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抱擁  7
さあ、こちらが終了したらunderでカキカキする予定です。 しばらく放置していたので陛下が拗ねてしまいそうです。(爆) こちらの陛下は落ち着きましたけどね。 あと少しだけ、お付き合い下されば幸いです。


では、どうぞ。
















陛下が夕鈴を抱かかえた状態で部屋に戻ると震える官吏を冷たく一瞥した。 
夕鈴はどの官吏が自分に暗示をかけたのかと顔を見ようとしたが、陛下に強く抱き締められていて出来なかった。 文句を言おうとしたが、陛下の冷たい表情が見えて文句は口の中で固まってしまう。 陛下の怒気を感じた李順は溜息を吐き、官吏に向き直ると冷たい表情で告げた。

「では、貴方の処分は後ほどお伝えしましょう。 今日は一旦お帰り下さって結構」

震えながら拱手した官吏は海原で嵐に翻弄された後の小船のような呈でトボトボと後宮立ち入り禁止区域を後にした。 浩大が笑顔で夕鈴に近寄り 「暗示は解けたのかな?」 と聞いて来た。
真赤な顔の夕鈴は腰が完全に抜けた状態で陛下に抱かれながら、それでも如何にか微笑むと 「ご面倒をお掛けしました・・・」 と喘いだ。

「それで、暗示の方はもう問題は解決という事でしょうか、陛下」
「ああ、大事ないようだ。 耳元で誘うように囁いても夕鈴は変わり無かったからな」

しれっとした顔で報告をする陛下と対照的に真っ赤な顔で身悶える夕鈴を見て、李順が深い溜息を吐く。 バイト娘のこの様子だと陛下がどんな風に彼女に囁いたのかがおのずと窺えるというものだ。 バイトを翻弄するのもいい加減にして欲しいと陛下を睨み付けるも、涼しい顔の陛下は夕鈴を椅子に降ろすと妖艶な表情で彼女の頬を撫で上げた。

「ね、お妃様♪ もう大丈夫だよね?」
「・・・・はい。 お陰さま・・・で、変化は無いように思います」

袖で口元を隠し真赤な顔で俯く夕鈴に満足したようで、陛下は李順に官吏の処分をどうするか話し合いを始めたので、夕鈴はようやく深い溜息を吐くことが出来た。
椅子に腰掛けて所在無げに膝上の手を組んだり解いたりしている夕鈴の傍に浩大がやって来て、にっぱりと哂った。

「ねえ、お妃ちゃん。 暗示に掛かっていた間のこと、覚えていないの?」
「ん~~、ぼんやりと・・・・。 でも誰かに抱きついたのは覚えていないの。 自分が言った台詞も覚えてないのよ。 本当に私、そんなこと言っていたの?」
「うん! オレにも抱きついて 『大好き、浩大』 って言っていたよ」
「・・・・・・・その後、陛下にも・・・?」
「あれ? そうか。 そこまではお妃ちゃん知らないのか!」

目を眇めて意地悪そうな顔になった浩大は後頭部に両手を回して、ふふんっと哂った。

「ほんとーに覚えてないのかぁ。 方淵や水月、李順さんの時みたいに、お妃ちゃん自ら陛下の胸に縋り付いてさ~。 おまけに陛下の時だけ頬を染めちゃって! 『陛下・・・ 好きっ!』 って何度も何度も言っていたよん。 目なんか潤んじゃって、すげえいい雰囲気だったし陛下のことだから、あのまま最後まで手を出・・・・・」
「・・・・・浩大」

いつの間にか浩大の背後には狼陛下という暗黒の凍獄が広がりつつあった。 
「えへっ!」 と可愛らしく哂った浩大があっという間に姿を消すと、舌打ちが聞こえた。

目を潤ませていた? 何度も大好きって言っていた? じ、自分から抱きついた?
浩大のようにこの場から直ぐにでも消え去りたいと、夕鈴は袖口で顔を覆ってガタガタと震えた。 抱きついたとは聞いたけど、詳細を少し聞いただけでこのまま逃げ出したいと強く思った。 もちろん腰が抜けた状態じゃなければ脱兎の如く走り出していただろう。

震える夕鈴の肩にそっと触れると、彼女は顔を背けて悲鳴をあげた。

「ゆ、夕鈴! 暗示だから気にしないでって何度も・・・・」
「でもっ、そんなことを、私、陛下にっ! 暗示って言っても信じられないっ! もう恥ずかしくって! ああああっ、どうすればいいの!?」

自分の痴態に身悶えながら泣き叫んでいると、李順さんが辛辣な一言を投げ掛けてきた。

「夕鈴殿が今更何をしても変な物を食べたのだろうと思われるだけです。 それよりも陛下、政務が溜まっていますので御戻りになられて下さいませ。 夕鈴殿も騒いでいないで大人しく部屋へ下がるように。 宜しいですね!?」
 
きびきびした声色に一人騒いでいた自分が恥ずかしくなる。 とりあえず暗示騒ぎは収束したのだと李順さんに睨まれると夕鈴はそれ以上騒ぐ事が出来ずに部屋に戻ることにした。
部屋に戻ると侍女さんたちが 「御具合はもう宜しいのでしょうか?」 と心配げに尋ねてきたので、妃らしい態度で微笑んで答えるしかない。

「ええ、陛下に看て頂き、もうすっかり体調は良くなりましたわ」

そう言った途端に陛下に抱き付いている自分の幻が脳裏に浮かび、顔が真赤に紅潮してしまった。 その様子に慌てた侍女らが寝台へと夕鈴を押し込むように寝かせ侍医を呼んで来たから、夕鈴は後宮から出ることが出来なくなってしまった。

『方淵殿と水月さんに謝りに行きたいのに・・・・・・。 でも顔を合わせるのが恥ずかしいんですけどっ!! 本当に、私、抱きついちゃったのっ!?』

脳裏に陛下に抱きつく自分が浮かび、夕鈴は更に顔を赤らめ、侍女が蒼褪めた。



それでも夕刻には寝台から起き上がり、夕鈴は陛下に会うためと心配げな侍女を説得して執務室へと足を運んだ。 謝罪は出来るだけ早くがいい。 時間が過ぎるとそれだけ謝罪はしにくくなるし、何より方淵の睨みが怖ろしい。 睨み返すことが出来なくなりそうで負けた気になるから、一刻も早く謝っていつも通りに書庫で仕事がしたいと思っていた。

執務室に顔を出すと、李順が眉間に皺を寄せて夕鈴を見つめる。

「・・・・お妃様」
「え? あ、はい。 あの、侍女さんは回廊で控えておりますが?」

二人だけでお妃様と呼ばれて夕鈴は驚いたが、はあ~っと大仰な溜息を吐いた不機嫌な様子の李順に 「名を呼ばれても大丈夫な様子ですね」 と言われ、ようやく彼の機嫌の悪さが理解出来た。

「だ、大丈夫なようです。 本当にすいませんでした! 李順さん、あの・・・・。 方淵殿と水月さんに謝罪をしたいのですが宜しいでしょうか? まだ居りますか?」

真摯な表情で告げたのが良かったのか、李順さんは一瞬驚いた顔をしたが暫し考えて了承してくれた。 謝罪するなら早い方がいいだろうとの考えを解ってくれたようで夕鈴は安心した。

「いつもの書庫で最後の確認作業をしている筈です。 退宮前ですので長居は禁物ですから、そのように。 本来でしたら妃である貴女が臣下である彼らに謝罪というのは勧め出来ないのですが、今回の騒動を考えると彼らに限っては良いでしょう。 もう一度確認です。 お妃様」
「はい、李順さん、大丈夫です。 本当に申し訳御座いませんでした」

恥ずかしくって涙が滲みそうだ。 眼の前の眉間に皺を寄せた、上司である李順さんにどんな風に私は抱きついたというのだろう。 それを本人に尋ねる勇気は勿論無い。 
肩を窄めて謝るだけに止めよう。 
執務室から書庫へと移動する間にも数人の官吏の方々に 「お妃様」 と言われたが、何も起きなかったので自分に安心して書庫の扉を叩いた。 中から水月さんの声が聞こえ、夕鈴は深呼吸をした後、書庫の中へと踏み出した。






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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 21:10:10 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
あおさん、こんにちは。
いつも本当に楽しみにしてます(*^^*)
あの、underでカキカキって何ですか?裏部屋とかあるんですか?
誰でも読めますか?
あおさんの作品は面白いので気になるのですが…。
2012-09-28 金 07:40:42 | URL | 希望 [編集]
18歳未満禁止部屋です。 別サイトになります。 目次のunderから移動する事が出来ます。 妄想たっぷりですので、好みが分かれると思います。 了承頂ければそちらから足を運んで下さい。 
2012-10-01 月 08:40:07 | URL | あお [編集]
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