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双の華  6
なかなか進まない。 すいませんがもう少しお付き合い頂けたら嬉しいです。
只今、暴風が関東を襲っております。
犬が落ち着き無く、うろうろして超可哀想! 体中震わせてます。
耳がいいのも大変だ。(完全に人事・・・犬事?)



では、どうぞ
















突然水月が現れ、その姿を見た皇女二人の瞳が大きく見開いた。
皇女らが慌てて落とした団扇を拾い口元を隠すと、未だ意識を取り戻せないでいる凋へ向かって必死に、それこそ必死に頬を染めて手招きを繰り返している。 視界の端に皇女の手が見えたのだろう、 「はっ」 と凋は正気に戻ると皇女へ近付き片膝を着いた。

なにやら耳打ちしているようで、何を話しているのか夕鈴には判らない。 
片耳を四阿の方へ向けると 陛下が夕鈴の反対の片耳へ吐息混じりの声で囁いた。

「ねえ、夕鈴。 まだ此処にいるの?」
「・・・っ! そっ、そんな声で囁かないで下さいっ! ・・・・でも陛下はお仕事がありますよね。 私はもう少し見てますから、陛下はお仕事に戻って下さい。 後で陛下に報告しますね・・・・」

夕鈴の最後の言葉は耳元へ囁くように小さく告げたので陛下が嬉しそうに、それでも名残惜しそうに頷く。 凋が此処から離れられない状況だと李順に告げ、早急に話し合いを進めて 御帰国願おうと陛下は考えた。 全く面倒な皇女らだと溜息を吐くしかない。

僕の妃は夕鈴だけでいい。 後は面倒なだけだ。

心の中で呟くと、もう一度腕の中の夕鈴をぎゅっと抱き締める。 
「きゃわっ!」 と慌てる夕鈴の耳元へ 「見守るだけだよ、夕鈴」 と囁いてから、静かに場を離れて行った。


・・・・浩大みたい。
夕鈴は静かに政務室へと移動する陛下の背を見て、陛下も隠密行動が出来そうだと頷いていた。 静かに敵の背後に立つし、剣の腕は立つし、脚は早いし、私を抱き上げたまま此処へ潜むように移動していたし・・・・。
ふと、抱き上げられていた事を思い出し、ぽんっと音が立つほど夕鈴の頬は紅潮した。
夕鈴が頬を押さえながら、 『今はそれどころじゃないでしょ!!』 と四阿をそっと覗くと。




見るからに機嫌の悪い方淵が水月に近付き、なにやら小声で告げていた。 その言葉に水月が首を傾げると肩を竦めて四阿の皇女らを見つめた。 皇女は皇女で凋となにやら話しをしており、凋が何度も汗を拭っている様子が伺える。


ああ、やっぱり方淵殿と水月さんを間違えていたんだ・・・と夕鈴は思った。
紗帽をしていない官吏は二人くらいだもん。 あとは陛下と李順さんだけど二人は使節団長も面識があるだろうし、李順さんの髪は方淵殿や水月さん程に長髪ではない。


その内、皇女の一人がゆっくりと立ち上がり方淵と水月に近付くのが見えた。
他国の皇女が一官吏に容易に近付くなんて有りえない事だろうと、夕鈴は自分の口を押さえ固唾を呑んで目を瞠った。 少しだけ腰を屈め裾を少し摘んで、欧翠は優雅に挨拶をする。

「柳方淵殿、先程は大変な失礼をしてしまいました。 御忙しい所、御足労頂き大変申し訳御座いません。 なんと御詫び申し上げてよいか・・・・・」

その態度に方淵も瞬時困惑したようだが、短く 「いえ、お気遣い無く」 と返答する。
その言葉に皇女が咲き出した華のような笑みを見せるが、方淵の表情は変わらない。
夕鈴は 『さ、流石に大貴族っ!あの皇女の笑みに無表情って!』 と口を押さえて驚いた。
方淵の態度には全く気にしない様子で、欧翠は姉欧花を振り返ると今度は水月に向き合った。

「あの・・・、宜しければ貴方様の御名を御教え頂けませんでしょうか。 昨日、柳方淵殿と回廊を歩かれているお姿を拝見し それから・・・・」

四阿で腰掛けたままの姉皇女が恥ずかしそうに水月を見ずに品を作る様を夕鈴は 『こ、これは勉強のチャンス?』 と目を細めて見つめていた。 『臨時花嫁』 として演技の幅を広げる良い機会と少し身体をずらしつつ良く見えるようにと近付いていく。
勿論、気付かれないように、慎重に・・・・・。

 
「名前で御座いますか? ええ、宜しいですよ。 私は氾水月と申します。 杜南国皇女様方、どうぞ お見知りおきを・・・・」

優雅な御辞儀を皇女らにすると、欧花から 「ほぅ・・・・」 と溜息が漏れる。
完全に目が乙女で、方淵を見る眼とは全く違うと夕鈴は口を開けた。 皇女の好みは水月なのだと あからさまな態度に、間違えて呼ばれ連れて来られた方淵が少し憐れにも思えてきた。 余計なお世話だと方淵には言われそうだが、つい悲しげな視線を方淵へ送ってしまう。

すると、方淵がくるりと振り向き夕鈴が隠れている茂みに近付いて来るのが見える。 
夕鈴が慌てて姿勢を低くして口を抑えていると、凋の驚いた声が場に響き渡り方淵の歩みが止まった。 その声の大きさに夕鈴も驚いて身体を震わせてしまうほどだ。

「はっ、氾様ですかっ! 氾大臣の御子息様ですかっ?」

夕鈴が顔を上げると、穏やかに微笑んだ水月が 「はい、そうです。 氾家長子です。」
そう答えた。 その返答を受け、よろける様に一、二歩下がった凋の顔色は蒼褪めており、夕鈴は 『この人、血圧大丈夫?』 と眉間に皺を寄せて心配してしまう程だった。
その凋の台詞に皇女が二人顔を見合わせた後、 「凋、どうかしたの?」 と問い掛ける。
皇女の問いに、全身を震わせながら蒼褪めた顔を皇女へ見せた凋は今にも倒れそうだった。

「は・・・氾家は白陽国で最も歴史ある名家で御座います。 お父上は柳家と同じ大臣で御座いまして、白陽国を二分する御勢力を御持ちと聞き及んでおります」

正直まずい事になったと凋は思った。 柳家の子息を呼び出しただけでも充分問題だと謂うのに、今度は選りに選って氾家の御子息に懸想とは・・・!!!

「ああ、そうなの・・・。 氾様、もし宜しければお忙しいでしょう貴方様の御時間を少しでも頂きたいと思う私共を はしたないと御思いでしょうか。 貴方様にご慈悲がありますなら、どうぞ 『否』 とは仰らないで下さいませ・・・・」

皇女らは氾家だろうと柳家だろうと全く気にする事無く、凋の戦慄く様子を無視して水月に艶かしく声を掛ける。姉皇女が団扇で口元を隠しながら水月に囁くように告げると、水月は肩を竦めて小さく息を吐いた。 そのまま後ろを振り向き、方淵を見ると視線を向けられた彼の眉間に皺が大仰に寄せられる。

「水月・・・・ 私には関係ないことだ。 貴様だけに用事があるようだからな。 私はこのまま政務室に戻り仕事に励ませて貰う故、杜南国皇女方の相手は貴様に任せたぞ」
「ふぅ、連れないことを謂うね。 方淵殿が仕事に戻られるなら私も戻らなければ陛下からの手酷い叱責を受けてしまうだろうね」

眉を下げた水月は皇女へ振り向くと、優雅な微笑みを見せてとゆっくり頭を下げて御辞儀をする。 方淵、水月が交わしていた台詞が耳に届いていた皇女らは瞳を大きく見開き水月を驚愕の表情で見つめる。

「大変嬉しい御誘いでは御座いますが、私は今、出仕中の身故、もし私個人の時間を御所望でしたら 白陽国国王陛下へと直接御申し出下さいませ、皇女様方」

頭を上げて皇女を見つめる水月の表情は、皇女と過ごす気が無いとはっきり告げている様に見えて、茂みから顔を出した夕鈴は皇女と同じように驚いた表情を呈していた。
皇女は皇女で 水月から 『陛下へ申し出て・・・』 と言われてしまい、戸惑っている。
やっと見つけた理想像にそう言われてしまうとは想定外だったようだ。


『あ、あんなに綺麗な女性達に誘われて、きっぱりと断っちゃうなんて! 水月さんの理想像ってどれだけ高いのよっ! 水月さんの綺麗な顔と紅珠の可愛さから、氾大臣の奥様って絶対、とんでもなく美人だっ!!』

夕鈴が心の中で うん、絶対そうだ! と頷いた時、頭の上から聞き慣れた怒声が響いた。

「貴女は・・・ 大人しく後宮から出ずに過ごす事が出来ないのかっ!!」
「あきゃ! ほ、方淵殿っ、こ、これは・・・・!」
「其処にいたんですか。 気配は感じていたのですが其処とは気付きませんでした」

そっと上を見上げると其処には眉間に皺を寄せたままの方淵と、いつものように微笑む水月。
茂みに隠れてしゃがみ込んでいた夕鈴は、罰の悪い顔で二人を見上げるしかない。
水月が夕鈴に手を差し出すから、仕方が無いと涙目でのろのろと立ち上がると二人の背後から凋の声が聞こえて来た。

「あのぅ、其方の御方は、もしかして・・・・」







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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

長編 | 00:20:01 | トラックバック(1) | コメント(0)
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まとめtyaiました【双の華  6】
なかなか進まない。 すいませんがもう少しお付き合い頂けたら嬉しいです。只今、暴風が関東を襲っております。犬が落ち着き無く、うろうろして超可哀想! 体中震わせてます。耳が...
2012-06-21 Thu 04:09:40 | まとめwoネタ速neo

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