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combat
一応ノーマルバージョン・・・のつもりで書いたのに、結果エロ腹黒になりましたー。(アレ?)
いや~、二月から春休み状態の娘と遊び回っていました。姪っ子が上京したので会いに行って遊んだり、卒業式を終えて実家に行ったり、映画だ観劇だ・・・と。今月に入って、娘は更に遊んでます。四月の入学式まで、バイトと遊びに一生懸命で、時々運転手として使われています。(笑)


では、どうぞ 







「んん~っ、一気に春めいてきた! 洗濯物が一気に乾く季節だなぁ」

季節が変わると、色々やらなければならないこと、やりたいことが出てくる。
実家の衣装箪笥の中身を衣替えして、青慎の衣装の繕い物や丈伸ばしをしたい。 成長期だから夏前には新調しなきゃならないだろうから、もう着れない衣装は雑巾や膝当て用に仕分けしなきゃならない。 まだ急に冷え込むこともあるだろうから、薪の残りも確認しておきたい。 

「早めに休みの申請をしておこうかな」
「じゃあ、僕の分も申請しておいて」
「・・・まあ、陛下もお休みなさるのですか? 勿論いいですよ。 地獄の使者より怖い側近殿に、陛下が脱走を企てているとお伝えしておきますわ」

突然乱入してきた楽し気な声に、夕鈴が冷静な突っ込みを入れながら茶杯を口へ運ぶと、想像通りに、「ええ~」 とぐずった小犬が隣に腰掛けてきた。 肩を摺り寄せて来るから、上手く茶が飲めない。 青筋を立てて陛下を睨むが、もちろん通じる訳もない。 

「では、御自身で李順さんに申し伝えて下さいよ」
「絶対に駄目って言うに決まってる」
「私が言っても同じです。 ところで陛下は休憩ですか? 脱走ですか?」  
「愛しい妃に逢いに来ただけだ」
「・・・脱走ですか。 李順さんが角を出して探してますよ、きっと」

茶杯を卓に置くと同時に手を取られ、当然のように抱き上げようとする陛下から身を躱す。
侍女から陛下お渡りの声がなかったが、きっと目線ひとつで黙らせて下がるよう指示したのだろう。 そうしたのは理由があるはずだ。 その理由とは毎度のことながら側近からの逃亡だろうが、逃亡先が知れているというのに、どうして陛下はバイトの許に逃げ込むのか。 

「どうせ直ぐに李順さんが来て、首根っこ引っ掴まれて政務室に連れ戻されるんですから、散策など行かずにここでお茶でも飲んでいた方がいいですよ。 下手に逃げると、書簡の山が追加されちゃいますよ? 周宰相の部屋に監禁されるのも厭でしょう?」
「・・・・夕鈴」

陛下の分の茶を用意しようと立ち上がった夕鈴は、背を震わせる威圧的な声に目を見開いた。
どうして、ここで狼陛下の声色になるのか。 いつものように仕事をしろと、政務に戻れと言っただけじゃないか。 何が陛下の琴線に触れたのか・・・・。
狼が近付く気配を感じながら、夕鈴は必死に頭を回転させた。

「へ、陛下。 春になり、新たな政策が山のように持ち込まれていると聞いてます。 官吏の皆様方も朝から走り回って、懸案書類を必死に作成していると・・・」
「夕鈴、私は政務の話ではなく、妃と過ごす休暇の話をしたいのだが」
「何で一緒に過ごすことが前提? バイト妃の休暇に、国王陛下が付き添う必要など全く、一切、これっぽっちもありませんよ! 絶対に駄目ですっ、下町に来るのは禁止ですっ」
「・・・絶対に・・・駄目と?」

夕鈴が至極尤もな主張をすると、陛下はいきなり剣呑な雰囲気を醸し出した。 毅然とした態度で対峙するが、肩を掴まれた途端に失敗したと気付く。 
そんなに下町に行きたいのか、駄菓子とか出店での庶民料理がそんなに食べたいのかと突っ込みたいが、それを口にした途端、狼に頭から喰われてしまいそうで怖い。 何か、陛下の気を逸らすことを口にしなくては周囲を見回し、じりじりと後退する。 
だが茶器が置かれたテーブルに退路を阻まれ、近付く狼の吐息に肌が粟立った。

「そ、それではっ、一緒にお願いしましょう! それ、でっ、李順さんが許可をくれたら、一緒に町を歩きましょう! 李順さんが許可をくれるなら、実家で陛下の分の夕食も用意します!」
「・・・え? 本当っ!?」

狼の気配が薄らぎ、小犬の顔が現れたのを知り、夕鈴はぐっと拳を握った。 
今が絶好の機会。 
陛下が小犬でいる内に退路を断つしかないと、夕鈴は必死に言葉を紡ぐ。

「ええ、陛下が宜しければ。 でも・・・、そのためには書類の山がきれいに片付き、李順さんが問題ないと判断した上で、下町行きの許可をもらわなくてはいけませんね。 陛下、御政務は順調ですか? 書類の山は築いていませんか? 一緒に行けますか?」
「っ、・・・ぐ」
「あ、これは失礼なことを。 陛下が書類を溜め込むなど、有り得ないことを口にしてしまいました。 いつも真面目に白陽国の更なる発展を慮って政務に勤しまれている陛下ですもの、李順さんも直ぐに許可を下さいますよね。 では陛下、一緒に李順さんに許可をもらいに参りましょうか」
「ちょ、ちょっと待って!」

まあ、どうしてですの?と目を見開き、夕鈴は小首を傾げて陛下を見上げる。 そこには顔を顰めて視線を彷徨わせる小犬陛下がいて、袖で口元を隠した夕鈴は歪んだ笑みを浮かべた。 
書類の山が築かれているなら、下町散策の許可などもらえる訳がない。 
だが陛下は『最大奥義・王宮脱走』を隠し持っている。 
そうなるだろうと予測したバイト上司から、外泊許可が下りない可能性が出てくる。 

「以前のように、陛下と御一緒に食事をしたり買い物したり・・・は、無理ですか?」
「無理じゃないっ! けど・・・天候が崩れるかも知れないから、来週にしたらどうかな?」
「まあ、では急いで李順さんに休みの申請をしなくては」
「そ、それは・・・っ」

慌てふためく陛下に、夕鈴は確信した。 執務室の机の上ではやはり書類が山を築いていて、許可などもらえる訳がないと。 もし陛下が側近に下町に行くと言った途端、陛下は周宰相の部屋に閉じ込められるだろう。
視線を持ち上げると狼狽している小犬がいて、夕鈴は目を細めた。

「陛下。 御一緒が無理なら、そうおっしゃって下さい」
「いや、そ・・・んなことはないよ」
「無理はなさらない方がいいです。 あとで困るのは陛下ですから」
「・・・うっ。 でも、夕鈴が作る御飯食べたいし・・・、急ぎの案件はないはずだし」
「では、李順さんに許可をもらいに行きましょう。 問題はないのでしょう?」

夕鈴が小首を傾げて問い詰めると、陛下は湯に投じられた青菜のように萎れていく。 その様子を目に、夕鈴が胸を反らして達成感を味わっていると、何やら呪文を紡ぐような声が聞こえてきた。 
音源は、項垂れた陛下からだ。
何度も何度も味わった、『やってしまった感』 が一気に背を這い上がり、夕鈴は息を止めて踵を返す。 呪文が聞こえなくなったらお終いだ、と音を立てずに最短距離で廊下を目指した。 
明るい部屋から薄暗い廊下に出る寸前、止めていた息をそっと吐く。 
陛下をあそこまで追い詰めなきゃ良かったと、今更なことを反省しながら衛兵か侍女を探す夕鈴の口が、背後から伸びて来た手に覆われた。 
そのまま担ぎ上げられ、悲鳴すら出せず、抵抗する暇もなく連れ戻され、そのまま寝所に連れ込まれそうになる。 目を瞠って反射的に伸ばした手が掴んだのは衝立だ。

「それを倒すと借金倍増」
「・・・っ!」

手が離れると同時に、夕鈴は寝台に転がっていた。 口は塞がれたまま、肩を押し付ける力は強く、唯一自由になる足を無我夢中で蹴り上げた瞬間、陛下の足が間に嵌まった。

「んんん~~~っ!!」
「夕鈴自らが裾を捲り上げてくれるなんて、サービスいいね」
「んぐぐぅ~~っ!?」
「忘れていたが、先月夕鈴からもらった贈り物に対してのお返しがまだだった。 最近は倍返しなんて言葉があるそうだな。 いつも以上に気合を入れて、たっぷりとお返しをしよう」
「っ!? ~~~~っ!」

何を言われているのか理解出来ず、必死に首を横に振ろうとするが、僅かに敷布がずれるだけで何の効果もない。 覆い被さる狼が妖艶なしぐさで唇を舐めあげるのを目にして、夕鈴はやっぱり 『やってしまったのか』 と多大な反省をする。 今さら反省しても遅いだろうが、これから何をされるか想像するより、反省でもしていた方がましだ。
他にすることといえば祈るだけ。 
政務をサボっている陛下を、一秒でも早く李順さんが探しに来てくれますように。 少しでも早く、この狼を駆逐して下さいと祈るしか出来ない。

「甘い夕鈴を堪能しながらお返し出来るなんて、本当に最近は都合のいい異国の祭りが流行しているよね。 まずは包装紙を取り除き、舌と歯で・・・・じっくりと味わうとしよう」
「~~~~~~っ!」

李順さんっ! 早く早く早く早くっ、狼退治に来て下さい!
実家に帰るのは諦めます。 陛下を追い詰めたことも(今だけは)謝ります。 
だから、だから嫁入り前の娘の心身に傷をつけるのだけは勘弁して下さいっ!

「ぷはっ! か、・・・噛まないでっ!」
「夕鈴は本当に食べちゃいたいほど可愛い。 柔らかくて、いい匂いで」
「ひあぁっ! 舐めるなっ! あ・・・あ、あっ! 駄目だって・・・・やっ」
「今回一緒に下町に行くことが出来ない分、精いっぱい奉仕させてもらうよ。 来年は夕鈴から何をもらえるかなぁ。 今から楽しみで楽しみで・・・・仕方がないよ、夕鈴」


ああ、負けた。 今回の勝負もまたバイトの負けだ。 狼陛下に勝てる日は来るのだろうか。
いや、借金完済したら私の勝ちだ。 
来年のことなんか考えている腹黒狼なんかに、絶対負けないから!

だけど今だけは支援が欲しい。 バイト上司の白く輝く眼鏡姿に会いたい。





バイト上司の訪れは、それから半刻後。
狼は捕らえられて宰相部屋へと隔離され、半分皮を剥かれて味見をされた兎は地獄の使者から長々と説教をされたそうな。


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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

短編 | 00:13:16 | トラックバック(0) | コメント(4)
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2016-03-17 木 11:57:24 | | [編集]
Re: タイトルなし
くれは様、コメントをありがとう御座います。こちらでは初めまして! お越し頂き、ありがとうです。タイトル通り、戦いです。(笑)でも兎は狼に食べられるものですから、やっぱりこうなる夕鈴です。・・・合掌。どうしても腹黒になってしまう愚作に失笑しながら、コミックを読んでは萌え転がっている今日この頃。コスプレーヤーの娘に「夕鈴やって!」とお願いしても、衣装が面倒だとバッサリ斬られています。コミック通りのらぶらぶ~~なモノも書きたいし、もう少しバイト夕鈴も書きたい。ジレンマに悩み、白髪が増えた私です。
2016-03-17 木 23:09:18 | URL | あお [編集]
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2016-03-22 火 20:00:41 | | [編集]
Re: タイトルなし
うさぎ様、コメントをありがとう御座います。返事が遅くなりまして、大変失礼を致しました。そして、初めまして。ご覧いただき、面白いとのコメントを頂き、感謝感激です。のたうち回りそうになり、犬に吠えられました(いつものこと)。陛下ってばきっといろいろ経験があるだろうに、夕鈴に翻弄されているところが萌えで、もう毎回コミックが出ると悶えております。のんびり更新ですが、またお越し頂けると嬉しいです。
2016-04-14 木 19:52:25 | URL | あお [編集]
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