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兎の閨房 ・・・・ おまけ? 
短いおまけ。老師主体。宜しければどうぞ。






 



「で、何を夕鈴に見せたのだ?」

鋭い狼陛下の視線を受け、老師は身を竦めて小さくなるが、これだけは言いたいと顔を上げる。 こほんと咳払いをすると、じろりと睨まれ視線を横へと向けた。

「見せたくて見せた訳じゃないのじゃ。 片付けをしていて偶然奥から出て来たので、閨の勉強になるかと思って分けておったところに・・・・・」
「わざとでは無いと?」

老師はコクコクと首を縦に振った。 
陛下に 『余計なことを妃に教えるな』 と言われている上に、あの天然妃だ。
もとより、性に対して驚くほど免疫が無いあの娘に教えるには手間が掛かるだろうと思っていた。 
偶然にも書簡を眼にした夕鈴自身が勝手に読み耽り、陛下のためにと自ら動いたと知り、老師は心から嬉しく思っていたところだ。 陛下のために動く彼女の心根に感動さえ覚えていた。

それなのに何故、ここまで陛下に睨まれねばならないのか。
陛下に文句を言いたいが、そんな雰囲気ではない。

「あれに余計なことは教えずとも良いと私は伝えた筈だが・・・・・」
「ですから本当に閨房に関しては偶然ですのじゃ! まあ、自ら陛下のためにと勉強されたと聞き、嬉しく思ったのは確かですがの」

顎を擦り乍ら陛下を見上げると、怒りだけではないような表情が見て取れた。
バイト妃ではなく正妃となった、もとバイト小娘。 
それも陛下唯一の妃として指導することは多いが、閨に関しては指導は不要とのお達しだ。 
もちろん、彼女自身が教えて欲しいと願えば別な話。
今回は偶然にも彼女自身が書簡に気付き、何やら行動を起こしたと聞き、老師は内容を知りたいと掃除に来た夕鈴に問い質した。 直ぐに真っ赤になった妃は誤魔化そうと必死に騒いでいたが、どうやらその様子から 『失敗した』 らしいということは伝わって来る。 その結果にがっかりしたのは言うまでもない。 かといって、しつこく問うことも出来ず、何か協力することも出来ず、後宮管理人であり、世継ぎを早く見たいと切望する老師は焦れていた。


そして、お后がジタバタ悶えていた、その日の内に陛下が部屋を訪問するとは・・・・・。


「ワザとでないなら、それで良い。 これからも余計な指導は不要だぞ、老師」
「はい・・・・」
「それと一週間後、夕鈴と北匝の離宮を使用する。 手配をして置くように。 彼女には何も知らせることの無いように申し付けておく」
「・・・・・それは・・・・。 はい、陛下! その様に」

陛下の顔に昏い笑みが零れたように見えたが、聡い老師は黙っていた。
その後、夕鈴に気付かれぬように直ぐに手配を整え始め、ばれないようにと生暖かい目で掃除にやって来る妃を眺めていた。







「老師、お腰大丈夫ですか? 温泉のある離宮には行かれないのですか?」
「ちょっと用事があっての~。 終わればのんびり滋養に出掛ける予定じゃ」
「そうですか、大変ですね。 お大事にしてくださいね。 ・・・・・そして菓子屑は零さないで下さいね!! ほら、また零していますよ!」

いつもと変わらない様子の后を見て、老師は心の中で呟いた。



・・・・早く御世継ぎを抱きたいが焦ることはない。 
この分なら直ぐに抱くことが出来そうじゃ! 
果報は寝て待てか。 ふむ、先人も良いことを言う。




煎餅を勢い良く齧り、后の怒鳴り声を右から左へと流しながら老師はほくそ笑んだ。








FIN


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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

もしもシリーズ | 23:47:27 | トラックバック(0) | コメント(0)
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