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殷紅彩  12
花粉で鼻がずるずる。 でも胃の痛みは軽減し、トイレの住人化しましたけど、どうにか体調復活。普通にご飯も食べられるようになりました。皆様も体調には充分、お気をつけ下さいませ。 いや~、子供は春休み満喫してお出掛けばかり。 少しは勉強しろと怒りますよ!! 
でもバッグ修理してくれたし、レアチーズケーキ作ってくれたから、赦す!(あれ?) 

今回はオリジナルキャラの「皇子」がいっぱい出ます。御了承下さい。陛下壊れ気味です。
あ、ぱる様! 目次の件ありがとう御座います。すぐ修正しました。感謝です!!




では、どうぞ。














「陛下、あ、あのですね、場所が場所だけにお見せすることは出来ないのですよ」
「でも、侍医には見せたんでしょ? 僕、どうしても気になって・・・・ 駄目?」
「駄目に決まってますでしょ!? ・・・・・侍女さんが隣にいますし、大きな声は出したくありません! お願いですから・・・・・ こ、来ないで下さいっ!」

迫り来る狼と、それを押し退けようとする兎。 掛け布を握り締め、二人の攻防は続く。

「バイトに優しくするのも、翻弄するのも禁止ですっ! 薬湯を飲んでいたら治ります!」
「なんで優しくするのも禁止? 自分の奥さんに優しいのって良い夫でしょ?」
 
いつまでこんな関係が続くんだと頭を悩ませながら、でも少しでも長く居られたら嬉しいなと思う気持ちは、正直心の片隅にコトンと落ちた。 陛下に気付かれないようにと願いながら。

「奥さんといってもバイトです! は、恥ずかしいんですよ。 絶対に無理です!」
「ええー! 他の男には見せているのに何でー?」
「な、何でって侍医様は・・・・・。 ああ、もう・・・・・ 陛下、私怒っていいですか?」

そこへ浩大が姿を見せ、鬼の側近が陛下を呼んでいるよと告げに来た。

「やっと良くなって来たんだからさ、お妃ちゃんを余り苛めるなよ~」
「お前が気になることを言うから確認しようと思っただけだ。 あ、夕鈴を苛めるつもりなんか、本当にないからね。 痛くないならいいけど・・・・。 じゃあ、ゆっくりお休み」
「お、お休みなさいませ・・・・ へぇか」 

渋々といった呈で離れて行く陛下に疲れ果てて、浩大に感謝する。 嫁入り前に太腿を見られることになったら恥ずかしさで余計な熱が出そうだ。 侍医に見せるのは怪我の具合を見せるためで、傷痕も残らないと言ってくれたから、もう心配も要らない。 

「浩大、李順さんたちが帰って来たと聞いたけど、上手く話し合いは終わったそうね」
「上手くも旨い話で、李順さんなんかホクホクしてたよ。 あれは随分お妃ちゃんの件を持ち出して有効活用して来たんだろうな。 皇女の件も新しく作戦を実行開始してるし」
「作戦・・・・・ 実行開始?」

陛下は皇女には何もしなかったと言っていた。 脅したと言ってはいたけど、手を出していないと。 それでは意味が判らない。 陛下は引いてくれたが、李順さん、いや、白陽国としてはまだ皇女を赦せないということなのだろうか。

「・・・・なんの作戦? だって相手は同盟国の皇女様で、話し合いは終わったはずでしょ?」
「いんや。 皇女は陛下を諦めてないらしいよ。 どうしても自分を正妃に娶って欲しいと懇願してさ、お妃ちゃんを狙ったことも何が悪いとばかりに理解出来てないみたいだし。 陛下がそれを知ったら大激怒になること間違いなしだね! きゃあ~、怖い!」

夕鈴は浩大の言葉に目を瞠った。  
「じゃあ、また・・・ 狙われるの? 私」

陛下がそれを知らないというのには安心したが、知れるのも時間の問題か? 
それに今までのように狙われ続けるのは正直嬉しくない。 
痛いのも辛いのも、ドロドロの薬湯を飲むことになるのも勘弁して貰いたい。 

「・・・・・皇女って本当に行動的なんですね。 それだけ陛下が本当に御好きなんだ」

好きだと訴えることの出来る立場で、求めることが出来る立場を少し羨む自分がいて、夕鈴は少しだけ羨ましく思う自分を胸の中で振り切った。 そんなの最初から判りきっていることで、この気持ちは一生自分の中に仕舞い込んでおこうと決めたじゃないか。 
今は陛下のために出来ることをするだけ! プロ妃として頑張るだけだ!
しかし、そのあとに続く浩大からの言葉を耳にして思わず寝台から落ちそうになった。

「そこでっ! 皇女には新しい恋愛をお勧めして来たんだってさ、李順さんが!」
「・・・・・っ! 李順さんがぁ? 皇女に新しい恋愛を勧めて来たぁー!? まさか!」

確かに新しい恋愛が成就したとしたら陛下のことより、恋しい人の傍に居たいと思うだろう。 
白陽国の後宮になど興味はなくなるだろうし、私のことも頭から消え去ることは間違いない。
だけど恋愛を勧めたと言っても、皇女だってそんなに直ぐ切り替えられる訳もないだろうし、果たして上手くいくのだろうか。 
今まで執拗に刺客に狙われ続け、怪我を負い、ドロドロ薬湯を飲まされていた立場としては不安が正直拭いきれない。 穿った視線を浩大に送ると、にっぱりと笑顔を返され、大丈夫と太鼓判まで押されてしまった。

「お勧めの相手は間違いなく女受けする、やんごとなき身分の皇子だから大丈夫だよ。 上手くいったら感謝されちゃうくらいだってば。 上手くいくよう隠密活動も忙しくなりそうで、楽しみなんだよね、オレ。 そういうことでお妃ちゃんの警護はしばらく桐が担当することになるから。 オレは他国で恋愛宣伝部長として頑張るよ!」

まあ、単純な作業で長くは掛からないだろうけどね、と追加して浩大は部屋を去って行った。
言いたいことがわかったような、わからないような気持ちで夕鈴は首を捻る。
李順さんが皇女に新しい恋愛を勧めたのは、偏に白陽国に迷惑を掛けて貰いたくないだけなのだろうけど、本当に驚いた。 恋愛って人に勧めるものだろうか。 それに皇女が他人に勧められた恋愛で陛下を忘れることが出来るのかしら。 第一、一体誰を?






その問題の相手が、後日さっそく夕鈴の前に現れた。 
妃衣装に身を包み、久し振りに政務室に顔を出した夕鈴は官吏たちから恭しく挨拶を受け、いつもの席に楚々と腰掛ける。 久し振りにちゃんとバイトが出来るわと気合を入れて微笑を浮かべた途端、陛下が険しい顔で場に現れ、夕鈴に気付くとあっという間に近付き抱き上げた。

「へっ、陛下っ! 御政務はよろしいのでしょうか!?」
「今、最も会いたくない奴が来ている。 我が妃が此処にいては更に危険だ!」
「き、危険っ!? それは・・・・ 刺客、ですか?」

大股で移動する陛下に揺さぶられ、夕鈴は落ちないように肩にしがみ付いた。 顔が近いとか恥ずかしいなど言っていられないほどの振動に何処に行くのかも聞くことが出来ない。 
耳元で鋭い舌打ちが聞こえ、顔を上げると眉間に皺を寄せた陛下がいて、夕鈴は目を瞠る。 
必死にしがみ付いていて判らなかったが、後方から何度も陛下を呼ぶ声が聞こえ、肩にしがみ付きながら視線を向けると見たことのある人物が追い掛けてくるのが判った。

「え、あれって、いや、あの方は・・・・ 峯山国の・・・・」
「言うな、夕鈴。 無視をしろ、無視だっ!」
「陛下、珀陛下! 足を御止め下さい! お話を・・・・ あ、夕鈴様!!」

政務室から逃れるように庭園へと足を進めていた陛下だが、夕鈴を抱きかかえているためか背後から走って来た人物に追い着かれてしまった。 
息を荒げながら追い着いて来た人物は峯山国の第三皇子、琉鴇。 
両手を広げ陛下の足を止めると、前抱きされている夕鈴の腰を舐めるように見て笑みを零す。 抱き上げられたまま振り返った夕鈴がなんと言っていいのか戸惑った顔をすると、目尻を下げ柔和な笑顔で恭しく拱手してきた。

「珀陛下、お妃様。 御久し振りで御座いますね。 御健勝にて何よりで御座います」
「・・・・今から妃と二人きりで休憩を取るところだから邪魔をするな」

琉鴇の舐めるような視線に夕鈴を横抱きに変え腰周りを隠すと、彼の顔は残念そうな表情に変わる。 陛下が足の向きを変え場所を移動しようとすると、あからさまに邪険にされているはずの琉鴇は意に介さず、陛下の言葉に笑顔で返してきた。

「では移動しながらで結構ですので、お話をさせて頂きましょう。 陛下、突然あのような縁談を持って来られましても、困惑するばかりで御座います。 以前より何度も書簡にて申し伝えておりますように、私が望むのは夕鈴様だけです。 陛下の御心は未だ変わらないのでしょうか? 勿論、私はいつまでもお待ち致しますが」
「では、いつまでも待ち続けるがいい! それと我が妃の名を紡ぐな!」
「私の気持ちは何時までも変わりませんので待つのは一向に構わないのですが、あのような縁談は御遠慮致したく申し伝えに足を運びました。 ああ、それにしてもお妃様は以前と変わらず可愛らしく元気な御様子に、私は深く安堵しました。 拝顔の栄に浴することが出来、恭悦で御座います」
「あ、ありがとう御座います。 琉鴇皇子様」

下賜の話はあの場限りの戯言ではなかったのかと夕鈴はただ驚くばかりだが、皇子に縁談を勧めたと聞き、更に驚いてしまう。 その時浩大から聞いた話を思い出し、陛下に視線を向けると小さく頷かれた。 李順さんが皇女に勧めたのは琉鴇皇子との縁談だったのかと納得するが、対して皇女のお気持ちはどうなのだろうか。

「あの、琉鴇皇子様。 宗広国皇女様とは御会いになったのですか?」

夕鈴からの質問に途端に眉根を寄せた皇子は残念そうな表情を浮かべ、肩を竦ませた。

「見目が良くても中身はうちの妹と同じと感じております。 あれは怖いですね。 手を出す気にもならない。 あのような凶悪な女性を紹介するなど、白陽国はどのような意図があるのかと直接尋ねに足を運んだ次第です。 正直にお答え下さいますか?」
「新たに同盟を組んだ国の皇女好みかと思い、貴殿を紹介をしただけだ。 他意はない。 気に喰わなければ断ればいいだけの話だろう。 で、会ったのか?」

琉鴇皇子は残念そうに息を吐くと、渋々頷いた。 夕鈴がその先を聞きたいと注目していると、皇子は笑みを浮かべて一歩近付き、その目尻を赤く染め上げる。

「御会いしましたが、私の気持ちはお妃様だけで御座います。 幾らしつこく絵姿を送られようとも、縁談の書簡が届こうとも、幸いにも諸国巡りの立場なれば如何様にも退けることが出来ますので御安心下さいませ、お妃様」
「いや、安心って・・・・。 あの、皇子のお気持ちは受け取れませんとお伝えしてますよね。 私は陛下の妃ですので、皇子の気持ちは受け取る訳にはいかないと」
「夕鈴は口を聞かなくても良い。 ・・・・会って話はしたのか?」

陛下が夕鈴を下ろして背に回す。 夕鈴の姿が完全に陛下の背に隠れてしまったことに、琉鴇は残念だと肩を落とし、仕方がなさそうに質問に答えた。

「はい。 父より宗広国へ赴き、新たな銀の取引相手として貿易を進めて来るよう使命を受け、その団長として足を運びました。 厭に熱烈歓迎され、いつの間にか皇女が隣でねっとりとした視線を向けて来るから、もしやと思い尋ねたら紹介先は此方だと伺い、急ぎ尋ねに来たのです。 しかし陛下、あの皇女はいけません」

以前と変わらない、人好きのする柔和な笑顔だが、その目だけが笑っていない。 皇子の妹が思い出され、世の皇女ってみんな同じなのかしらと夕鈴は頭を押えた。 







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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 01:30:12 | トラックバック(0) | コメント(4)
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2013-03-25 月 10:46:46 | | [編集]
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2013-03-25 月 22:16:30 | | [編集]
Re: タイトルなし
ますたぬ様、コメありがとう御座います。本誌の夕鈴からのぎゅう! じたばたしてしまいました。 ええ、何度も。 ちょいと近付いた二人に萌え200%ですよ。 オリジナルキャラの皇子は出してみて、自分でも楽しくて仕方がない。陛下の悋気も楽しい。もっと本誌でも焼きもち妬かせてしまえ!!とか思ってしまう。ほほほ。
2013-03-25 月 23:06:11 | URL | あお [編集]
Re: 刺客より厄介者!?
ダブルS様、コメありがとう御座います。セクハラ陛下は心配3割、下心7割で書かせて貰っています。コミック累計100万部とはファンとしては嬉しいですよね。もう少しで新しいコミックも出ますし、嬉しい限りです。先生頑張れー! です。 皇子が以外に人気なので、書く方は超楽しいです。もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです。
2013-03-25 月 23:14:57 | URL | あお [編集]
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