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遺却の追想  4

何度も言いますが、今月号激萌え! 本誌を買うようになってから本誌で萌え、間を置いてコミックで再度萌え!この病気は止められないです。どうしましょうか。(爆)





では、どうぞ。







 







「昨夜は・・・・た、大変ご迷惑をお掛けしたようで・・・・ 申し訳御座いませんっ!!」
「ゆうりん、風邪ひかなかった? この時間じゃご飯食べてないんじゃない?」
「大丈夫です。 それより本当に申し訳御座いません、本当に・・・・」

目が覚めて朝餉も取らずに真っ直ぐ執務室にやって来た夕鈴は訪室するなり、叩首する勢いで低頭し謝罪をして来た。 大仰な嘆息を漏らす側近が呆れたように問い掛ける。

「夕鈴殿。 貴女は自分が如何してあのような場所で倒れていたのかを覚えてますか?」
「・・・・ はい。 で、で、でも、李順さんは信じてくれないような気がするのですが。 ・・・・それでも聞いて下さいますか? ・・・・お仕事中に差し障りありませんか?」

涙目の兎はぷるぷると震え、昨日のことを思い出したのか一気に蒼褪めた表情で李順に問い掛けた。 李順は昨夜遅くまで陛下の尻叩きをしていたお陰で多少は崩れた書簡の山を見て、大丈夫だから包み隠さずに話すよう、夕鈴に促した。

「李順さんから受けたお妃教育の書物に四季折々の宴がありましたよね。 季節の宴にはそれぞれ意味があると聞き、以前春の宴の詳細を周宰相にお聞きしたことを思い出し、調べて見ようと奥の書庫へと足を運んだのです」

いつもなら余り足を運ばない書庫ですので探すのに苦労してしまったと頭を掻く夕鈴は、その先を思い浮かべたのだろう、急に身体を竦ませる。 
思わず可哀想になり抱き締めようと陛下が立ち上がると、側近から速攻で舌打ちされた。

「ようやく見つかった竹簡を腕に抱えた時・・・・・・ 書架から竹簡が落ちて、傷がないか調べるために卓に置いたら・・・・ 置いたら・・・・ ひとりでに動いたんですっ!! 勝手に 竹簡が ひとりでに 浮かんで 私の顔に被さって来たんですっ

最後は蒼白な表情を浮かべた夕鈴が涙声で叫んだ。
叫び終えると執務室は瞬時に静まり返り、その後鼻で嘲笑う李順の声が漏れる。
「本当なんです。 信じて下さい!」 と夕鈴が必死に訴えるが、正直僕も信じ難い。

「棚から落ちた竹簡に驚いて倒れた・・・ じゃなくて?」
「違います! 顔に被さって来てびっくりして・・・・! その後のことは全く記憶が無いのすが、で、でも本当なんです。 本当に竹簡が顔に向って飛んで来て・・・・・」

「やっぱり信じて貰えない・・・・」 と呟きながら肩を落とす夕鈴を見ると可哀想になったが、でも正直、信じることは難しい。 だけど説明の仕様がないこともある。 
床から全く離れなかった夕鈴の身体に、いつもとは違う喋り方だった夕鈴。 
受け答えをしていたのに、今の彼女は倒れてからの記憶も無いと言う。
不可解なことが残っている状態で、夕鈴は怯え泣きそうな顔をしている。
ひどく可哀想に思う反面、そんな表情の夕鈴も可愛いなと、僕は小犬陛下で声を掛けた。

「でも怪我も無く風邪もひかずに良かったね。 で、調べ物の竹簡はまだあの場所?」

そう尋ねると、夕鈴は小さく頷き、どうしようと李順を見上げた。 調べ物の続きはしたいが、また同じような怖い目には遭いたくないとぷるぷる震えているから、一緒に行ってあげようと立ち上がると速攻でまた舌打ちが聞こえる。

「・・・・・少し休息を設けたいだけだ。 夕鈴の竹簡を取ったらすぐに戻るよ」
「そのまま後宮に足を向けそうな予感がビシバシと伝わって参りますが?」
「李順さん、竹簡を持ったら陛下を此方に、必ず、絶対、お連れします。 本当にひとりでは怖くて無理です。 でも探した竹簡をまとめて突っ込んだ場所は私じゃないと解らないと思うので、お願いです。 すぐに戻りますからっ!」






半刻内に執務室に戻るようにと李順に厳命されたため、夕鈴は侍女に書庫に寄った後はすぐに部屋に帰るから先に戻っていて欲しいと伝え、僕たちは二人で例の書庫へと向かうことにした。 
ひどく怯える夕鈴に手を差し伸べると、真っ赤になった君は 「大丈夫です」 と首を横に振る。 恥ずかしがっているのは解るけど、こんな機会を逃す僕じゃない。

「でも官吏の目もあるし、仲良し夫婦を演じなきゃね」
「・・・・・・で、では」

そろそろと伸びて来た夕鈴の手をそっと掴むと、怖いのだろう。 少し冷たく感じた。

「我が妃は手が冷たいな。 ほら、しっかりと握って?」
「あ、は・・・・ はい、陛下」

攫った手を握るのは、もちろん指をしっかり絡ませての恋人繋ぎ。 きゅっと力を入れると、耳朶まで真っ赤に染まった夕鈴はいつも以上に可愛くて僕は君を抱き締めたくなる。 
時間制限さえなければこのまま庭園まで散歩をするのに。
口の中で文句を言っていたらあっという間に書庫に到着し、途端に夕鈴から震えが伝わってきた。 僕の手を握りながら片方の手が僕の袖をきゅっと握り締めて、震える身体を寄せてくるから狼を押し込めるのに苦労する。

「一緒に居るから大丈夫だよ。 夕鈴が置き忘れた書簡は奥の卓近くの書架かな?」
「そ・・・・ そうです。 あの・・・ う、動いていた竹簡は、その後どうしたんですか?」 

昨日と全く変わりない書庫へ足を踏み入れると、夕鈴は薄暗がりに怯えながら僕の腕にしがみ付き、強張った口を開いた。 怖さで腰が引き、足が竦むのだろう。 
どうしても片腕が夕鈴に引っ張られてしまい、正直歩きにくいと抱き上げることにした。 
真っ赤な顔で、それでも上手く進めない自分が判っているのだろう、夕鈴は大人しく僕に抱き上げられたままでいてくれた。 ところが、書庫に入って数歩のところで短い悲鳴を上げて、夕鈴が僕の首に腕を回し強くしがみ付いて来た。

「ご、ごめんなさい! で、でも本当にこういうの駄目なんですっ!」

反撃出来ない相手は如何したらいいのか判らないと涙声が耳元に響き、僕はにやけそうな顔を見られずに済んだと 「そのまま、しっかり掴まっていてね」 とゆっくり足を進ませる。

「夕鈴、このあたりの書架だと思うけど、見てくれる?」
 
抱き上げられたまま夕鈴が振り向くと、覚えのある卓と書架が目に入った。 
その卓の上には蝋燭台があり、横には竹簡が開いて置かれている。 竹簡を見た夕鈴は思わず陛下の首に強く縋り 「なあっ! 何かあるんですけどっ!」 と叫んだ。
思わず夕鈴を抱き返しながら卓を見ると、確かに竹簡がある。 しかしそれには流麗な文字が掠れながらも残っており、昨日の物とは違うと判る。

「これは昨日、李順が見ていたんだろう。 夕鈴の顔に乗っていた竹簡は老師が調べている最中だから、それとは違うものだよ。 安心して夕鈴。 ね、僕もいるし」

震える背中を陛下が何度も撫でて、宥めてくれた。 ようやく落ち着いてきた私は書架の棚に突っ込んだ竹簡を確認し、明るい内にもうひとつ見つけたいとお願いをすることにした。 震える足を床に下ろし、そろそろと書架の合間を進んでいくと目当ての文献を見つけることが出来、涙が出そうなほど力が抜ける。 これで李順さんからの妃教育にしっかり答えることが出来ると。

「陛下、ありました! すぐに戻りましょう。 李順さんに」

怒られるからと続けるつもりだったのに、声が出なくなる。 
陛下の 「僕がこれを持つねー」 と言う声が書架の向こうから聞こえ、それは汚れるから駄目だと伝えたいのに、這い上がる寒気に襲われ声が出て来ない。 
竹簡がぶつかり合う音が聞こえ、とうとう陛下に持たせてしまったと判り、申し訳ないと頭の中で謝罪するが、どうしても足が竦んで、さらに身体も動かない。

だって・・・・・・

だって、陛下の声は前方から聞こえるのに、私の裾を下へと引っ張っているのは・・・・。
恐い! 恐い! 恐すぎるーっ!
見ない! 見たくない!  見たら終わりの気がする!
何が終わりか解らないけど、解りたくないから見ては駄目だというのは解る!
 
それなのに緩々と首は勝手に動き、未だ裾を引っ張るソレに視線を向けようとする自分がいて、何で怖いのに見ようとするのかと、もうひとりの私が泣き叫ぶ。
 
抗えない力で私の首は動き続け、そして・・・・・・・ 目にしたものは。

 
「夕鈴、そっちも持つから僕に頂戴。 結構、埃被って汚れて・・・・ ゆ、夕鈴!?」








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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 00:44:04 | トラックバック(0) | コメント(10)
コメント
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2013-02-26 火 06:57:36 | | [編集]
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2013-02-26 火 09:40:27 | | [編集]
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2013-02-26 火 11:51:02 | | [編集]
Re: 分かる~!!
makimacura様、コメありがとう御座います。怖いもの見たさって奴ですね。怖い映画大好物なのですが、娘は駄目駄目で、DVDのパッケージだけで怒り出す始末です。怖い文章って難しいので、挑戦は・・・・・くぅ、無理!エロの方が楽で楽しい!!
2013-02-26 火 17:51:27 | URL | あお [編集]
Re: タイトルなし
ますたぬ様、コメありがとう御座います。顔がムンクに思わず吹き出したら、変な顔で見られています。小犬が出てくるのでホラーには成り切れないというか、難しいです。李順さんが思うようにならないので、ちょいとお時間を貰いながらのんびり更新していきます。
2013-02-26 火 17:55:09 | URL | あお [編集]
Re: 陛下<夕鈴<李順さん?
ダブルS様、コメありがとう御座います。そうです、陛下は国王なので最高権力者。兎キックに翻弄され、側近に仕事しろと怒られ、周宰相の部屋に閉じ込められる。そんな最高権力者です。頑張れ、国王!
2013-02-26 火 18:19:01 | URL | あお [編集]
えっ?ホラーですか?
ララ今回も拝見しました、私も愛を目撃しました。
2013-02-26 火 20:51:42 | URL | 秋 [編集]
Re: タイトルなし
秋様、コメありがとう御座います。ホラー・・・・・・じゃないと思って書いてます。たぶん。紅珠先生の次の作品が楽しみです。(爆)
2013-02-26 火 23:25:35 | URL | あお [編集]
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2013-02-27 水 23:50:02 | | [編集]
Re: タイトルなし
ビスカス様、コメありがとう御座います。そして大丈夫ですか!?急性胃痙攣は何度か経験済みですが、ブスコパン一本と点滴で緩和。もうすっかり救急隊員と仲良しに。ははは。 今はすっかり落ち着きました。好きなことをのんびりが一番いいですよー。休めるときには休んで下さい。 マジに自分が大事ですよ。だってこの世には沢山の萌えがありますから!見ないで終わるのは勿体無いです!本当にお大事にして下さいね。
2013-03-01 金 21:52:17 | URL | あお [編集]
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