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殷紅彩  14
楽しんでいたら、後半皇子がメインになってきたー! 如何してだ? どうしたんだー! でも楽しいぞー! 陛下の壊れっぷりを書くのが楽しいぞー! 
本当にすいませんでした。underの更新も滞って・・・・・ますね。重ねて反省します。



では、どうぞ。














「刺客に襲われたという足の痛みはもう宜しいのでしょうか。 お会いした時に陛下に抱かれていたのは、単にその為だったのですね」
「いえ、痛みはもう無いのです。 陛下は、あの・・・・ いつも抱き上げるので・・・・・・」
「それは羨ましい話です。 私も早く、誰に遠慮することなく貴女を抱き上げる日が来るのを心より楽しみにしております。 陛下からの御寵愛が失われましたら、直ちに手紙を寄越して下さい。 私は何処にいても貴女の許へと、直ぐに馳せ参じますから」
「抱き上げって・・・・ あ、あの皇子? 下賜の件は本当に無理ですので・・・・・・」

四阿で何故か琉鴇皇子の接待を任されることになり、陛下から逃げるよう言われていた夕鈴はせめて距離を取ろうとしたのだが、じりじりと近付いてくる皇子に声無き悲鳴を上げ続けていた。 垂れ目を更に下げて柔和な笑顔を浮かべる皇子のあの声を、耳元で聞く訳にはいかない!と、夕鈴は必死に話を続けた。

「宗広国の皇女様から猛烈アピールされていると聞きましたが、皇子はやはり、その、恋愛対象には思えませんか? 婚姻まで行かないとしても、その・・・・・」
「国同士の見合いともなれば、一般的な恋愛とは異なり裏が絡んで参ります。 お妃様はそのようなこと無く、後宮に入られたそうですが此度の相手は皇女ですので、私個人と国としての策は共に 『逃げるが勝ち』 です」

夕鈴はその返答に思わず呆然としてしまうが、直ぐに気付いて口元を団扇で隠した。
白陽国にまで縁談の文句を言いに来たのだから、やはりそういうことなのだろうとは思っていたが、女好きだと噂されている皇子が宗広国の皇女とそうなるつもりは無いということがはっきり告げらてしまうと、一瞬頭の中が真っ白になってしまう。
峯山国と皇子の方針が皇女との縁談を断るというならば、皇女の気持ちがまた陛下に戻る可能性があるということにもなる。 そうすると皇女から見て邪魔な妃として、また狙われることになるのかな・・・・・ と思い至り、夕鈴の視線が知らず卓上を彷徨った。

「ああ・・・・・ お妃様。 そのように怖がらなくとも大丈夫です。 皇女をその気にさせたまま国交を上手く執り行い、お妃様へ危害を加えることなど二度とさせませんから、どうぞ私に任せて下さい。 二度と貴女を傷付けさせたりはしないと誓います」
「あ、でも、皇女様を悲しませるのも・・・・・ 駄目です」

顔を上げるといつの間にか皇子が近くまで身を寄せて来ていて、夕鈴は慌てて退いた。 

「貴女のそのような優しさが私を何時までも縛り付けているのです。 もういっそのこと直ぐにでも私の国へいらして下さいませんか? 大事に致します」
「お、おおおお、皇子っ! 近いです! 如何してどんどん近寄って来るのですか! それに私は陛下の妃だと何度も伝えています。 皇子の許へは行けないのです!」

四阿に設えた椅子の端まで追い詰められ、夕鈴は身を竦めた。 涙目で皇子を見上げると、妖艶な笑みを零しながら夕鈴の肩へと手が伸びていく。 慌てて退がるも柱と椅子の背にぶつかり、行き場を失った夕鈴の耳元に琉鴇の低い声が甘く落ちる。

「私は貴女の名を寝所で紡ぎたいのです。 毎夜、幾度も・・・・・・」
「・・・・・っ!! お・・・・・」

背筋をざわめかせ、腰が抜けるような重低音が夕鈴をぐら付かせる。 
肩から力が抜け、掲げていた団扇が膝上に落ち、それでも夕鈴は戦慄く手で最後の抵抗とばかりに皇子の胸を押し出した。

「や、めて下さい。 お願い・・・・・ その声は、だめ、です・・・・・」
「お妃様・・・・・。 夕鈴様、この御手に・・・・ 触れても良いでしょうか」
「だめ、です・・・・・。 皇子、お願い!」

繰り返し響く皇子の低く甘い声色に本気で泣きそうになるほど背筋がざわめき出し、耳元でこれ以上喋らないで欲しいと、限界迫った夕鈴は最後の手段に出た。 

「きっ、き・・・、桐さーん!!」
「・・・・お妃様、それは何かのまじないですか? それより御手に触れさせて頂きますね」

必死に皇子を押し出しながら、夕鈴は周囲を見回した。 
桐さんを配していると李順さんは言ったじゃないか! それなのに桐さんはどうして出て来ないの? 前は来てくれたじゃないか! あ、違う。 あの時は浩大だったか。 ・・・・って、今そんなこと思い出している場合じゃないっ! 
どうしてそんなに嬉しそうな顔で近付くのよっ! 掃除婦の手なんか触って何が楽しいのよ!
こんなに必死になっている変な顔を見て、嬉しそうで楽しそうな顔するなんて、やっぱりこの皇子奇怪しいわー!
手っ! 手を引き寄せて何で顔に近付ける!? やっ、止め・・・・っ!!


ゴンッ!


変な音と共に迫っていた皇子の身体が、手が、夕鈴から離れていく。 
そろりと目を開けると、四阿の椅子に仰向けに倒れている琉鴇皇子の姿があり、何があったか判らないまま夕鈴は蒼褪めてそろそろと皇子の身体を揺すった。

「お、皇子? 生きていますか? ・・・・・ま、まさか、死んじゃった!?」
「・・・・・・生かしてはいる。 止めはまだ刺していない」

その声に驚きながら振り向くと四阿の椅子背側に陛下が立っていて、帯刀していた刀の鞘で皇子の何処かを殴ったとわかる。 陛下は思い切り機嫌が悪く見え、皇子の身体を揺すっていた夕鈴の手を掴み上げると、自分の方へと引き寄せ憮然とした顔で睨ね付けてきた。

「夕鈴に迫っている皇子が見え、急いで走っている内に夕鈴がどんどん奴に押されて頭が下がっていくから、そのまま押し倒されるんじゃないかと・・・・・。 大丈夫だったか? 何処を触られた? それよりもまず、何故、書庫で逃げられなかった!?」
「ちょっ・・・・ 待って、陛下。 あ、あの」
「私は皇子が来たら逃げろと伝えたはずだ! こいつに連れ去られるからと。 それが如何して四阿で二人きりでいることになったのだ。 それも追い詰められて!」
「だっ・・・・ 方淵殿が怒るから逃げられ・・・・・」
「また声か? 耳元で囁くのを許可したのか! 侍女くらい残して置くべきだろう!」
「ちょっ・・・・ っ!!」

狼陛下で畳み掛けられるように怒声を浴びられた上、掴まれたままの手が痛いほど握られる。
その怒声と痛みにぶち切れた夕鈴は勢いよく立ち上がると陛下から手を振り払い、四阿の卓を バシーンッ! と思い切り叩いた。 
手のひらがジンジンして酷く痛むが、痛みよりも激しい怒りが勝っている。 
確かに危なかったし、意味のわからない恐怖に襲われた。 
低い声で何度も囁かれ、手を取られて何をされるのか、皇子が何をしたいのかが判らず怖かったのは事実だ。 だけど自ら進んでそういう状況を招いた訳じゃない! 

その音に陛下は眉を顰めて夕鈴を見つめ、その表情に自分が言い過ぎたことに漸く気が付く。 
据わった視線で自分を見つめる妃は、肩を怒らせて戦慄いているのが判り、慌てて小犬に戻り夕鈴の名を呼ぶも、深い嘆息と共に睨み付けられてしまう。

「・・・・・確かに逃げろと陛下は仰いました。 ですから逃げようとしたんですよ、私は」
「う、うん。 そうだったね。 李順が書庫で逃げようとしたって言っていたのを思い出したよ。 そうだよね、ゆーりんは逃げようとしたんだよね」
「でも方淵殿に怒鳴られ、入り口には皇子が待ち構え、李順さんには何故か接待をしろと言われ、バイト妃としては逆らうことも赦されない状況でした」
「う、うん。 そうだってね・・・・・・」
「最後の頼みの綱である桐さんを呼べば陛下が来て、最後には狼陛下で怒られる・・・・・」
「あ、あの・・・・・・ 夕鈴。 そ、そうだね、ごめんね?」

小犬陛下の謝罪を聞きながら、夕鈴は更に強く睨み付ける。 蒼褪めた陛下はアワアワしながら四阿の外側から内へと入り、怒り心頭で睨み付けている夕鈴の手を握った。

「李順が夕鈴を皇子の接待に使ったと聞いて、僕慌てて来たんだ。 そしたら皇子に押し倒されそうになっている夕鈴を見つけて慌ててしまって」
「・・・・・それで私を叱りつけたと?」
「あ、いや・・・・・。 ご、ごめんなさい」

四阿の椅子に仰向けに倒れている皇子は完全に意識を失っており、そろそろ帰り時刻だろうにどうしたらいいんだと夕鈴は頭を抑える。 陛下が夕鈴の目を押えて 「それは見なくていい」 と拗ねた声を出すが、見ない訳にはいかないだろう。





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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 20:00:14 | トラックバック(0) | コメント(2)
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2013-03-28 木 21:56:58 | | [編集]
Re: …まだ?
ダブルS様、コメありがとう御座います。 そうなんです、まだ続いていてごめんなさい。楽しくてつい。路線が大きく変わり、どうしてギャグ路線を走り出したのか、自分でも判りません。 次は思い切りシリアスなものを妄想したいです!! 嫁は強い。 これも王道でしょうかね。 その方が世の中平和ということで。
2013-03-28 木 23:11:07 | URL | あお [編集]
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