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迷宮への誘い  23
「パラレルシリーズ」続きです。あと少しだー! と喜んでいる私ですが、ちょいと腐ってて更新が滞りがちっす。腐乱が激しくなると思っていたところに、あらら! いつの間にか30万hit! 足を運んで下さる皆様のお蔭です。本当にありがとう御座います。感謝いっぱいです。


では、どうぞ













馬車の扉が外から開かれ、気付くと王宮に戻っていた。
これからのことを深く熟考していたユーリが顔を上げると、何故かひどく憔悴した妃がいつの間にか満足げな顔の国王陛下の膝上に座っている姿に首を傾げてしまう。 

「あら夕鈴さん、どうしました? すごく疲れた様子ですが。 あ、すいません! 私、考え込むと周囲の音が聞こえなくなるんですが、もしかして何か話し掛けましたか?」
「いえ・・・・。 話し掛けてないから気にしないでね。 ちょっと・・・、そう馬車に酔ったみたいで、それだけだから。 それよりも陛下は直ぐに執務室に向かって下さい!」
「ええー。 僕も一緒にお菓子を食べたい」
「それは政務が終ってからにして下さい。 でも際限なく食べる輩が居るから、先にこれと、これを分けて置きましょう。 あ、これも美味しいですから政務の合間に食べて下さいね。 お茶受けにぴったりですから。 でも食べ過ぎると夕飯が食べられなくなりますから気を付けて下さい」
「一緒に食べた方が美味しいのにぃ~」
「仕事が大事です。 あ、これは本当に美味しいですよ!」

買ってきたばかりの菓子を広げて仲良く二人で話し始めたので、ユーリはこれ以上あてられないように静かに下りた。 迎えに来てくれた浩大の手を引き、急ぎ場を離れることにする。

「・・・・なんか、もう。 こっちが恥ずかしくなるんだけど」
「らぶらぶ~だろ? でも自覚してないんだぜ、あれで」

浩大が呆れたような顔で馬車に視線を投げて肩を竦める。 普段、妃警護をしている浩大はいちゃいちゃの見過ぎですっかり慣れているようだ。 こっちはどうしても自分に重ねてしまうので、気恥ずかしいとユーリは顔を赤らめる。 

「後宮庭園の中で、珍しい花を教えてくれる? 押し花にして記念に持って帰りたいから」 
「あっれー、簪を貰ったんだろーに足りないのか?」
「・・・・・あれは武器と化したじゃない。 まあ、あれもお土産になるけど押し花だったら嵩張らないし、仕事場に飾ることも出来るし、いいなと思って」
「じゃあ、このまま連れて行ってやるよ。 目立つから外套だけ脱いでね」

言われた通りにマントを脱いで浩大と庭園へ移動しながら陛下が下町で買って来た菓子のことや、夕鈴さんの弟が後輩にそっくりだけど年がまるで違うこと、その弟君と野菜を買い物に行った時に知り合いそっくりの几鍔に遇ったことなどを話した。

「あ、夕鈴さんの幼馴染の几鍔さんって知ってる?」
「ああ。 几商店の跡取り息子で下町では結構な顔だよ。 子分も多くて面倒見はいいけど、お妃ちゃんの父親が時々ね~、金貸し業も営んでいる彼の実家から金を借りるんだよね。 だからお妃ちゃんは 『貸す方も悪い』 って一方的に敵視しているみたいだよ。 顔を出す陛下のことも気になってるみたいだしね、幼馴染君は」
「・・・・・そ、それは・・・・」

そうか、お父さんが幼馴染の実家から借金するのは厭だろうな。 そうなると顔を合わせるのも厭になるのは理解出来る。 彼自身はいい人そうだし、あんなに毛嫌いされているのに顔を出してくれるなんて・・・・。 それも普段から夕鈴さんの実家に顔を出している様子だったな。 青慎君も国王陛下も普通に対応していたから、下町ではあれが当たり前の日常なのだろう。 陛下のことが気になっているのは、二人が結婚していることを知らないからだろう。 暇そうな役人とか言われていたな。 
実際はお妃が大好きすぎて、一時も離れたくないと政務を放り出している・・・・。
あれ、それって国王陛下としては駄目じゃないの?
・・・・・私がとやかく言うことじゃないか。 うん、きっと夕鈴さんが好き過ぎるだけだ。
あら、それって夕鈴さんにさっき言われたばかりの言葉じゃないの。 

「そっくりちゃん、顔が赤いけど熱でも出たか? もう体調はいいはずだよな」
「だっ、大丈夫! あ、この花がいいな。 あとはこれも。 そう言えば、夕鈴さんの髪にもいつも花が飾られてますね。 すごく綺麗で華やかな・・・・・は、なが・・・」
「およ? そっくりちゃん、どうしたぁ?」

後宮庭園花壇まで来て幾つかの花を摘んだ後、ユーリの頭に何かが浮かんだ。 
それは突然浮かび上がり、頭の中を一気に埋め尽くす。 何故、今までそれを思い出さなかったのか不思議なくらいだと、ユーリは手にした花を放り出して踵を返し走り出した。
 
「っと、そっくりちゃん!?」
「老師のところに行きます!」

走り出すと一瞬だけ足が痛んだが、気にしている暇はない。 走りにくいと裾を捲り上げた途端、浩大からストップがかかる。 庭園奥じゃないから止めてくれと叫ばれ、眉間に皺を寄せながらユーリは全力で早歩きをした。

「どうしたんだよ、突然! なあ、そっくりちゃ~ん!」
「たっ、たぶんだけど!」

問われても、裾がバサバサする状態で競歩をしながら上手く話すことなんか出来ないと、足を急がせる。 後宮立入り禁止区域へと飛び込むように突入し、スーツが置かれた部屋に向かう。 出掛ける前、簪をポケットに入れた時は何も思わなかった。 だけど、いつか感じた違和感はスーツを手にすると更に増して、掴んだ手が震えてしまう。

「なんだ、着替えるのか? 直ぐ?」
「・・・うん。 ・・・・浩大、夕鈴さんに声を掛けて貰えるかな」
「了解。 何だかわからないけど、呼んで来てやるよん」

着付けするのは難しいけど、脱ぐのは簡単だ。 脱ぎながら丁寧に畳まれたスーツとシャツ、ベルトと靴を見下ろすユーリの胸が昂ってくる。

最初にこの世界の衣装に着替えた時、本当にブローチを渡さなくてもいいのかと、他に何かないかと指で探った。 その時、何かに触れたのを思い出す。 触れたのは確か柔らかいものだったはずだ。 声が掛かり直ぐに手を離して、そのまま忘れていた何かが頭の中でチカチカと光り出す。
汚れを取るため洗ったから、もうそこには無いかも知れない。 だけど無いと困る。
ジャケットのポケットにそろりと手を差し込むと、何かに触れる。 期待を込めて摘まみ出すと、見たこともない大振りの花が一輪あった。 不思議なことにポケットの中で数日経過しているにも拘らず、それは潰れること無く、まるで切り取ったばかりのような瑞々しさで存在している。

ユーリは彷徨いそうになる記憶を必死に手繰り寄せてみた。 
花から香る匂いで記憶が蘇るような気がして、そっと目を閉じて鼻を寄せる。
 

・・・・・そうだ。 あの日、邸が見えて来た地点で車から降りて歩くことにしたんだ。 
どこまでも広い秋の空と、青々とした芝。 気持ちのいい少し冷たい空気を胸いっぱい吸い込んで、邸へ向かった。 ふと視線を落とすと、いつか私が気を失うように眠りこけた場所が見えた。 低木を寄せ集めたような茂み近くの芝。 あの時は、何故ここに足が向いたのだろう。 
黎翔に心配を掛けたくないと、自分自身も心配げな彼の顔を見たくはないと、あれから自重自戒して近付かないようにしてた場所。 その場所に、足が勝手に向っていく。 
芝に膝をつき、不思議なくらい穏やかな気持ちのまま、茂みを眺める。 
低木の茂みの中に白いものが見えた。 くしゃっと丸めた紙切れのようなそれは、触れると柔らかい花だと解かる。 それも切花で、どうしてこんなところにあるのか不思議だと思った。 
それを・・・・・ポケットに入れた記憶は無い。 だけど、確かにこの花だった。 
どうして潰れずにポケットに入っていたのだろうか。

その花を丁寧に卓に置き、シャツやパンツ、そして沓を履き替え、ジャケットを羽織ると痛いほどに心臓が跳ねる感じがして、どう表現していいのか判らなくなる。 急くように跳ね回る心臓が痛いと、訳も無く泣きたくなったユーリは鼻を啜って唇を噛み締めた。





少しして夕鈴さんが急ぎ足で部屋に顔を出し、その後に浩大が菓子を抱えながら困惑した顔を見せる。 説明もなしに走り出した私に何も問わず、そして夕鈴さんを呼んで来てくれた彼に礼を伝えると、浩大は笑顔を返してくれる。

「ユーリ、どうしたの? まさか、このまま池に飛び込むつもりなの!?」

蒼褪めた顔色で私の手を掴む夕鈴さんに、首を振って大丈夫だと伝える。 
そして大きく息を吐き、夕鈴さんに掴まれた手を掴み直した。

これが正解かどうかは解からない。 記憶がないままで飛ばされ、この世界に来た私だ。
どうやったら戻れるのか糸口さえ攫めずにいるけど、もしかしてこれが答えなのかも知れないと思うだけで肌が粟立つ。 勿論、違う可能性もあるし、その可能性の方が高いだろう。 期待してはいけない、駄目だった時の反動が大きいだろうと判るから。 
・・・・だけど。

「私、この世界に来て良かった。 いろいろ考えさせられたし、夕鈴さんに逢えた」

卓に置いた花を両手に持ち、夕鈴さんへと渡す。 両手で受け取ってくれた彼女はきょとんとした顔で私を見つめ、そしてゆっくり花へと視線を落とす。 しばらく黙って花を眺めていた夕鈴さんは、小さく首を傾げて不思議そうな顔をした。

「あの・・・・、この花を庭園に取りに行ったの?」
「いいえ、摘んだ花は途中で落として来ちゃったみたいです」

花が夕鈴さんの手の内にあるのを見ているだけで、胸がいっぱいになる。 きっとそれが答えだと確信に近い気持ちが溢れてきて、目が潤みそうになった。 浩大が花を前に大きく目を瞠り、 「この花は何処に咲いてた?」 と尋ねて来る。 

「まずはお礼を。 私、浩大に逢えて嬉しかった。 知っている人じゃないのに懐かしい感じがして、やっぱり世話を焼いてくれて助かりました。 その花は・・・アメリカから持って来たみたい」
「じゃあ、あっちの界の花なのか?」

わずかに眉間に皺が寄る浩大に、首を横に振って違うと答えた。 きっと後宮庭園で見たことのある花なのだろう。 庭園の花に詳しい彼ならわかるはずだ。 
老師が 「何があったんじゃ?」 と顔を出すから、ユーリは深く頭を下げた。

「老師さん。 短い間でしたが、何だか戻れそうな気がしますので、今ここで挨拶させて下さい。 お世話になりました。 ありがとう御座います」
「突然なんじゃ。 戻る手立てが見つかったと言うのか?」
「ユーリ、そうなの? 戻れる方法が見つかったの?」

その問いにユーリは眉を寄せて 「見つかったような、そんな気がするだけですが」 と言葉を濁して答えた。 だが心の中ではそうだと答えていた。 自分でも説明し難い確信めいた気持ちは段々大きくなり、それをこれから実証したい。

「駄目で元々です。 やってみなきゃわかりませんから」
「そんで、何をするのさ」
「まずは皆に挨拶したい。 これで戻れたら挨拶も無しで、きっと心残りになりそうだから」
「・・・・それは理解出来る。 浩大、陛下を呼んで来てくれる?」

浩大が頷いて呼びに行っている間、老師が折角の菓子じゃとお茶を淹れてくれる。 
ユーリはポケットの簪を上から確かめ、夕鈴さんの手の内の花を見つめた。 世話になった対価としてブローチを渡すことが出来たし、代わりに簪を貰えた。 夕鈴さんとたくさん話しが出来たし、彼女が幸せそうなのがわかった。 
突然この世界に来たことは驚きの連続で戸惑ったけど、今でも本当は夢じゃないかと思っているけど、貴重な体験が出来て良かったのかも知れないと気付かされる。 今まで心の奥に閉じ込めていた 『夕鈴』 に対する如何にも出来なかった思いが、本人に会って随分変わってきた。

それはこれからも黎翔の側にいたいと願う私にとっては昇華しなくてはいけないことであり、だけど全てを彼に吐き出せなかった醜い部分。 瘡蓋となり普段は気にも留めないことが、いつの間にか自分でそれを引っ掻き、再び血を流してしまう弱い部分だ。 それが今は随分小さくなっていると気付く。 きっと、この瘡蓋はもう少しで消えてなくなるだろう。

回廊を歩く音が聞こえ、卓を囲んでいた皆の視線が入り口に向けられると、そこには陛下だけではなく李順さんや浩大、桐の姿もあった。

「ユーリが元の界に戻ると?」
「国王陛下、李順さんも足を運んで頂き、ありがとう御座います。 まだ戻れると決まった訳ではないのですが、何と言うか・・・・・。 そんな気がするんです」

ユーリはそう言い切ると立ち上がり、正面から皆へと大きく頭を下げた。 
本当に戻れるかの確証はないのに、戻れる気がして堪らない。 
背中をざわざわする奇妙な感覚が止まらないから、期待感も止まらない。

「ユーリ、あの・・・・それで、この花は?」

夕鈴さんが持ち続けてくれた花を陛下へと渡す。 手の中の花を見下ろし、そして私に視線を移す陛下は僅かに眉を寄せて困惑の呈を見せる。 

「その花は夕鈴さんの髪飾りだと思います。 いつの間にかスーツのポケットに入っていて、洗ってもらったのに、それでもその花は枯れることも散ることもなく、見つけた時のように瑞々しいままなんです。 とても・・・・不思議ですよね」
「・・・・ユーリ。 ・・・・あの芝生で・・・・この花、を?」

夕鈴は大きく目を見開き、陛下が持つ花を凝視した。 
記憶を探っても思い出せない。 アメリカの芝生で何度も横になった。 陛下の声を聞きたいと何度も横になったから、近くの低木も回りに何もないことも知っているはずだ。 
それに髪飾りの花は・・・・・。 
あの日、確かに髪に花を飾っていた。 そしてそれは風に煽られて池に落ちて、そのまま何処かに行ってしまったはず。 アメリカの紅珠が見つけてくれた妃衣装に花まで無かったし、夕鈴自身も髪飾りの花のことなど覚えてもいない。 

「確かにこの花はお妃ちゃんの髪を飾る時に使われていた花だよ。 飾りに使用する花は限られているし、よく侍女が好んでいた花だ。 それにオレ、憶えがあるから」
「浩大が憶えているなら、そうなのだろう。 確か、夏の終わりに咲く花だな」 

驚愕に目を瞠る妃の頬をそっと撫でた陛下を見上げる夕鈴さんは、今にも泣きそうな顔で唇を震わせていた。 数ヶ月間、異世界へ飛ばされていた時のことを思い出したのだろうか。 陛下が持つ花を眺める彼女の目は潤み出し、浅い息を吐きながら自身の手を強く握り締めていた。

「私はこれを届けに来たのかも知れません。 あれから一年以上過ぎた場所に、花飾りが残っているなんて有り得ない。 勝手な考えですけど、花が導いてくれたのかなって。 その後の報告をするためと、夕鈴さんの幸せを見るため、私自身の問題解決のためにこの世界に来たのかも知れないと・・・・想像します」
「・・・・わ、たしも、気になっていたの。 ちゃんと御礼も言わずに逃げるように邸から出て、この界に戻って来て、みんなに・・・・何も言わずに・・・・。 ユーリが伝えてくれるって言ってくれて、すごい嬉しいと・・・・」

ボロボロと泣き出した夕鈴さんの手を握り、私は頷いた。 その気持ちを、私はアメリカにいる皆に伝えることが出来る。 だから夕鈴さんはアメリカに飛ばされなかったのかも知れない。 

「夕鈴さん。 もう一つ、お土産を貰ってもいいですか?」
「ほぇ? ・・・・な、なにを?」
「折角同じ顔なんですもの。 国王陛下をハグしてもいい?」
「え、僕? はぐ・・・・って?」

夕鈴さんの大きな瞳が何度か瞬き、そして後ろをそろりと振り返る。 小首を傾げた国王陛下が私達をじっと見つめる中、私は夕鈴さんから手を離して足早に近付いた。

「国王陛下とハグする機会なんて、この先絶対に無いですもの。 それも黎翔と同じ顔!」
「・・・っ。 ああ、李順に飛びついていた、これがはぐって言うのか」
「そうです。 御無礼致します、国王陛下」

両手を広げて国王陛下を抱き締める。 同じ顔で同じ体格で、だけど年も立場も違う人。
ああ、早く戻って私の黎翔を抱き締めたい。 ふわりと背が温かくなり、国王陛下が背を撫でているのが伝わって来る。 顔を上げると少しだけ困った顔で、それでも柔らかな笑みを浮かべてくれたから嬉しくなった。

「来たばかりの時は悪いことをしたな。 他にもいろいろ世話になった。 戻ったら、あちらの黎翔にも宜しく伝えてくれ。 我が妃が大変世話になったと。 そしてユーリ・・・・どうか幸せに」
「ありがとう御座います、国王陛下」

ゆっくり手を離して隣に立つ李順さんに視線を移す。 途端に眉を顰めて、今にも退きそうな彼に抱き付くのは駄目だろうと思い、手を差し出し握手を求めた。

「李順さん、突然飛び付いてごめんなさい。 いろいろ御面倒掛けました」
「・・・・いえ。 簪は受け取りましたか?」
「はい。 勝手にカスタマイズされてますが、それも記念になるでしょう」
「かすた・・・・? まあ、記念になるなら結構です」

浩大と老師とも握手を済ませ、桐に視線を向けると手を出す前に口を出された。

「俺と同じ顔の者は、もどきの界にはいないのか?」
「・・・・会ったことはないけど、これから会うのかも知れない。 そう思うと楽しそうだね」
「同じように鍛えて貰うといい。 お前はまだまだ精進が必要だ」

そう言って鉄環手を外して私の手首に嵌める。 ・・・・もう、この人に何も言う気が湧いてこない。 
本当にアメリカで桐そっくりさんに会ったら問答無用で鍛えられそうだ。 
それは・・・・喜ぶべきことなのだろうか。

「それで、戻る手立てはどんな方法なんだい?」

浩大の明るい声に、心が折れそうになっていた私は陛下の手の中の花を夕鈴さんの髪に挿した。 少し重たげな大きな花が一層匂い立つようで、泣き顔の夕鈴さんをゆっくりと抱き締める。 私以上に泣き虫な同じ顔のお妃様を抱き締めながら、思わず笑い出してしまう。

「もしかして、三度目ってあるかしら。 今度はお互いの夫が交換とか」
「そ、それは駄目よ! どうしたって無理があるわよ!」
「じゃあ、お互いの子供・・・・とか?」
「そぉ・・・・・っ!? い、いや・・・・そ、それ、もっ、こ、困るっ!」

異常な熱と震えを感じて、きっと夕鈴さんは真っ赤になっているのだろうと思った。 それが面白いと笑いながら、ユーリは抱き締める腕に力を込める。 







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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

パラレル | 02:11:23 | トラックバック(0) | コメント(9)
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2013-11-20 水 06:48:59 | | [編集]
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2013-11-20 水 11:09:06 | | [編集]
Re: タイトルなし
ますたぬ様、コメントをありがとう御座います。ええ、ますたぬ様からの叱責が怖くて(笑)ハグは速攻中止致しましたー! アメリカ桐との絡みは・・・・・うん、余りない・・・・はずです。 だって黎翔が焼きもち妬くから~(爆)
2013-11-20 水 20:11:08 | URL | あお [編集]
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2013-11-20 水 21:10:57 | | [編集]
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2013-11-20 水 21:49:46 | | [編集]
Re: 佳境ですね
ぶんた様、コメントをありがとう御座います。そうですよね、静電気の時季ですよね。気をつけないと痛い目に遭う体質なので困りものです。やっと戻れる回に突入です。アメリカと王宮とを順に書いてまとめるだけ! ・・・・その「だけ」が曲者ですけど(笑) 聞き飽きたかも知れませんが、もう少しだけ、お付き合い下さいませ。
2013-11-21 木 00:17:50 | URL | あお [編集]
Re: タイトルなし
ビスカス様、コメントをありがとう御座います。本当に長くなって自分でも笑えます。でもこれでも結構割愛した部分もあり、必死に繋ぎ合わせてます。バイト妃は内緒のままです。だって本物になると私、信じてますからー!(笑) ようやく次はアメリカ編となりますが、これもまとめるのが苦労しそう。これ以上長くなるのは勘弁と思いながら、手が勝手に動いて寝不足になっていく気がする。でもアメリカ桐も書きたいし、次の妄想も推しているし、SNSもあるし~。 いやいや、それよりも前に仕事場の段取りが先だ。これ以上腐敗はしたくないので、のんびり更新させて貰います。でも、書きたい!
2013-11-21 木 00:25:18 | URL | あお [編集]
いよいよ帰還編ですね
どの様に帰るのか…ドキドキです
それよりももっとドキドキしたのが陛下の方の黎翔さんとユーリのハグにはビックリです
絶対現代の黎翔さんにバレて又凄い事になりそうだし
アメリカ桐さんてどんなの?
と言うよりどんなバトルするの?とワクワクしてます
ラスト楽しみにしてます!
2013-11-21 木 19:36:08 | URL | 名無しの読み手 [編集]
Re: タイトルなし
名無しの読み手様、コメントをありがとう御座います。そして長い話にお付き合い頂きありがとうです。やっと戻れます。毎度のことながら長い話になってしまうので、お付き合い頂ける皆様にはすごく感謝です。アメリカ桐は・・・・26くらいで出てくる予定です。陛下とのハグは、う~ん、どうしましょう。教えた方が面白そうですね。によによ・・・。
2013-11-21 木 20:53:11 | URL | あお [編集]
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