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多事多難  5
天気が良くって洗濯、掃除がちょい楽しい。 仕事がなきゃもっといい(笑) 連休でもまともな休みにならないし~。 その分の鬱憤はここでの夕鈴、陛下虐め(爆!) 下町編に入りますと、今後オリジナルキャラが出て来ますので御了承下さいませ。


では、どうぞ















夕鈴の警護のために下町まで就いていた浩大は、報告のために一旦王宮に戻り陛下の部屋に飄々と顔を出した。 山と詰まれた書類に埋もれる陛下の機嫌の悪さを見て、思わず口元がゆるむのは悪い癖だとわかっていても止められない。

「お妃ちゃんは予定通りに明日の昼過ぎ、友達の結婚式参列。 その後、夜に友達同士の集まりに参加して、明後日の昼過ぎには戻る予定っすよ。 ま、あっちは特に問題はないだろうから、こっちの面倒ごとが気になって一旦戻って来ちゃった」
「・・・・・ああ、あれか」

忙しい時こそ、その合間を縫って情報を持ち出そうとする輩が静かに跋扈する。 連日捕縛される間諜に刑房も手狭になったと刑吏が嘆息を零すほどだ。 捕縛した間諜から裏を取り、闇に繋がる高官や大臣の罪を明確にする作業もあり、浩大を含む隠密も官吏並みに忙しい。 
浩大も王宮内外に配された隠密との情報交換や新たな侵入者の確認など、一仕事終えてから陛下の部屋に顔を出しているくらいだ。

「暇な官吏か大臣が、王宮内を掻き回すためにお妃ちゃんの中傷文流していたのかも知れないけど、考えると暇だよな~。 妃部屋にもいろいろ仕掛けようとするしさ~。 昨夜なんか、睡眠作用の強い香が窓下に用意されていたけど、バレバレだって! 起きないお妃ちゃんに薬と称して毒を服用させようとか、まったく考えることがえげつないね~」
「香炉を用意した宦官は捕縛し裏は取れている。 指示した高官は既に鬼籍だ」

あらら・・・・ と浩大が呟いた瞬間、昏い表情に歪んだ笑みを浮かべる陛下に躊躇したが、小さく息を漏らすに止め 「話は変わるけどさ~」 と報告の続きを話し続けた。

「結婚式の後、二次会ってことで下町の友達たちが集まるそうだよ」
「・・・・・・・・それで気分転換が出来るならいい。 こちらの余計なことを知られずに、怪我も無く過ごせるならな」
「それってさ~、未婚同士が集まっての集団見合いみたいな催しだって」
「・・・・・っ!!」

思わず顔を上げた陛下の持っていた書類が破れそうになり、それを見た浩大が肩を竦めて笑い顔を隠す。 やっぱり知らなかったのかと陛下の表情を窺うと、ただでさえ頗る機嫌の悪い狼が今にも立ち上がりそうになっているのが判る。

「まあ、お妃ちゃんはそんなのスルーしてちゃんと予定通りに戻ってくるだろうさ」
「そんなの彼女の口から聞いてないぞ。 夕鈴に来た手紙を検閲した李順からも聞いてない」
「ん~、お妃ちゃんは知らないんじゃない? 素直に友達との集まりだって思っているだろうから、楽しみにしているんじゃないのかな。 まあ、地元の皆は知っているはずだけどね」

友人の結婚式に妙齢の男女が集えば、新たな出会いを求めて二次会という宴に参加し、中には恋愛に至るカップルもいると浩大に聞かされ、陛下は眉間に皺を寄せた。 
一番やっかいで心配な幼馴染君とは、みんなの前で有り得ないと、絶対に無いと互いを罵り合い、結婚の対象になり得ないことを知ってるが、それだって、今は、だ。
さらに他にどんな伏兵がいるか判らない。 
夕鈴が知らずに参加する集まりとはいえ、その場に赴けば、その場の雰囲気に呑まれてしまえば、その場でその気になってしまう可能性が無いとは言い切れない。 
真面目な彼女のことだ、王宮に借金が残っているうちは結婚までは考えないだろうが、出会った相手に絆されてしまう可能性が 『0』 ではない。 
万が一にでもその気になった男友達に唆されて酒でも飲んだら・・・・・。 

「式後の集まりもさりげなく見守るけどさ、本人同士がその気になれば仕方ないっすよね。 下町の生活には関与したくないし。 危ない目に遭うようなら警護として止めるけど、楽しみの邪魔はしたくないからね。 ・・・・・ま、お妃ちゃんは羽目を外すなんてこと、無いと思うけどな~」
「・・・・・・・・」
「じゃあ、引き続きお妃ちゃんの警護に就くからな」 

窓から浩大が消えて行くのを、陛下は苦々しい思いで見送っていた。 
卓の上には山と詰まれた書簡と書類。 これら全てに目を通さなければならないとは解かっている。 半刻もせずに新たな次の書簡も届くだろう。 更なる山を築くために。  

最近の忙しさは殺人的だ。 それ故に疲労や苛立ちも増し、怒声を放つ日々が続いている。 
政務室は狼の怒声により冷え切っており、蒼褪めた官吏や高官が幽鬼のように蠢き、新たな懸案に対処するため右往左往している現状。 
次から次へと結果報告が挙げられ、それに目を通し署名し、次の懸案に取り掛かる。 大臣らとの謁見や話し合い、その合間に宴やら催し物の申請、密偵からの報告、忍び込む間諜の捕縛、それらの取調べと関わっていた臣下の処断、宰相から持ち込まれる書簡の詰まった箱。

そして夕鈴への中傷文と共に流れ出した不仲説。

夕鈴の様子が気になって部屋に行くと強張った顔で謝罪され、掃除しているところに足を運べば 『仕事を続けたくない』 と浩大に訴えている姿。

わかっているんだ、僕が悪い・・・・・。
 
中傷文が回り出した時、この忙しい時期にまた下らぬことを考える輩がいるものだと苛立ちを覚えたが、その経緯を知り、すぐに夕鈴の顔が見たくなった。 
多情な花などと中傷され、きっと傷付いているだろうと思いながら、本当に方淵と何も無かったのかと、他者に噂されるような怪しい動きをしていたのではないかと訝しむ自分がいて、君の部屋だというのに何時までも小犬になれなかった。 
もちろん本心から夕鈴を疑っている訳ではない。 彼女は自分が間違ったことをしようものなら、潔く首を差し出すだろう。 そういう性格だと、そういう性分だと心から信じられる。 
そう思いながら君からはっきり違うと聞きたい自分がいて、だけど君を苦しめたくはなくて。
あの日、中傷文なんか気にしなくていいよと、いつものように優しく小犬で話し掛けていたらきっとここまで面倒なことにはならなかったのだろうと気付くのは、今更だ。

「あー・・・・・・。 忙しいのが一番悪い・・・・・」

自室で零す愚痴に誰が答えようか。 
零された愚痴に夕鈴の涙顔が重なり、僕は深い溜め息を吐いた。








   ・・・・・・・・ ・・・・・・・  ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・
 








「おめでとう! 恵、幸せになってよ!」
「とっても綺麗よ。 旦那さんと幸せになってねー!」
「嫁さんを大事にしろよー! 姑との間にちゃんと入れよ~」

祝い事はいつ見ても心が温まる。 
本人たちの笑顔に周りのみんなまで笑顔になり、幸せのお裾分けを貰った気分になり、笑顔が伝播するようだ。 身内での式を終えた友人はそれぞれの友人らを集めて簡略な披露宴を行い、その幸せを顔に浮かべて見せ付けていた。 親同士が親戚ということもあり、互いに歳も近く以前より意識していた恋愛結婚。 その幸せな笑顔に、頬を染めた花嫁の眦に浮かぶ綺麗な涙に、女友達は感極まり泣きながら抱き付く人もいるほどだ。

お披露目が終わると、式に参加出来なかった下町仲間も集まり、往来は賑やかになって来た。
通りを歩く人の邪魔になるほど盛り上がっている仲間も居て、幹事役の人が慌てて人数を数え出す。 家に用事のある者、これから仕事の者、既婚者などは帰宅の途につくが、それでも結構な人数が残り、次の集いに移動することになった。

「では、場所を移動して二次会といきますか!」

幹事の掛け声に、夕鈴らは早速移動を始めた。







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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

長編 | 00:45:05 | トラックバック(0) | コメント(6)
コメント
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2013-04-28 日 01:19:48 | | [編集]
いつ寝てるのでしょう?
下町報告、さあ大変!?(^w^)
陛下の手が止まらなければいいのですが…(^_^;)
狼狽えてる陛下にニヤニヤします(笑)

下町お見合い宴!!
さあどんな輩が登場するのでしょうか!?\(^o^)/
2013-04-28 日 10:41:31 | URL | ダブルS [編集]
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2013-04-28 日 11:49:19 | | [編集]
Re: タイトルなし
ますたぬ様、コメントありがとう御座います。 陛下の焦れを書くのは楽しいです。 次は下町の集まりとなりますので、陛下は出て来ません。いっぺんには詰め込めないのが辛い。 手が遅いのが困りものです。 見直しに時間が掛かり過ぎなんでしょうね。 うううう。
2013-04-28 日 21:32:44 | URL | あお [編集]
Re: いつ寝てるのでしょう?
ダブルS様、コメントありがとう御座います。 浩大の余計な下町報告に狼陛下は小犬になれるか! といっても次に陛下は出て来ません。書きたいものが書ききれないのが辛い。 お付き合いされる皆様には申し訳ないですが、書きたいことがいっぱい過ぎて・・・・。 お付き合い下されば嬉しいです。
2013-04-28 日 21:34:49 | URL | あお [編集]
Re: タイトルなし
ななすけ様、コメントありがとう御座います。下町編となりますが、陛下をどこで出そうかちょいと思案中。まずはオリジナルキャラが出て来ますので、お付き合い頂けたら嬉しいです。どんな風に絡ませようか思案するのも楽しいですが、書いては消して、消しては後悔してを繰り返しながら楽しんでいます。
2013-04-28 日 21:37:00 | URL | あお [編集]
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