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ユーリ  3

さくさく行きます。(笑) オリジナルキャラメインですいません。 でも私、楽しいです。
ユーリ視線で話が進みます。



では、どうぞ。















まさか・・・・ 翌日の夜から私の退社時間に合わせて迎えに来て、帰りは僕が送るからと言い出すとは思っても居なかった。  「少しでも他の男の入り込む隙が無いようにね」 と殺気立った笑顔で言われ、その笑顔に青慎が凍りつき、几鍔が眇めた視線を送って寄越し、ウォルが何か言いたげな柔和な笑顔を浮かべた。
明日の出社が恐ろしい。    
今度は妖艶な笑みを浮かべて私を車に押し込めると、あっという間に車を走らせた。

「あとは古武術道場の奴だったっけ? どんな奴か楽しみだな」
「楽しみにしないでっ! 道場にまで行くつもりなの? それって私を信用してないってことじゃない! 会社にまで迎えに来るとは思わなかったわ」

大仰な溜息を漏らすと、顎を攫われ口付けされた。 急に何をするのだと慌てて前を見ると、運転席との間に仕切り板が降りていて、ほっとした。 跳ねた鼓動を抑えながら胸を撫で下ろすと、黎翔は嬉しそうに私を抱き締めて首筋に唇を這わせ出す。

「なぁっ!?  何、何、何、何なのっ!?」
「ユーリに私の印をつけようかと思って。 毎日つけていたら、周りも判るだろう?」
「・・・・そんなのつけていたら仕事にならない。 あからさまな視線を受けて恥ずかしくて居た堪れないです! 逆に会長につけますよ?」
 
睨み上げると ぱあっと顔を輝かせる黎翔がいて、眩暈を感じる。
いきなり束縛を解除すると、いそいそとネクタイを取り、ボタンを外していく。 もう何を言われるのか想像に容易い。 本当にこの人は会長職に就いていていいのだろうか。

「はい、どうぞ。 何処にどれだけつけてもいいよ。 ユーリからその気になるのは本当に珍しいから嬉しいよ。 強く吸い付かないと痕にならないから、いっそ噛んでもいいよ」
「・・・・・本当に珀コーポレーションの会長職に就いているのよね? 李順さんや周さんがどれだけ大変なのか理解出来るわ。 送ってくれるのは嬉しいけど今日だけにして。 また戻って仕事されているんでしょう? その内倒れちゃうし、李順さんから電話が来て私が怒られちゃう。 ・・・そして何故か不条理と思いながら李順さんには逆らえないの」

黎翔の首筋を指でなぞりながら、お願いしてみる。 
この肌に跡を残すのは難しいかなと思いつつ、何気なく肌を摘んでみた。 ちっとも痛そうな顔を見せないから、本当に咬んでやろうかと考える。

「出張分の休みを貰えるから、ユーリの休みを教えて欲しいな。 久し振りに出掛けるのもいいし、のんびり家で過ごすのもいい。 セスナはないけどヘリか自家用ジェットなら乗せられるよ。 何処に行く?」
 
首筋をなぞっていた手を頬へと移動させる。 触れた頬は少しやつれたようにも感じて、ユーリは首を横に振った。

「・・・・・お休みならゆっくりしましょう。 あ、良ければ私、何か作りますよ? 李順さんと桂香さんに厨房を借りることが出来るようにお願いしますから、久し振りに一緒に御飯食べましょうか。 私が作れるのは庶民料理くらいですけどね」
「いいな、それは。 ああ、買出しも一緒にしないか? 私も一緒に厨房に立って手伝うよ」

くすくすと笑いながらユーリは黎翔の肩口に額を押し当てた。 
何時まで続くのか。 甘やかされて、大事にされて、私の場所まで降りて来てくれる人。
何度自分を律して慣れないようにしようと、縋らないようにしようとしても、その気持ちをぐずぐずに蕩かしてしまう人。 今だけの恋愛と理解しなきゃ駄目だと強く何度も思いながら、それでも 『もしかしたら』 と考える自分がいて、その度に苦笑してしまう。

「会長に買出しなんてさせられないですよ。 普段激務なんだから、一番に自分の身体を労わって、休める時にゆっくり休んで欲しいです」
「・・・・・・・・今は仕事中じゃないのに、いつまで 『会長』 って呼ぶの?」

いきなり上着を脱いだ黎翔に驚くと、いつの間にかユーリの家の前に車が停まっていた。 
運転手に御礼を伝え車から降り、学生時代から借りている古くて小さいながら一軒家のドアを開けると黎翔がそのまま部屋に入って来た。 

「ちょっ! お仕事が待っているでしょう? 送ってくれたのは嬉しいけど、直ぐに戻らなきゃ、李順さんに呼び出されます!」
「大丈夫、携帯は上着の中で、上着は車の中だ。 それより今は二人きりだから名前で呼んで欲しい。 君はいつも 『会長』 だ。 いつになったら名前を呼んでくれる?」

うぐっ!とユーリは唇を噛み締める。 普段、間違っても黎翔と言わないように、会長と呼ぶようにしている。 それはすっかり癖になり、二人きりでも会長と呼んでいることに文句を言われているとはわかる。 でも二人きりになっていきなり 『黎翔』 とは言い難い。 言葉にするのも、態度にするのも照れがある。 それでも彼が望む通りに名前を口に出した。

「れ・・・・ 黎翔。 本当はまだ、お仕事あるんでしょう?」
「ユーリと一緒に居る時間を作るのも会長の腕の見せ所。 名前を呼んで貰えて嬉しいから、もう少しこのまま抱き締めさせて欲しい」
「う・・・・・ 少しなら」

腕が巻き付くように身体に絡みつき温かく包み込まれる。 私だってこのままずっと一緒にいたいと思うのが本音。 この温かさに縋り付きたいと、求めるものが大きくなっていくのを日々押さえ込むのが辛いと、思わず溜息が零れそうになって、息を細める。

急に浮遊感に襲われ、目を開けると抱き上げられていることに気付く。 隣室に移動し、ベッドに下ろされたと思ったらキスの嵐に翻弄される。 深い口付けに息も出来ずに喘ぐしか出来ない。 頭の中が真っ白になり、背や腰に触れる黎翔の手に全身が粟立つ。 シャツ越しに与えられる熱に浮かされ、喘ぐ声に艶が混じりだすのが自分でもわかる。

「んぁ・・・・ はっ・・・ 黎・・・ な・・・・」
「このまま君を食べてしまいたい。 ユーリに翻弄され続けておかしくなりそうだ・・・・」

おかしくなりそうなのは自分の方だと訴えたいのに、息をするのが精一杯。 全てに関して黎翔が初めてで、ただ流されそうになる。 いつの間にかシャツのボタンが外され、首筋から鎖骨へと熱い口付けが落ちてくる。 

「だっ、駄目っ! 明日も仕事っ、ですからっ 駄目!」
「もう少しユーリを充填させて欲しい。 いつもいつも私ばかりが君を求めて・・・・」
「ちがっ! やぁ・・・・ あ、あ・・・・」

欲しいのは私も同じ。 いや、それ以上だ。 黎翔に求められて嬉しくないはずがない。 
わかって欲しい。 熱く求められていても、何時もいつか来る別れに怯え、捨てないで欲しいと泣いて縋りたくなるのを耐えていることを。 
弱くなりそうな気持ちを抑え、強がった言葉ばかり吐いていた。 強がっていた分、久し振りの熱と黎翔の言葉に、感情の針が振り切れ唇が戦慄き出す。

「れ・・・ 黎翔っ・・・  んんっ・・・ や・・・」

貴方の心の中にある 『夕鈴』 
それはいつまでも私の枷になるだろう。 すでに過去の人だと解っていても、鏡を見るたびに見たこともない夕鈴と比べる自分がいる。 似ているだけで求められているのかもと怯える自分がいつまでも其処にいる。 彼女がいたから出会えたのだと判っていても、貴女がどうしても心の隅に引っ掛り続けている。 それを見ない振りをして彼の傍で笑う自分。 
いつだって怖がってばかりの、ただの子供。
本当に彼が求めるのは・・・・・・・・・・・・・・・。

首筋にちりっと甘い痛みが走った途端、堰を切ったようにボロボロと涙が零れ出した。
黎翔のシャツにしがみ付き、耐え切れなくなって嗚咽を漏らし出すと性急な手の動きがぴたりと止まる。 そして肌の上を彷徨っていた熱が離れ、頭に置かれるとゆっくりと私の髪を梳き出した。 あやすような手の動きに、暴れていた感情が徐々に落ち着きを取り戻し、甘い時間を自分が壊したのだと気付く。

熱に翻弄されて真っ白になっていた頭が、一気に冷める。 なんで上手く出来ないのだろう。
男女の機微に疎い私だけど、こんな時に泣くなんて、どうして・・・・・。 

「ごめっ・・・・ ごめんなさっ・・・」

咄嗟に顔を背け、戦慄く唇を押える。 離れたくないと願いながら、嗚咽を漏らして泣くなんて、これじゃあ百年の恋も冷めるだろう。 もう駄目だと強く目を瞑り、息を呑む。

「ユーリ、泣かないで。 わかってるから・・・ 君が嫌で泣いていると思ってないから、大丈夫だから泣かないでいいよ。 抑えられないで性急な真似をした私が悪い」
「ちがっ・・・・、違う。 私が悪い・・・・! ごめんなさいっ」

震えながら身体を丸めると、起き上がった黎翔が私を抱え上げ膝上に移動し、優しい口付けが落ちてきた。 背を何度も撫でながら、震える身体を抱き締めてくれる。

「・・・・どうしても不安にさせてしまうな。 君を離さないと何度伝えたら理解する? こんなに愛しく想っているのに何が不安にさせる? 何が怖い? どうしたらいい? 君だけが欲しいと、どうしたら・・・・」

頭上から柔らかい声と苦笑、そして小さな溜息が聞こえる。 
きっと黎翔の傍にいる間、私の心は揺れ続ける。 立場が違い過ぎる故に揺れ続ける想いは、幾ら泣いても、熱い抱擁を受けても、甘い言葉を囁き続かれても自分を苛むだろう。 それを選んだのは自分なのに、黎翔に訴えて如何するというのだろう。

「本当に・・・ ごめんなさい。 恥ずかしいから黎翔はこのまま帰って・・・・。 こんな風に急に泣くなんて自分でも驚いて・・・・。 吃驚したでしょう?」
「ああ、驚いた。 君に蹴られるより殴られるより驚いた。 仕事より君の方が大事だと何度伝えたら解るかな。 余りにも分からず屋だと本気で閉じ込めるぞ」
「・・・・・は?」

蹴られた、殴られたは兎も角  ・・・・閉じ込めるぞ?  何処に?
今の今まで鬱々と悩んでいたことが頭から音を立てて抜け落ちていく。
ぽかんとして黎翔を見上げると、口角が上がり恐ろしいほど妖艶な笑みを浮かべて私の頤を持ち上げた。 私の瞳は極限まで見開き、近距離の端正な顔から目が離せなくなる。

「もう限界だな。 こんなに君だけを求めているのに君は判っていない。 おまけに未だ逃げようと考えているのが丸判りだ。 逃がさないと伝えた筈だというのに、理解力も乏しく私の手から離れようとする。 それは許されない・・・・・・・」
「・・・・あの ・・・怒っているように聞こえますが、会長・・・」




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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

パラレル | 20:13:03 | トラックバック(0) | コメント(4)
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2013-02-15 金 23:09:38 | | [編集]
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2013-02-15 金 23:31:00 | | [編集]
Re: タイトルなし
ビスカス様、コメありがとう御座います。 もちろん全力で狼は兎を狩りに行きます! 楽しすぎてさくさく話を進めてしまいました。 まあ、短めになりましたがパラレルなのでこれくらいが丁度いいかなと思います。 楽しいコメント、超うれしい!
2013-02-16 土 00:22:39 | URL | あお [編集]
Re: タイトルなし
ますたぬ様、コメありがとう御座います。 乙女でしょー。 乙女に狼でしょー。 会長、もちろん、がんばりますよー。
2013-02-16 土 00:23:35 | URL | あお [編集]
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