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小夏  1
短い話ですけど、分けさせて頂きます。
久々にのんびりモードです。
ほのぼの・・・・・かな?

では、どうぞ。
















そっと書庫を覗くと陛下が長椅子で休憩中。


横になっている陛下の身体を見て、暫し思案するが溜息を吐き諦める。
これでは無理だ。
如何すればいいのかしら、何か良い案はないかしら・・・。


そっとその場を離れて書庫へと向かう。
方淵、水月がいつものように擦れ違いの不毛な会話を繰り返しながら、それでも書簡に目を通し、仕事を進めている。 タイシタモノヨネ。 
あれで間違いなく仕事を進めているのだから、有能なのは間違いない。 他の官吏を巻き込まなければ最高なのに。 氾家と柳家の確執があるから仕方がないことなのだろうけど。

書庫からじっと二人を眺めるが、これでも無理だと離れる夕鈴。
そこへ李順が 「陛下を知りませんか?」 とやって来た。その李順の身体をじっと見つめた後、溜息を吐き項垂れる。 「陛下がどちらにいらっしゃるか、存じません」 
そう返事をして曖昧に微笑み、夕鈴は書庫から政務室へと移動する。

李順が 「・・・・変な物でも拾い食いしましたかね?」 と眼鏡をあげて夕鈴を見送った。



政務室へ足を運んだ夕鈴は、大勢の官吏たちを見つめていた。
文官が多いので、どちらかと言うと細身の者たちが多い。 その上、狼陛下の執り行う政務に就いて行くには体力も必要とあり、その身体は見た目と違いがっちりとしている。 その彼らを静かに団扇越しに見つめ続けていると、大柄な官吏が書簡が入った箱を持ち入室して来た。 
・・・・大きいわね、陛下と同じくらいかしら。
どちらかと言うと武官のような体躯に暫し目が留まる。背が高く、腕も長い。

でも・・・・ 違う。

団扇で顔を隠して、そっと息を吐く。
そのまま浮かない表情で夕鈴は政務室を離れ後宮へと戻って行った。

夕鈴のその浮かない表情は、一部の官吏に 「儚げで物憂げな切ない表情」 と捉えられ注視されていた。 妃が官吏を長いこと真剣な表情で見つめていたために頬を染めてあらぬ勘違いをする輩もいたことを夕鈴は知らない。









後宮へと戻った夕鈴は一人悩み続けていた。

陛下の部屋に行けば夕鈴が望む事は容易に叶えられるのだが、そこには女官がおり、夕鈴がしたいと思っている事は容易に陛下の耳にも届いてしまう。 内緒に出来なくはないだろうが、女官に 「内緒」 を強要するのは気が引ける。 ましてや今の自分は仮にも 「妃」 なのだから、何故そんな事を? と思われるのは困る。 いっそのこと、他の案が浮かべばいいのに・・・・。
何度目かの深い溜息を吐く。
卓上のお茶を取ろうと手を伸ばし、危うく倒しそうになった時夕鈴は閃いた!

「・・・・これ、いいかも!」

にっこりと笑うと早速その用意の為に厨房貸切を李順へ願い出ることにした。










作りたての暖かな饅頭を持ち、陛下の部屋へと足を向ける。
女官に先触れをしてあるため陛下は直ぐに顔を出して迎えてくれた。 
夕鈴が持っている品に気付き、満面の笑みを見せて。 その笑みに申し訳なさを感じながら夕鈴は部屋に入って行った。 やはり私室の卓上には書簡が積まれ、仕事中と判る。 こくんと唾を飲み込み、瞬時悩むが短時間で済むだろうと夕鈴は決行することにした。


「今、御仕事大丈夫でしょうか。また自室で御仕事されていたんでしょう?」
「自室は第二の執務室とでも思っているのか、次から次へと運ばれてしまう。 でも、夕鈴が美味しい物を持って来たから休憩だね。 で、何?」
「あ、お饅頭です。 肉汁たっぷりの熱々ですよ。 こちらの卓で召し上がりましょうか。 先にどうぞ召し上がって下さいませ。 今、お茶を淹れますので」

夕鈴は女官が用意した茶器でお茶を淹れながら、陛下が饅頭を早速取り上げ食べ始めたのを横目で確認した。 ・・・・美味しそうに食べてくれている。 お仕事忙しかったんだろうな。
いい休憩になればいいけど・・・・。 そして、ご免なさい!!

陛下が五つ目の饅頭を取り上げ噛り付いた時、その饅頭の中から多量の汁が溢れて夜着へと零れ落ちた。

「おっと、汁が垂れてしまった」
「あら、大変っ! 汁の量が多かったようですね、陛下、手布を! 夜着は直ぐにお脱ぎ下さいませ。 染み抜きをしますので渡して下さい。 さあっ、早くっ!!」

手布を渡し口元を拭かせながら、汁が垂れた胸元を布で叩き、躊躇無く夕鈴は腰紐を解き出した。 陛下が驚く顔を無視して夜着を無理やりに脱がせると 「洗ってきます!」 とさっさと部屋を退室して行く。 
部屋にひとりきりとなった陛下は、饅頭と手布を持ったまま呆然と固まってしまった。

「・・・・ドキドキした・・・・・」


赤らむ顔で小犬は小さく呟いた。








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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

長編 | 01:01:08 | トラックバック(1) | コメント(2)
コメント
私も…
ドキドキしました
夕鈴こんどは何を思いついたのかしら?楽しみです!
2012-06-29 金 21:05:02 | URL | ともぞう [編集]
Re: 私も…
今回はほのぼの系で行こうと決めているので、ばたばたはしないつもりです。楽しみにしていて下さって嬉しいですわ。へへへ。コメント有難う御座います。
2012-06-30 土 13:19:18 | URL | あお [編集]
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まとめtyaiました【小夏  1】
短い話ですけど、分けさせて頂きます。久々にのんびりモードです。ほのぼの・・・・・かな?では、どうぞ。
2012-06-30 Sat 21:43:38 | まとめwoネタ速neo

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