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嵐の後に凪  1
「もしもシリーズ」 Please forgive me. そして Apology の、その後です。続きはR指定の under へ続くのですが、それ無しでもO・Kなように説明をさせて頂きます。
 
二人きりのいちゃいちゃをもう少し長く楽しみたいと夕鈴に内緒で姦計を企んだ陛下は、それが露見した後、逃げ出した怒り心頭の兎を追い掛け離宮に向かいます。心からの謝罪を繰り返し、その後赦された陛下は身体を駆使して妻を慈しみました。(半ば無理やり) 
上手く仲直り出来たはずなのですが、その後陛下は夕鈴との間に可愛い世継ぎを儲けようと連日連夜激しく頑張り続けたところ、「毎晩じゃ身体が持たんわーっ!」と怒り出した后に逃げ出されてしまいます。(落涙)
逃げた先は遠い山間にある離宮より、更に遠い他国の地。
それも陛下が苦手な伯母上、瑠霞姫の邸へと。


今回はその後の物語となりますが、基本、「もしも」は甘過ぎる胸焼けするような話しばかりです。 今回も微エロです。 それでもO・Kな方は、お付き合い頂けたら嬉しいです。


では、どうぞ













なかなか懐妊しない自分に落ち込んでいた夕鈴だが、その原因は陛下の 『妻ともっと二人きりでいちゃいちゃしたい』 という我が侭だと知り、怒りのまま逃げ出した先は山奥の離宮。 
そこへ疲労困憊の呈で迎えに来た陛下とどうにか仲直りが出来て互いの気持ちも修復したのだが、その後の執拗とも思える毎夜毎晩の激し過ぎる求めに辟易した后は、再燃した怒りと共に他国へ逃げ出した。 

陛下が苦手とする叔母上様の邸へと。

その邸で、たった数週間過ごしただけだというのに、李順さんからの書状と共に姿を見せた浩大が、肩を竦ませながら暗い顔を見せた。 
こんなに早く見つかるとは思っていなかったが、見つかってしまったものは仕方が無い。 
それにしても邸の厳重な警備を掻い潜って来るなんて、自称有能な隠密なだけはあるわね~と違うところで感心していると、深い深い溜め息を吐き浩大が首を項垂れた。

「今さ、政務室が大変なんだよ。 牙を剥き出しにした狼が怒鳴り捲くってさ、政務が滞っているしさ、有能で優秀な隠密に八つ当たりはするしさ。 なあ、そろそろ戻らない?」
「・・・・李順さんからの書状にも、そう書いてある」
「幽鬼の如く中央殿と政務室を行き来している文官の姿とかさ、ストレス解消にされている傷だらけの武官の姿とかさ、お妃ちゃんが見たらすげえショック受けちゃうよー」
「・・・・そんなに酷いの」
「うん。 全部、妻が不在だからだろ?」

当たり前のように言う浩大から視線を逸らした夕鈴は、思わず鼻白んだ。
きっと白陽国に戻った途端、李順さんからネチネチとした長い叱責を受けることになるだろう。 李順さんは私が后になっても容赦ないから覚悟をしなきゃならない。 だけど、そもそも陛下の執拗な愛情表現が原因じゃないか。 政務や武官にまで影響が及ぶって、陛下は一体何をしているんだ。

「・・・・・わかったわ。 すぐに戻ります」

不精不精といった呈で荷物を片付けていると瑠霞姫が顔を出し、寂しくなるわと妖艶な笑みを零す。 ずいぶん親切に可愛がってくれた叔母に夕鈴も深く感謝し、今度は是非遊びに来て欲しいと丁寧に礼を伝えると苦笑された。

「遊びに行くのは構わないけど、あの子は私にも焼きもちを妬くのではなくて?」
「・・・・ないとは言えないのが辛いですわ」

従者姿の浩大に促され馬車に乗り込むと、姫より土産だといって小振りの綺麗な行李を戴く。 後宮に戻ってから開けるようにと約束させられ、そして数週間の逃避行は幕を閉じた。





女官長始め数人の侍女が白陽国国境関門で待つ姿に驚いた顔を見せると、連絡しておいたからね~、と浩大は事も無げに答えてくれる。 
浩大が来た時から私が帰ることは決定していたのねと乾いた笑いを零しながら、夕鈴は馬車を降りた。 恭しく低頭する女官長や侍女に此処まで来て貰うことになり申し訳ないと労いの言葉を掛けると、ゆるりと首を振り穏やかな笑みを見せてくれる。

「御后様がゆっくりお休みになられたのでしたら、それが一番で御座います」
「ありがとう御座います。 でも王宮では(狼に振り回されて)大変だと伺いました。 あの、後宮でも(狼の言動で)大変でした・・・・でしょうか?」

問い掛ける夕鈴の笑みが知らず強張ってしまう。 しかし後宮に長く従事する女官長らは柔らかい微笑を浮かべながら静かに腰を折り、首を横に振った。

「御后様が気に病むようなことは、何一つ御座いません」
「そ、そうですか? あ、あの、でも正直に教えて頂いた方が嬉しいのですが」
「何もお変わりは御座いません、御后様」 

形式的な整った柔らかな笑みの下に、何かを隠しているように感じるが、女官長と共に控える侍女の怯えるような揺れる視線に気付き、夕鈴はそれ以上聞くことを止めた。 
これは間違いなく、何か後宮でもあったに違いない。 
だけど事は陛下に関することであり、それは自分が不在であったことと関係が有るのだろう。 浩大からの報告にもあったように、狼陛下の怒声と叱責で政務室同様、後宮も大変だったのだと推察される。 そう思うと自分が逃げ出したばかりに申し訳ないと深く項垂れそうになった。

でも、あの時は逃げるしかなかったと夕鈴は背筋を伸ばして握り拳を上げる。
あのまま狼の好きにさせておいたら、子を授かる前に天国の扉を開きそうになる自分がいた。 それでも迷惑を掛けた事実に少し落ち込みながら白陽国の馬車へ荷物を移し替えていると、遠くから土煙が立つのが見えて来る。
 
「・・・・やはり、陛下がお迎えに来られたようで御座います」
「え? ・・・えええっ!?」

政務が滞っていると浩大は言っていたのに私なんかを此処まで迎えに来ちゃって、後でどれだけ李順さんに罵倒されるのか容易に想像出来る! 
泣くっ! 私、絶対に泣く!
狼狽する私の背後では荷物の移し替えが着々と進み、そして瑠霞姫が用意してくれた馬車が邸へと帰って行く。 思わず去り行く馬車を涙目で追っていると、女官長が恭しく拱手して来た。

「では、私どもは後宮にて御后様をお待ち申し上げております」
「へ? あ、あの私も皆様と御一緒に戻り・・・・たいのですが」

女官長に縋るように振り向いたが、ゆるりと首を横に振られた上に土煙を指差されてしまった。 気付けば女官長も侍女も申し訳なさそうに視線を私から外している。 
そうですよね。 
これ以上陛下の機嫌を損ねたら、みんな仕事になりませんわよね。 みんなと一緒に王宮に戻ろうとしたら最悪の状況になるのは火を見るより明らかですよね。
はい、私は陛下と戻ることにします。
・・・・・ちょっと、まだ気まずいですけど頑張ります。

「御后様、陛下との御戻りをお待ち申し上げております」
「はい。 本当に御迷惑をお掛け致しました。 あの、皆様も気を付けて御戻り下さいませね。 警備兵が御一緒とは思いますが、荷物もありますし宜しくお願い致します」
「御后様の方こそ・・・・ お気を付け下さいませ」

最後に眉根を寄せた女官長から押し殺したような声で不吉な言葉を残され、夕鈴は固まった。 
あの・・・・。 何を気を付けろというのでしょうか。 
馬車の窓から顔を出した女官長の柔らかい微笑みの中に憐憫が垣間見えたような気がして、背筋に厭な寒気が這い上がってしまう。 どういう意味か問おうと女官長へ手を伸ばそうとした瞬間、御者が鞭を落として馬車は走り出してしまった。 


そして数台の馬車と入れ違いに土煙が、ぽつんと残された夕鈴の許へと近付いて来る。 
苦しげな表情を呈した陛下は下馬するなり、硬直した夕鈴の腕を捉えて引き寄せて全身を強く抱き締めてきた。 ぼふんっと音を立てて陛下の胸に閉じ込められた夕鈴は目を瞬かせるしか出来ない。 

「夕鈴っ! ここまで君を追い詰めてしまって、ごめんねっ!」
「・・・・・陛下」

強く抱き締められた夕鈴の耳へ陛下の整わない荒い呼吸が落ち、激しく上下する胸に押し付けられた頬がじんわりと染まり、久し振りの抱擁に鼓動が跳ねてしまう。 鼓動が跳ねながらも陛下の胸に素直に凭れ掛かる自分がいて、それが妙に今は気恥ずかしい。
少し痛いほど強い抱擁に心まで抱き締めて貰えているようで、頭から額や頬に降るような優しげな口付けも嬉しいと素直に思えた。

・・・・・・その言葉を聞くまでは。

「気を失うほど何度も抱いたこと、赦して欲しいっ!」

力強い抱擁にうっとりと身体を預けていた兎の耳に、いきなり際どい台詞が飛び込んで来て、夕鈴は目を瞠って固まった。 荒い吐息と共に紡がれるその台詞に、夕鈴は眩暈に似た立ちくらみに襲われる。 掠れた低い声は柔らかい小犬とも優しげな狼とも取れる声音で、心からの謝罪を交えながら、真っ赤に染まった夕鈴の耳へと絡み付くように落ちてくる。

「僕がしつこく君を求め続け過ぎたから夕鈴怒ったんだよね? ごめんね」
「っ! ま、まあ有体に言えばそういうことですが、あのっ」
「毎晩何度も夕鈴を抱くから疲れちゃって怒ったんだよね? 僕が嫌いになった訳じゃないよね? もう二度と抱かれたくないなんて思ってないよね?」

耳元へダイレクトに落とされる陛下の声は背筋を震わせながら腰と滑り落ち、夕鈴は縋り付きながら必死に首を振った。 陛下の腕の中、まだ昼間です!と羞恥に唇を震わせる。

「い、今はそんなことを言っている場合じゃなくて! ま、周りを見て!」
「甘い喘ぎ声に、敏感に反応する身体に、濡れて誘うような唇に、上気する肌に溺れて、夕鈴も気持ちが良いんだと思って僕頑張り過ぎちゃったんだ。 夕鈴の中、すごく気持ちが良いから、つい・・・・・。 しつこかった? 本当は鬱陶しかった? 良くなかった?」
「なっ! ・・・・こ、ここっ、外!」
「縋り付くように爪を立てられ、潤んだ瞳で見つめられるたび、すごく愛しいと思って。 だけど逃げ出したいほど酷くしてしまっていたんだね。 悦んでいるものだとばかり思って」
「も・・・、もうやめて!」

陛下の胸を叩き、夕鈴が首を振って叫ぶも、注がれる言葉は肌を染め上げ続けるだけ。

「夕鈴が可愛くて、感じる姿を見たくて、何度も何度も悦いと言わせたくて。 無理させているなんて思わなかったんだ。 僕だけに見せる淫らな姿を・・・・」
「止めてって言ってるでしょーっ!!」

余りの恥ずかしさに陛下の胸を押し出し、私は耳に落とされる声から離れたくて思い切り走り出した。 昼間から何てことを言い出すんだ、この狼は! 

后の叫び声に関門近くの番兵が驚いた顔で凝視してくるけど、今はそれどころじゃない。 
一刻も早く陛下から離れなければ、これ以上何を聞かされるか判らない。

それなのに直ぐに追い着かれ、あっという間に担ぎ上げられ、そしてそのまま馬上へ乗せられてしまった。 抗おうにも馬背の上では暴れることも出来ず、慌てて馬具にしがみ付くと背後に陛下が跨り、文句を言う前に馬を駆らせてしまう。

「へっ、陛下!」
「ごめんね。 夕鈴が恥ずかしがるのを知っているけど気持ちを抑えられなかった。 場所を変えよう。 門番におかしな想像をされては困る。 僕だけの夕鈴なのに」
「そ、そういう問題? そ、そうじゃなくって・・・・」

耳元に落ちる声は拗ねたような小犬の声で、過ぎる風に紛れながらも深く耳奥へと届けられる。 恥ずかしいのだと判ってくれたことに安堵すると同時に、『僕だけの』 と執着されることに恥ずかしくも嬉しさを感じ、背後から回る腕の力強さに安心して文句を言うのを止めた。 慣れない馬上の揺れに口を開くことも出来ないというのが本音だが。
しかし、そんな夕鈴の耳へと、試練のように陛下からの睦言は止まることなく注ぎ続ける。
 
「夕鈴が好きだという気持ちを身体で伝えようと頑張り過ぎだ」
「・・・・っ!」
「愛しいと思う気持ちを全身で君に伝えたかっただけなんだ」
「~~~っ!」
「悦いと啼く君を貪ることに夢中になりすぎた。 本当はまだ貪り足りないが、連日では身体を労わる暇もないか。 悪かった、夕鈴。 好き過ぎて抑えられなかった」

気持ちだけは自分も同じだと思いながら、でも陛下の思考回路は私の想像範疇を飛び越えて方向が斜め上なんです! と心の中で叫んでいた。 しかし馬上ではこれ以上抗うことは出来ず、耳元に落とされる辱めに耐えながら夕鈴は陛下の胸に凭れ掛かり諦めの嘆息を漏らす。 




暫く馬を駆らせていたが、途中から緩やかな足取りに変えたらしく、気付けば広大な丘に到着していた。 馬上から先に降りた陛下に支えられ地に足を着けると嬉しそうに笑みを浮かべるから、ほにゃりと笑い返してしまう。 恥ずかしい言葉を連々と耳に落とされ羞恥に悶えていたが、やはり小犬の笑みには敵わないということを改めて思い知らされた。 
怒りは長く続かないものだと、夕鈴は小犬の手を握り締める。

「あの。 ・・・・ここは?」
「王宮に戻る前に少し夕鈴と散策がしたくて。 ここは王都近くの庭園だよ。 王宮管轄になっているけど民間が管理していて、ほら、みんな自由に散策している。 以前は王族だけしか立ち入れなかったけど、今は誰でも季節ごとの花々を楽しめる場所なんだ」

その言葉に視線を移すと、初夏の日差しの下、広大な庭園には濃い緑と様々な色合いの花が咲き乱れ、微かに甘い花香が鼻をくすぐる。 入り口らしき場所には屋台がいくつも並び、子供連れや高齢者が思い思いに散策を楽しんでいるのが見えた。 
手を握ったまま庭園内に足を進めると、すぐに大きな樹木が目につく。 緑と白が初夏の日差しを遮り気持ちの良い木陰を作っていて、思わず目を細めて見上げると風に揺れる葉が見え、足元には黄白の花びらが散っている。 

「・・・・見事な槐の大木ですね。 宮廷にも植えてありますけど、ここまで大きなものは初めて見ます。 教えて貰ったのですが、宮廷の槐は薬師が管理されているんですね。 あ、百日紅に半夏生、唐鼠黐に令法まで。 知ってますか、陛下。 令法の若葉も花も食べられるんですよ!」
「じゃあ宮廷にも植えるように言っておこうね」

食べられる花と同じようにと話すと、嬉しそうな顔を見せる夕鈴に安堵する。
 
叔母上の邸まで逃亡するようになるとは、兎の脚力も侮れないなと愚痴を言っていたことは内緒だ。 兎が逃げ出したくなるほど毎晩頑張り過ぎたかなと反省する点も多少はある。 気を失うほどに抱き続けたことは否めない。 連日連夜、白々と夜が明けるまでは流石に遣り過ぎたか。

夕鈴は突然行動に移すところがあるので、今後も注意が必要だろう。 
・・・・・それにしても、氾紅珠の邸ではなく、伯母上の邸とは夕鈴も考えたな。
后から内密にと厳命されていたのでは、関門の兵も偵察にきた者に口を閉ざすのも仕方ないか。 まあ、二度目はないようにしよう。 逃げることを考える前に、夕鈴が望むように子を生せばいい。 本当はもう暫く夕鈴と二人きりで過ごしたいが、これ以上逃げられるのは辛いし、大臣らを黙らせるにはそれも有りか。 


夕鈴が嬉しそうに話してくれる花々の説明に相槌を打ちながら小犬の笑みを浮かべ、心の裡ではもう二度と僕の傍から逃げ出すことの無いように画策を始めた。








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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

もしもシリーズ | 00:15:01 | トラックバック(0) | コメント(4)
コメント
いつも楽しいお話ありがとうございます♪ 

瑠霞姫から何か貰ったみたいで、中身はたぶん裏仕様なんだろうなーとニヤニヤしております。

明日から夏休みですね・・・
うちでは魔の一月半になりそうです(涙)
2013-07-19 金 05:17:11 | URL | rita [編集]
Re: タイトルなし
rita様、久し振りです。嬉しいコメントをありがとう御座います。ええ、もちろんそうで御座います(にやり)明日から夏休み。バイトに頑張る予定の娘ですが、そのまえに通知表が返って来ます。ほほほ。その成績によっては×××××。まあ、部活も文化祭用意もあるので忙しい夏休みになりそうですけどね。いいわね~、学生って。(遠い目)
2013-07-19 金 07:46:43 | URL | あお [編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013-07-19 金 09:02:11 | | [編集]
Re: タイトルなし
ますたぬ様、コメントをありがとう御座います。桐が迎えにいくと、ガタイがでかいので忍び込むのは無理かと思って、大ちゃんにしましたー。わーい。桐は前回で出し過ぎちゃいましたし、少し休憩に。 「もしも」のエロ陛下好きって言ってくれてアリガトウ!超嬉しいです!
2013-07-19 金 09:36:02 | URL | あお [編集]
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