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旅からの里帰り

ああ、余計な事を考えすぎて、題名が、タイトルが、主題が思いつかない!
まんまやないけぇ!と自分突込みをしてしまいます。

もしもシリーズ、新婚旅行からの帰宮後です。
むちゃくちゃです。ごめんなさい!(^^;)




では、どうぞ


















新婚旅行から戻り、陛下は直ぐに執務室へ引き篭もることとなった。 引き攣った笑顔の李順が恭しく出迎え、陛下は部屋に戻る事なく官吏らに両脇を捕らえられてしまう。

「さあ、陛下の本領発揮ですよ! お休みしていた分、沢山の仕事が陛下をお待ちしておりましたよ。 陛下のお帰りが、私は心より嬉しいです!」
「・・・・・李順。 お前少しやつれたか?」
「ええ、これも陛下の御蔭でしょうかね。 さあ、すぐに執務室へ!」

慌ただしく囚われの身となった陛下を呆然と見送った後、夕鈴は部屋で荷物を解き、侍女や浩大、老師へ土産を渡す用意を始めた。 沢山の品を見ては、思わず央東を思い出し夕鈴は頬を紅潮させてしまう。



侍女は旅行の途中より先に後宮へ戻り、正妃の新しい衣装用意や整理を始め、山と詰まれた献上品を別部屋へ移したり、夕鈴が判り易いように以前と同じように鏡台の中を整えたり、同じように衣装棚内部を配置したりと忙しく働いてくれていた。

それを知り涙が溢れそうな位に嬉しく思った夕鈴は、土産の品と共に部屋で侍女と一緒にお茶を楽しんだ。 最初は夕鈴がいくら勧めても 『同席なぞ私共は出来ません。御許し下さい!』 と拱手して頭を下げる侍女に 『それでも!』 と逆に深々と頭を下げてお願いを繰り返し、ようやく一緒の卓で茶を飲み始めた。
しばらくは旅行の想い出話しを微笑みながら聞いていた侍女らは溜息を吐いて妃を見つめてくる。 侍女の視線と溜息に気付いた夕鈴は不思議そうに尋ねた。

「あの・・・如何かなさいましたか? 先程からじっと御覧になられて・・・・」
「あっ、不躾なことを、失礼を致しました。 お后様がご旅行から御戻りになられて、以前より輝くような御美しさに包まれていらっしゃるのを眩しく思い、つい見とれておりました。 ご旅行中、心より楽しく過ごされたようで嬉しく思います」
「・・・・・・・・え?」

侍女さんの言葉に夕鈴の頬が紅潮する。

「お后様の御配慮で私共も温泉を楽しませて頂き、存外の配慮を賜わり本当に嬉しく思っておりましたのに、御帰りになられたお后様が更にお美しくなられており、ごゆるりと楽しまれた御様子に胸がいっぱいになりました。 中から溢れる、お后様の輝くような美しさに溜息が零れましたのですわ」

今までは 「偽妃」 として存在していた私が、本当の 「后」 となり陛下から寵愛を賜った。
閨を共にし 『女』 となり、知らず立ち振る舞いが変わったのだろうか。
侍女からの熱い視線に真っ赤になりながらも、俯けずに微笑むしかない。

「あの、あ、有難う御座います。 お陰さまでゆっくりと・・・・ 陛下と・・・ 過ごすことが出来ました。 部屋の片付けなど任せてしまい、すいません。 献上品と目録は隣室ですわね。 えっと・・・・ 目を通さなければ・・・・・」

恥ずかしさの余り、お茶もそこそこに夕鈴は立ち上がる。 「では・・・」 と卓のお茶を片付け始める侍女へ老師に足を運ぶようにお願いして隣室へ急ぎ、真っ赤な顔を手で煽ぎ、息を吐く。

『は、恥ずかし過ぎる~! 侍女さんたち、褒めすぎだよ~!』







どうにか落ち着いてきた頃、老師が来たと侍女より報告があり、すぐに通すように伝える。
恭しく部屋に入って来た老師の瞳は輝き、いつも以上に頬は紅潮していた。
思い切り・・・・ 嫌な予感がする。

「おお、お后様、内より輝くような御肌になられてお帰りあそばされましたな! 跡継ぎもいよいよかのぅ・・・。 御子を抱くのが楽しみじゃ! うん、うん!」

いや、いや、『うん、うん』 じゃないって・・・・・。
全く、それどころじゃないんだって。 私より、この献上品の山を見てよ。

「老師様、この目録と献上品ですがどの様にしましょうか。 今まで通り李順さんに見て貰って仕分け作業をして貰いましょうかと思っていたのですが・・・・・」

卓上に山と詰まれた献上品。 目録とひとつひとつ見分するのも時間が掛かりそう。
陛下を引き摺るように政務室に移動した李順は忙しいだろう。
それならば後宮官吏人の老師に来て貰って見分した方が早い。 陛下の手を煩わせる手間を減らした方がいいだろう。 ・・・・・そう思ったのだが。

「おっ? これは全てお主宛じゃからお主の好きにしたら良い。 良いと思ったら使えば良いし、要らないと思ったら捨てたら良い。 ゆっくり見たらいいぞ。 御子が出来たら、これ以上の献上品が部屋を埋め尽くすぞ! ほほほ~っ!」

老師は嬉しそうな、したり顔で夕鈴を見上げてくる。 老師の視線より目の前の献上品に、心底夕鈴は驚いてしまった。 これを・・・・ 全て私に? 
見る見る表情が変わっていく夕鈴に、老師が驚いた顔で問い質した。

「なんじゃ、なんじゃ? どうしてそんな嫌な顔になるのじゃ? 少ないか? 献上品が少なくてそんな顔になっているのか?」
「そ、そんな訳ないでしょう!? 逆です! こんな・・・・ 沢山の献上品を后にって」

顔の前で指を立てると、「ちっちっ」 と指を振る老師。

「一国の正妃に贈ったんじゃ。 これ位何かある毎に贈られるぞ、これからはな!」
「・・・・・!」

ただ、ただ驚くしかない。 一つの献上品には他国の珍しい茶と茶器一式が。 または水晶の花瓶が。 または隣国の絹織物が。 または簪や髪飾りなどの宝飾品が。 他にも多数の献上品が山と積まれている。 庶民出の夕鈴には目の毒というか、眩しいというか。
そして考えていくと、逆に恐くなってくる。 正妃に求められる見返りが。

思わず黙ってしまった夕鈴に気付いた老師が直ぐに応えてくれた。

「大丈夫じゃ。 お主には陛下が付いておられるじゃろう。 何の心配もせずに沢山の御子を陛下の為に産んで差し上げたらいいのじゃ。 陛下も望んでいるだろうて」

少し蒼褪めた顔で老師を見る夕鈴。 それでいいの? と問うような瞳。

「お互いに求め、求められ、そして沢山の御子を産んで差し上げるのじゃ。 あの陛下の唯一となったのじゃから、後宮を賑やかにするのがお主の役割じゃよ」
「・・・・求め、求められ・・・・・」

頬を紅潮させながら夕鈴は何故かすんなりと老師の言葉を受けていた。 旅行中、何度求められただろう。 幸せな檻に囚われて、何の不安も無く、ただ陛下の手に護られて。
・・・・自分から求める間もなかった。 それ以上に求められたから。

「陛下が望むなら、後宮を賑やかにするのも・・・・ いいですね。」

照れた顔の夕鈴は、それでも陛下の為に出来ることを、叶えることが出来る自分を嬉しく思った。 老師も目を輝かせて 「陛下の次に抱かせてくれるよう、予約を!」 と冗談とも本気とも付かないことを言い出し、その言葉に夕鈴が思わず苦笑する。


すると。


「・・・老師、余計なことを述べるな! 私はまだそのようなことは望んでいない。」
「「 陛下!!」」

夕鈴と老師はその声に驚いて振り返ると、いつの間にか部屋の入り口に佇む陛下の姿。
しかし不機嫌な声に、不機嫌な表情。 予想外の陛下の表情に思わず夕鈴は聞いてみる。

「陛下、・・・御子は望んでいないと・・・・ 仰るのですか?」
「陛下! 跡継ぎは必要ですぞ! 沢山の御子を産み、育てるのが本来の後宮の姿ですぞ」

じろりと冷たい眼で老師を見下ろす。 瞬時に背筋を伸ばして蒼白の顔色になり黙ってしまう老師。 その冷たい視線に夕鈴は困惑する。 何故、そんな事を言うの?
私との間に子供は要らないの? ・・・望んでいないって・・・ そんな・・・。
考えたくないけれど、他の妃を娶るの? その妃との間に・・・?
自分の想像に愕然とする。 指先が痺れてきて立っている感覚が無くなる。
やっぱり後ろ盾も無いただの庶民との間には子供は望まないと言われた気がして蒼白になる。

「夕鈴・・・何を想像している? ・・・・・って解かり易い顔だけど・・・」
「だっ・・て、陛下が・・・・ 私との御子は要らないって・・・」

言葉に出した途端ボロボロと涙が溢れてきた。 脱力して、その場に崩れるように座り込んだ夕鈴に慌てて陛下が近寄るとその場に膝をつき、そっと額を寄せる。

「夕鈴・・・ よく聞いて。 君とやっと心を通わせることが出来て間がない。 これから二人の時間を増やし、互いをよく知る時間が必要だ。 もっと君を知りたいし、君に知って貰いたいんだ、私という人間を・・・・。 二人の間の子供は嬉しいけど、もう少し後でもいいじゃないか。 私は 『まだ』 と言ったんだよ。 『まだ望んでいない』 と。 暫らくは二人の時間を望んでいるだけ。 ・・・・解かった?」

涙で溢れた瞳で陛下を見ると柔らかく微笑んでいた。 
夕鈴はその言葉を頭の中で繰り返してみる。 確かに心が通い始めたばかり。 二人の時間を増やして、互いを知り合う機会を設けることも今は未だ必要だろう。 陛下を知り支えていく為に、自分を高め、傍に居てもいいと認められるようにする必要も出てくる。 いくら時間が有っても足りない位になるのは直ぐに判る。 
自分自身、これから 『正妃』 としての勉強がどの位大変か恐ろしくなる程だ。 
知らなければならないことが山のようにあるのだから。

「は・・・い。 御子より先にしなければならないことが沢山あると思い出しました。 まずは勉強しますね! 陛下の為にしっかり勉強して正妃として認められるように頑張ります!」

がっかりと肩を落とした老師を陛下が冷たく一瞥すると、老師はそのまま退室せざるを得ない。 老師が去り二人きりになった途端、陛下は夕鈴を抱き上げて近くの椅子へ移動した。

「ゆーりん、正妃教育なんてしなくていいって旅行前に言ったよね? 二人の時間を大切にしたいって言ってるんだよ。 ・・・つまり」
「ひゃぁ・・・!」

抱き上げて近くなった夕鈴の耳を喰みながら、囁いた。

「・・・こういうこと」
「やっ・・やめっ ・・・ んんっ・・・・」

続いて襲ってきた深い口付けに夕鈴の思考回路は閉ざされる。

顎を持ち上げられ深い口付けが何度も角度をかえて夕鈴に降り注ぐ。 腰に廻した腕に熱が伝わり彼女の下肢が震える。 頬も吐息も紅く染まっているだろう。
深い口付けを重ねながら顎を押さえていた陛下の手が太腿を彷徨い出し、いつしか裾を割り出した。 くぐもった声と手で制そうとするも、その手の動きに逆らえず夕鈴は翻弄され出した。 夕鈴が息を上手くつけなくて、流されそうになった時・・・・・。



「陛下っ!! やっぱり此方でしたね! 人払いをしてまで政務に集中していると思えば姿が見えず、探してみると此処ですか!!」
「あーあ、見つかったか・・・・。 李順、少しは気を遣え」
「遣う気なんか何処に必要なんですか!!! 旅行から帰ったばかりで何故、后の元へ足を運ぶのですか? 大量の書簡を片付けないと、今夜は眠れませんよ!」
「ええー、厭だよ。 これからは毎晩奥さんと一緒に寝る約束したんだよ~。 ね、ゆーりん」


「・・・・・陛下」


愛しい人が陛下の膝から冷たい声を発した。 
その声色がどんな時に紡ぎ出されるのか陛下は熟知している。 捕らえていた手を腰や裾から放すと、すっと夕鈴が立ち上がり陛下に向き直る。 
その顔は優雅に微笑んでいたけれど・・・・・。

「御政務でお忙しいようですね。 もっと集中出来るように私は実家に下がらせて頂きますわ。 此度の旅行土産を実家で披露し、土産話をゆ~~っくりとして参ります。 その間陛下は存分に集中出来ますわね、御政務に。 李順さん、馬車の用意をお願い致します」
「・・・夕鈴!! ご、ごめっ! ちょっと息抜きに来ただけなんだ。 直ぐに執務室へ戻るつもりだったんだよ。 本当に!」

李順は呆れた表情で肩を竦めたあと、「お后様の仰るとおりに馬車を用意致しましょう」 と頭を下げた。 陛下が青い顔で 「夕鈴っ!」 と騒ぐも、微笑んだ后の意思は固い。

「陛下、お休みが済んだら一生懸命働くものですよと、以前お伝えした筈です。 政務に勤しむ陛下は私の誇りです。 ・・・・逃げずに頑張って下さいね!」

其の侭、部屋の外に投げ出された陛下は急ぎ執務室で緊急を要する書簡を広げて政務に精を出した。 真夜中に精根尽き果てて、愛しい后のもとへ足を運ぶが・・・・。









実家では青慎と父が、見るからに機嫌の悪い夕鈴が 『機嫌良さそうに』 楽しかった旅行話をするのを聞いていた。 離宮から見る風光明媚な景色と乳白色の素晴らしい温泉、離宮がある町での賑やかさを楽しそうに話す夕鈴からは、一切陛下の話は出てこなかった。
地雷を踏まないように、 「へー」 「ほー」 「いいねー」 と曖昧な相槌を打つのが精一杯の青慎と父親は、いつ陛下が家に現われるか恐怖に怯えた。

「ねぇ、ちゃんと聞いている?」
「はい! 勿論っ!」

背筋を正して、青筋を立てながら微笑む夕鈴に怯えながら夜は更ける。




四日後、浩大が 「お妃ちゃん、どうやら一段落着いたようだから迎えに上がりましたよ」 と笑顔で姿を現せた。 三日間は執務室に閉じ込められた状態で側近と宰相から攻撃を受けていたようだよと、浩大から報告を受け、夕鈴も流石に可哀想に思えて来た。

「それにしても、新婚旅行から後宮に戻ったと思ったら、その日の内に里帰りって、本当にお妃ちゃん行動的だよね~! もう、オレ大爆笑っすよ!」

浩大の台詞に今更ながら恥ずかしくなってくる。 下町名物の菓子や揚げ物などを買い、一刻も早く狼陛下の機嫌を治すため王宮へ戻って行った夕鈴だった。





やっぱり陛下に甘いわね、わたし・・・・と、今更な事を思いながら。










FIN








 
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

もしもシリーズ | 01:07:33 | トラックバック(0) | コメント(0)
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