。 
皇女らの美しさと優雅さ、そして幼い頃より受けている妃としての教育。 
どちらが白陽国の正妃となっても問題などなく両国に更なる縁を強く結ぶ事になるでしょうと、恭しく口上を述べようと皇女らに手を差し伸べて口を開こうとした。


____しかし。

「杜南国の使者殿、貴国との来期取り決めについて他国も同じような話を持ち掛けて来ているところだ。 貴国との付き合いは長い。 これからも付き合いを続けるために充分な話し合いが必要と思われるが、早速始めても問題ないだろうか・・・」

冷やかな視線を使節団に送ると、拱手した使節団一同は頭を下げて頷くしかない。
使節団の一人が皇女らへ話し合いの場へと同席を勧めたが、狼陛下の冷たい視線に慄く姉皇女が体調不良を訴えて部屋へ下がりたいと話している様子が見てとれた。 妹皇女が姉皇女に付き添うと一緒に退室をしてしまい使節団長は今は諦めるしかない。
改めて白陽国国王に時間を設けて貰い皇女との 『縁談』 を上手く取り付けなければと溜息をひとつ付いた。 片方が嫌がればこの話は流れる。 皇女らは 『二人一緒の嫁ぎ先』 を希望しているのだから。 更に皇女らを愛しく思う杜南国国王が二人の謂うとおりの嫁ぎ先を使節団長である大臣に託しているのだから、蒼褪めた顔色の大臣は気の休まることはない。






「・・・・駄目。 わたくし あの御方に嫁ぐなど恐ろしくて出来ぬわ」
「解かったわ、姉様。 この国に嫁ぐ話は無かったことにしましょうね。 安心して? 御父様は私達が厭だと言うことは為さらないから」

蒼褪めた顔色の姉皇女、欧花はその言葉に口元に団扇を当てながら頷いた。 長い睫が震え、白い肌に黒髪が一房はらりと落ちた。 その髪を持ち上げて耳にかけると姉皇女の肩を撫でる妹皇女、欧翠。 震える欧花に寄り添い大丈夫と繰り返す欧翠は心から姉が大事であり、その美しさに心酔していた。 姉も妹の活発さが自慢であり、頼りにしている分いつも傍に居て欲しいと依存していた。

同じ顔で互いを思いやる姉妹は珀黎翔の噂通りの冷たい表情に心底慄いていた。
優しいだけでは国を動かす事は出来ないが、噂通りの非情冷酷な視線で姉妹を見下ろす王の元に嫁ぐことは耐えられないと二人、もう国へ帰りたい気持ちでいっぱいになった。
あとは使節団の仕事、外交交渉が終わるまで部屋に閉じ篭り過ごすだけにしようと姉皇女の背を撫でながら欧翠は決めた。 する事が無くなった欧花が 「わたくし、少し休むわ・・・」 そう話して長椅子に体を横たえた。 その様子を欧翠は姉の憔悴振りに心を痛めながら眺めていた。

「ああ、可哀想に・・・・欧花姉様。 あのように獣のような国王を見て、こんなにお疲れに・・・・・ 来るのではなかったわ」

普段は沢山の貢物と共に釣り書きと絵姿が杜南国へ届き、皇女らが気に入れば会い、気に入らなければ追い出すを繰り返して来た。 更に会ったはいいが、好みの容姿でなければけんもほろろに追い出す始末。 また今まで他国へ縁談のためと今回のように赴いたことはあったが、やはり容姿が気に入らない、息が臭い、背が低い、腹が出ている、学がない・・・などと文句を上げたて断りを続けていた。
しかし 二人とも齢十八歳とあり、幾ら可愛いとはいえこのまま嫁き遅れてしまうのは可哀想だと国王が焦り、今回は使節団長と共に白陽国へと出向かされていた。



その時、ふと窓の外で賑やかな声を耳にする。
その声は皇女らが宿泊する王宮内香佑宮近くの回廊から聞こえて来た。



「方淵殿、こちらの書簡も早急に確認して下さいとのことです。 何時の間にか私から方淵殿へ担当が替わったようで、急ぎ確認をと持って行くように指示されております故 宜しく」
「~~~~貴様がのんびりと出仕するから、私の仕事が増えるのだ。 それは貴様が確認すればいい。 元々貴様の担当だった筈だ。 私には私の仕事がある。 それに急ぎ陛下へこれを提出して・・・・」
「ではこれは他の官吏に確認作業をして頂き、私は邸へ戻るとします」
「な、貴様・・・・。 またサボる気か!?」

にっこりと方淵に微笑んだ水月は 「邸の鯉がお腹を空かせているのですよ」 と足早に立ち去ろうとする。 方淵が 「それがサボりだ!!」 と叫ぶように水月へ振り向くと両足を踏ん張り、「陛下の御為に、もう少し努力をしろ!」 と水月を睨み付けた。
肩を竦めた水月は、仕方が無いと方淵の後について政務室に戻ることにした。 
その時一陣の風が庭園の木々から葉が舞い、水月は一枚を宙で受け止めると嫣然と微笑み、ゆっくりと手から開放した。

「足を止めるな! 急ぎ確認作業を行い、次の仕事に掛かれ」
「解かったよ。 ちょっと風からの贈り物に挨拶をね・・・・」
「・・・・訳の解からぬことを・・・・」



二人の勢いのある遣り取りを聞いていた欧翠は艶やかな唇を閉じて息を詰めていた。
書簡を持ち何やら話しながら回廊から消えていく官吏の姿を知らず目で追っていると、欧翠の背後から欧花が 「ほうっ」 と溜息を吐く。 驚いて 「起きていましたの?」 と姉に尋ねると、欧花は欧翠の問いには答えずに、うっとりとした面持ちで頬を押さえた。

「あの方の名はなんと仰るのでしょうか・・・・」
「姉様・・・・?」
「柔らかい物腰、優しげな面持ち、それでいて優雅な御姿・・・・」
「・・・姉様・・・」









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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

長編 | 20:38:46 | トラックバック(1) | コメント(2)
コメント
姉皇女様が、水月さんを気に入ったと分れば陛下は、すぐに話を纏めそうですね。いろんな意味で、この好機を逃してたまるかと(笑)
2012-06-16 土 21:12:01 | URL | yossi [編集]
さあ、纏めるか?
そう上手くは行かないのが私の妄想で御座います。ちょっと長くなりそうですが、どうぞお付き合い下さいませ。コメントありがとう御座います。超嬉しいですわ。
2012-06-16 土 22:53:12 | URL | あお [編集]
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まとめtyaiました【双の華  2】
印刷してちょんまげ!(解かる人には解かる!!!)おっけ~です!さあ、どうぞ!
2012-06-19 Tue 06:11:54 | まとめwoネタ速neo

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